![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/78/d86e541d7b01fda75f32dcbe121304e7.jpg)
◎2015年4月12日(日)
多比バス停(9:14)……多比口峠(9:44)……大平山(9:54)……多比峠(10:28)……鷲頭山(10:40)……小鷲頭山(10:51)……中将宮(11:00)……志下峠(11:06)……馬込峠(11:16)……志下山(11:21)……志下坂峠(11:29)……徳倉山(11:58~12:23)……横山峠(12:37)……横山(12:54)……八重坂峠(13:07)……香貫山(13:45)……黒瀬(14:30)……沼津駅(14:57)
「沼津アルプス」の存在を知ったのはごく最近のことだ。HIDEJIさんがその一角を歩かれていた。自分には縁のないエリアだし、アルプスもあちこちにあるもんだ程度の印象だった。沼津アルプスそのものよりも、HIDEJIさんが何でそんなところに行かれたのか、むしろその方に関心が向いた。そのわけは後で知ったが、気分的には、北関東に住む自分には、ついでやら地縁がなければ歩くことはないだろう。群馬の人間がわざわざ静岡の里山に行ってもなぁ。そんな思いでいた。
ところが、沼津への出張が入った。日曜夜宿泊の月曜現地仕事だ。HIDEJIさんの沼津アルプスを思い出した。なら、日曜日はまるまる使えるから、歩いてみようか。これまで、沼津には3回ほど行ったことはあったが、山歩きを兼ねてなんてのは思い浮かびもしなかった。
HIDEJIさんの記録を改めて拝見し、ついでにいろいろと調べた。正確には「勝浦山地」というらしい。桐生アルプスには劣るだろうが、累積標高差も1,000m近くある(1,280mと記している記事もあった)。魅力は、何といっても富士山と海を眺めながらの歩きか。5時間ほどの歩きだろう。当日は、そのまま地元のホテル泊まりだし、どうせなら、ちょっと付け足しで、原木駅から大嵐山を経由して沼津駅まで完全縦走というのも手かなと思ったし、その心づもりでいた。
近づくと、連日の雨降りになって、かろうじて日曜日だけは天気も持つようだ。スーツやらネクタイといった仕事の小道具はホテルに送ったからいいが、雨上がりの、おそらくはぬかるみ続きだろう。スパ長で歩きたいところだが、新幹線に長靴で乗車というのも気がひける。しぶしぶ登山靴を履いて家を出た。
天気予報は不安定で、晴れ間タイムがどんどん少なくなっていた。主脈に至る前に雨で撤退ではお話しにもならない。致し方ない。今回は確実な大平山から香貫山区間の歩きとしよう。原木駅からの歩き、新幹線を三島駅で降りるまで悩んでいた。
(バス停から戻って右折。電柱の陰に標識。沼津アルプスはもう見えている)
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沼津駅から伊豆長岡駅行きのバスに乗る。多比までは25分。480円。若い2人連れも降りた。年配者ならともかく、そうじゃないから前後を歩きづらい。タバコを吸って時間をつぶしてから出発。ここの標高は11mとのことだ。
住宅地歩き、標識無しで紛らわしいという情報であったが、「沼津アルプス 多比口峠登り口→」の標識をすぐに見つけた。迷うところはなかった。さっきの2人連れがゆっくりと歩いていた。抜かざるを得なくなった。
(林道歩き。車は通るわけでもない。雨上がりのせいか、緑がきれいだ)
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(登山口。直進)
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(多比口峠。稜線に出る。大平山は右)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/73/944f76d830ec48ab881b8a1a05bc9d54.jpg)
舗装林道が続く。ところどころにコケが付いて滑る。ご丁寧に「三叉路」と記された標識もあった。これでは迷いようもない。ウグイスが鳴いている。天気の崩れる気配はなく、今さらながら、原木から歩かなかったことを少し後悔した。
道路面にペンキで「ワシズ 大平山 沼ア登山口」書き込みがある。ここで林道から解放されて、普通のハイキングコースになる。雨上がりのため、やはり、土は水気が多く、ところどころで滑る。山桜が咲いている。じきに縦走路に上がった。ここが多比口峠。ところで、ここの標識は一種独特で、最後まで同じようなパターンの標識が続いていた。とにかく、活字物は見あたらない。手書きばかりだ。
(左に富士山)
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(大平山山頂)
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(駿河湾。正確には江浦湾というのか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/ff/51d773bfdb8c32692fac73e7dcc88e8f.jpg)
まずは多比口峠から大平山を往復する。途中、左手に富士山が見えた。青空が覗いてはいるが、全体が白っぽく、絶景の富士山でもないが、見られただけでも満足だ。大平山への登り、ここは滑る。下りは要注意だろう。ハイカーと行き交う。この後、最後まで50人くらいのハイカーと出会ったろうか。やはり人気の山域のようだ。
大平山に着く。汗をかき、早速、上を脱いだ。山頂の桜は大方散っている。展望はさして良くなく、駿河湾の一角が見える程度だ。原木の方から上がって来るハイカーもいた。そちらを見ると、標識には「奥アルプス(奥の細道)」と記されていた。そうか、大嵐山方面は奥アルプスなのか。
(多比口峠に戻る)
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多比口峠に戻る。やはり、気を遣っての下りだった。この先もこういうのが続くだろう。気が重くなる。さて、さっきの2人連れに会うことはなかった。大平山は省略なのだろうか。
(ウバメガシがずっと続く)
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(こんな岩場がところどころにある)
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(耐え切れずに暴れたような根の塊も)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/c7/bbe39952d60f7a40b6f9b501929ce78d.jpg)
(山桜)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/54/e8fc78a4cb3d0c852c5a824a4e1c2d77.jpg)
峠からは登りになる。北関東の山では見かけないやせた木が続く。遠くから見ると、ガジュマルにも似ている。HIDEJIさんが「熱帯雨林に近い」と記されたのはこのことだろうか。後で説明板で知ったが、この木は「ウバメガシ」という木らしく、備長炭の用材になるそうだ。根がはびこり、杉やヒノキも入り込む。海に近いということもあってか、太くてがっしりした木は目に付かない。さらに特有なのが岩礁といった感じの岩場が続くこと。この辺は海からの隆起ではあるまいかと思うほどだ。
(鷲頭山。反対側から見ると、小鷲頭も含めて双頭に見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/b7/28c89ab8cf820e4f8eaeaa4876718cf4.jpg)
(ここは名物らしい。ネット写真でよく見かける)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/a0/4bf92e6584075e0cc77ebab3cbf8ff9e.jpg)
(多比峠)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/51/ca0a2ef3cdf92a1349d233c3bb6e1cf3.jpg)
次の鷲頭山が見えてきた。この山が沼津アルプスの最高峰(392m)だ。岩に穿った階段があった。標識には「岩尾根」とある。このまま鷲頭山まだ登って行くのかと思ったら、一旦下って多比峠。別のハイキングコースが合流する。鷲頭山までは12分と記されている。
ロープはしっかりとついているが、ここからの登りは少々きつい。さらにぬかるんで滑る。あれっ、出がけの2人連れだ。前を歩いている。やはり、大平山はカットしたようだ。抜いて鷲頭山山頂に着いた。
(振りかえって大平山。色づきの具合は紅葉だ)
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(鷲頭山)
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(山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/9d/a1663fdbae60c368464e14a7186f4bab.jpg)
山頂は小広く、石祠があった。海の方がよく見える。振り返ると、三角形の大平山。山肌は花で色づき始めている。奥には東伊豆の山々だろうか。
(平重衡切腹の場)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/b1/535032c75c89a19cbea9526dc20adc60.jpg)
(小鷲頭山から)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/bd/e1c5dd921e624a30f408f502f01d36eb.jpg)
先を急ぐ。下って、ちょっと登ると小ピーク。ここに「本三位中将平重衡(中将さん)終焉切腹之場」という看板があった。これはHIDEJIさんの記事で知っていたので、ここと、この先の中将宮を見るのが楽しみでもあったのだが、中将さんの切腹が史実なのか、地元伝承なのかは、部外者の自分がどうこう言う立場にはない。ただ、史実としては、都に送られて斬首されているようだし、後で見る中将宮の案内板には、追っ手から逃れてここで自刃となっている。当初、伊豆という場からして、都から逃れた重衡が、頼朝を頼って鎌倉に向かい、その途中で切腹という事態になったのかなと漠然と想像していたのだが、そんな単純なことではないらしい。
小鷲頭山。ここは左に海、右に富士山のダブルの光景だ。さっきから、富士山を写真に収めていると、必ず周囲の木の枝が隅に入り込む。アップで撮るのはあまり好きではない。コンデジとはいえ、素人なりに悩んでいる。
(中将宮。岩下がお堂になっている)
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(中の石仏。中将宮だから、お堂でもないし、神様か。でもポーズは仏様)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/fd/f8738f3fd5369d60188c53736d5e4faa.jpg)
(新緑)
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どんどん下って行くと中将宮に着いた。案内板を読み、岩屋の石仏を覗く。大岩は中将岩と言うらしい。ちょっと休憩したかったが、オバチャングループが上がって来たので、そそくさと下る。ここで瞬間、新緑を見た。ほんの、この一角だけだったが、ようやく陽春の景色を見た感じがした。
(「ぼたもち岩」とあった)
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(小鷲頭山と奥に鷲頭山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/f5/b0b1d29f5936d531130ca26c95c2a895.jpg)
(左・海側はこの風景が続く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/c3/65f3f023868f7dc31b3f038f64fcd880.jpg)
(志下山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/61/6c446f3e59fb17a68bb202cdc2e6c586.jpg)
志下峠を過ぎると、ハイキング道が整備されて歩きやすくなったような気がする。しばらく大きな起伏がないためだろう。きらら展望台、馬込峠、奥駿河パノラマ台と続き、志下山。その先にはさざなみ展望台。この辺は、ただの散歩であっても気持ち良いところだろうが、海の景色がずっと同じでそろそろ飽きてきた。前に半島が突き出ているだけの単純な構図。これがリアス式の海岸であったら楽しみも違うだろうが。
(これは盛りできれいだった)
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(皆さん、お食事中)
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展望地で10人くらいの方々が海を眺めながら食事をしていた。もう11時半になろうとしている。こちらもそろそろシャリバテになりつつある。しかし、行程のまだ半分にも至っていないのである。せめて徳倉山まで我慢しよう。
(志下坂峠。峠の風景はみんな同じに見える)
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(最高峰も遠ざかる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/77/307159949ce01b3367fbcc64b02fc73f.jpg)
下って志下坂峠。ここは峠の多いところだ。ずっと峠を境に、下っては登るを繰り返している。
(滑って歩きづらい)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/8f/64def08285945a4940aa7e4275586709.jpg)
えぐられたような溝のようなところを登って行く。滑る。さっきから自分の後ろを一定間隔で付いて来る方がいる。そろそろ気になりだした。追い抜いて欲しく、休みの態勢に入ると、姿は見えない。先に行って振り返ると姿が見える。向こうも同じことを考えているのだろうか。正直のところ、ここの登りはきつい。
(馬頭観音碑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/c9/b3ef815bd5723af2ef429ccd6ffc0e43.jpg)
(機関銃座跡。洞穴状になっている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/86/4880420ab42e7f75dbf924c92fe9fa85.jpg)
右に小高いピーク状のところ(標高点282m)が見えるが、そちらはヤブになっていて、道は巻いて付けられている。尾根に復帰して「しおみち広場」。その先にはしめ縄に巻かれた石があり、馬頭観音の看板があった。
「機関銃座の跡地」というのもあった。いろんなスポットがあるものだ。大分前、南方から空襲にやって来るB29は富士山を目標に飛来し、東京、大阪方面に分かれていたという話を聞いたことがある。だとすれば、この辺での待ち伏せということだろうが、機関銃でB29を撃ち落とすことを本気で考えていたのだろうか。
(香貫台分岐)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/72/414feb29756559aa4b4894550361c52f.jpg)
(徳倉山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/07/c3c59e56ca8b18c3c7c2b0f993d97232.jpg)
次の徳倉山にはなかなか着かない。えらく長く感じる。香貫台分岐を通過してようやく徳倉山に到着。5人ほど食事中。自分もここで大休止としよう。シートを出し、水を飲んで、タバコを吸ってから富士山を眺めながら食事をした。身体はかなり汗ばんでいたが、風が冷たく感じる。ここでもウグイスの鳴き声を聞く。のどかだ。ようやく半分か。だが、よくよく考えるとまだ2時間40分程度しか歩いていない。後半は楽だとは思うが……。この間、後ろを歩いていた方には、先に行っていただいた。
(石祠は徳倉山山頂を向いている)
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(横山峠)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/58/3a1452ef8ef12e267093e6ad0f38e5cf.jpg)
(横山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/42/ecd81e8131edc0bd374654f177d0ad31.jpg)
しばらく休んでから下る。右に石祠が2基。山頂の方に正面を向けている。どんどん下る。手すりのクサリも出てくる。滑りそうで嫌な下りだ。クサリにはあまり手をかけたくないが、転びたくもないので、つい手が出てしまう。人の気配で振り向くと、今度は別の方が後ろについていた。
横山峠からまた登り返し。ここには沼津商業高校に下るルートがあり、さっきからグラウンドでサッカーか野球の練習をしている声が聞こえている。峠には何か知らないが、石碑のようなものが2つある。
ここからの登りも結構応えた。外人さんがランニングで下って来る。よくこんなところを走って下れるものだ。自分の靴底には、泥土が層になってくっついていて、木ではたいてもなかなか落ちないでいる。横山素通り。ここは展望がない。素通りしたのには訳もあった。後ろの方が、ここで休んでくれることを期待した。だが、休まなかった。自分が休めばよかった。
(どんどん下って)
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(八重坂峠)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/7e/c01b18e989949fa59bd49fa0833e1777.jpg)
なおも下る。そろそろうんざり気味になりつつある。
車道が見えた。間違って町に下ってしまったのかと思ってしまった。ここは八重坂峠。車道歩きが少し入る。
(日曜日のパパはお仕事でしょうか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/d9/bd41836231b9aedbddebe66edbcaf2a0.jpg)
(お話し好きなオバチャンたち。群馬から来たと言ったら驚かれていた。そりゃそうでしょう。でも最近は、沼津行きの各停も前橋から出ているんだよね)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/bb/14c145d7b455f42cfb247d16eecbd4c3.jpg)
先で車道から離れると、またすぐに車道歩きに戻った。標識に合わせて歩いている。間違っていないとは思うが。公園のようなところに出て、車止めの前に車が数台。このまま行くのも何だからと、「山道・桜台・山頂」の標識に合わせて入った。
もう最後の香貫山の裾野だとは思うが、いい加減、後ろの方に先に行っていただこう。あおられているようで、さっきからずっと落ち着かない。平地でザックを置いてタバコを吸った。追い抜きざま、お互い、ニヤッとしてしまった。そのまましばらく休んでいると上からオバチャンが2人下りて来た、しばらくお話しをする。地元の方だった。
モデルコースとして、この先、桜台で桜見→山頂→展望台→五重の塔経由を紹介された。展望台は沼津市街一望とのこと。ならそういたしましょう。ちなみに、このオバチャン達がおっしゃるには、沼津アルプスで一番きついところは徳倉山─横山間だとのこと。
すぐにまた車道(といっても通行止め)に出た。もう、軽装というか荷物も持たない人がかなり歩いている。大方がファミリーだ。
(桜台の桜)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/56/dbcafd1389814f03b99856d664fbcbbc.jpg)
八重象山に寄って桜台。桜は大分散りかけている。オバチャンは「桜台」と言っていたが「新桜台」というのもある。そちらの間違いではなかったのだろうか。もういいやと、標識に合わせて香貫山に向かう。
(香貫山山頂。フェンスの向こうは電波塔施設)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/08/9df05773d061729ce1dc0cfc154230e3.jpg)
(沼津アルプス)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/b0/60a26ae66f39fe9598c1c0a4f498ff2c.jpg)
(展望台から香貫山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/fe/0dd5bfdb8a37d11c0e58d10339bac58e.jpg)
(富士山と沼津市街)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/09/7f24f168a7dd544081507ddcc5fdf0f5.jpg)
ようやくのフィニッシュ・香貫山の山頂には電波塔が置かれ、フェンスで囲まれていた。ヘリを半周するだけの山頂だ。さっさと終えて展望台に上がった。風が強くなってきた。上を着こむ。富士山はまだ見えていた。沼津の市街も一望できた。歩いて来た沼津アルプスも改めて見た。
(五重塔)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/fb/a2c7a8ca4e78a47edc9c86c13851267e.jpg)
当初からバスに乗るつもりはなかったが、方向として黒瀬に向かった。自分が理解できる地名の入った標識は目に付かなかった。車道をしばらく下った。地図には出ていない車道で、これが正解なのかは不明のままだ。やがて反対側の車止めがあって、その先に五重塔のある公園が見えた。オバチャンのお薦めとはいえ、五重塔は忘れかけていた。この建物、戦没者慰霊で建てられたようだ。
(縦走路の登山口。階段を下ると、左の家屋の一階部屋に直進する形になっている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/55/775d7bff352faee767a35c5a6c1afda8.jpg)
公園の脇を下ると、そのまま車道から離れる道があった。これを下ってみる。「沼ア」と記された赤い標識を見て、しばらく行くと車の往来する車道に出た。傍らに「香貫山登口」の看板があった。ようやく終わった。
(登山口はこちらにもあった。「甲羅」とあるからカニ料理だろうか)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/fe/6d909608871394e236f128f242842edc.jpg)
(橋から香貫山。五重塔も見えている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/1d/567368861180ce85e260cb1adf6de04b.jpg)
沼津駅に向かう。神社に寄り道してかの川を渡る。この先の国道、信号がなかなか変わらずに渡れない。5分近く待機状態でいた。それもそのはず。よく見るとボタン押しの信号だった。周囲に5~6人もいるのに、だれ一人押さず、よそ者の自分が押した。また神社があった。ここは日枝神社だ。ここでも時間つぶしをした。
何でそんなことをやっているのか。ホテルのチェックインが、3時前では早すぎると思ったからだ。さらにコンビニに寄ってビールと缶チューを買った。山歩き後にすぐにアルコール飲むなんて贅沢は、車運転には縁のない世界だ。たまにはそんなこともやってみたい。
(本日の終点。沼津駅)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/43/a1ff60c536a97a9971dc2deea9cd378b.jpg)
沼津駅に到着。そのまま北口にトンネルをくぐって向かう。ホテルに着くと、チェックインは4時からとのこと。部屋はどこでもいいからと、準備のできている部屋に入れてもらった。
結局、今日は天気が崩れることはなかった。風は一時的に強かったが、至って歩き良い天気だった。原木駅からの歩きが出きずに惜しまれるが、果たしてそうしたとして、大分手前からヘタっていたかもしれない。足が上がらないとか、攣るといったことはなかったが、登っては下るの繰り返しがかなり応えた。
(本日の軌跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/2b/272d3ff2a24905b75fe8c2611d3463cd.jpg)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
多比バス停(9:14)……多比口峠(9:44)……大平山(9:54)……多比峠(10:28)……鷲頭山(10:40)……小鷲頭山(10:51)……中将宮(11:00)……志下峠(11:06)……馬込峠(11:16)……志下山(11:21)……志下坂峠(11:29)……徳倉山(11:58~12:23)……横山峠(12:37)……横山(12:54)……八重坂峠(13:07)……香貫山(13:45)……黒瀬(14:30)……沼津駅(14:57)
「沼津アルプス」の存在を知ったのはごく最近のことだ。HIDEJIさんがその一角を歩かれていた。自分には縁のないエリアだし、アルプスもあちこちにあるもんだ程度の印象だった。沼津アルプスそのものよりも、HIDEJIさんが何でそんなところに行かれたのか、むしろその方に関心が向いた。そのわけは後で知ったが、気分的には、北関東に住む自分には、ついでやら地縁がなければ歩くことはないだろう。群馬の人間がわざわざ静岡の里山に行ってもなぁ。そんな思いでいた。
ところが、沼津への出張が入った。日曜夜宿泊の月曜現地仕事だ。HIDEJIさんの沼津アルプスを思い出した。なら、日曜日はまるまる使えるから、歩いてみようか。これまで、沼津には3回ほど行ったことはあったが、山歩きを兼ねてなんてのは思い浮かびもしなかった。
HIDEJIさんの記録を改めて拝見し、ついでにいろいろと調べた。正確には「勝浦山地」というらしい。桐生アルプスには劣るだろうが、累積標高差も1,000m近くある(1,280mと記している記事もあった)。魅力は、何といっても富士山と海を眺めながらの歩きか。5時間ほどの歩きだろう。当日は、そのまま地元のホテル泊まりだし、どうせなら、ちょっと付け足しで、原木駅から大嵐山を経由して沼津駅まで完全縦走というのも手かなと思ったし、その心づもりでいた。
近づくと、連日の雨降りになって、かろうじて日曜日だけは天気も持つようだ。スーツやらネクタイといった仕事の小道具はホテルに送ったからいいが、雨上がりの、おそらくはぬかるみ続きだろう。スパ長で歩きたいところだが、新幹線に長靴で乗車というのも気がひける。しぶしぶ登山靴を履いて家を出た。
天気予報は不安定で、晴れ間タイムがどんどん少なくなっていた。主脈に至る前に雨で撤退ではお話しにもならない。致し方ない。今回は確実な大平山から香貫山区間の歩きとしよう。原木駅からの歩き、新幹線を三島駅で降りるまで悩んでいた。
(バス停から戻って右折。電柱の陰に標識。沼津アルプスはもう見えている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/80/c52e20ae652650e2800808452647b1c1.jpg)
沼津駅から伊豆長岡駅行きのバスに乗る。多比までは25分。480円。若い2人連れも降りた。年配者ならともかく、そうじゃないから前後を歩きづらい。タバコを吸って時間をつぶしてから出発。ここの標高は11mとのことだ。
住宅地歩き、標識無しで紛らわしいという情報であったが、「沼津アルプス 多比口峠登り口→」の標識をすぐに見つけた。迷うところはなかった。さっきの2人連れがゆっくりと歩いていた。抜かざるを得なくなった。
(林道歩き。車は通るわけでもない。雨上がりのせいか、緑がきれいだ)
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(登山口。直進)
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(多比口峠。稜線に出る。大平山は右)
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舗装林道が続く。ところどころにコケが付いて滑る。ご丁寧に「三叉路」と記された標識もあった。これでは迷いようもない。ウグイスが鳴いている。天気の崩れる気配はなく、今さらながら、原木から歩かなかったことを少し後悔した。
道路面にペンキで「ワシズ 大平山 沼ア登山口」書き込みがある。ここで林道から解放されて、普通のハイキングコースになる。雨上がりのため、やはり、土は水気が多く、ところどころで滑る。山桜が咲いている。じきに縦走路に上がった。ここが多比口峠。ところで、ここの標識は一種独特で、最後まで同じようなパターンの標識が続いていた。とにかく、活字物は見あたらない。手書きばかりだ。
(左に富士山)
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(大平山山頂)
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(駿河湾。正確には江浦湾というのか)
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まずは多比口峠から大平山を往復する。途中、左手に富士山が見えた。青空が覗いてはいるが、全体が白っぽく、絶景の富士山でもないが、見られただけでも満足だ。大平山への登り、ここは滑る。下りは要注意だろう。ハイカーと行き交う。この後、最後まで50人くらいのハイカーと出会ったろうか。やはり人気の山域のようだ。
大平山に着く。汗をかき、早速、上を脱いだ。山頂の桜は大方散っている。展望はさして良くなく、駿河湾の一角が見える程度だ。原木の方から上がって来るハイカーもいた。そちらを見ると、標識には「奥アルプス(奥の細道)」と記されていた。そうか、大嵐山方面は奥アルプスなのか。
(多比口峠に戻る)
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多比口峠に戻る。やはり、気を遣っての下りだった。この先もこういうのが続くだろう。気が重くなる。さて、さっきの2人連れに会うことはなかった。大平山は省略なのだろうか。
(ウバメガシがずっと続く)
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(こんな岩場がところどころにある)
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(耐え切れずに暴れたような根の塊も)
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(山桜)
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峠からは登りになる。北関東の山では見かけないやせた木が続く。遠くから見ると、ガジュマルにも似ている。HIDEJIさんが「熱帯雨林に近い」と記されたのはこのことだろうか。後で説明板で知ったが、この木は「ウバメガシ」という木らしく、備長炭の用材になるそうだ。根がはびこり、杉やヒノキも入り込む。海に近いということもあってか、太くてがっしりした木は目に付かない。さらに特有なのが岩礁といった感じの岩場が続くこと。この辺は海からの隆起ではあるまいかと思うほどだ。
(鷲頭山。反対側から見ると、小鷲頭も含めて双頭に見える)
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(ここは名物らしい。ネット写真でよく見かける)
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(多比峠)
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次の鷲頭山が見えてきた。この山が沼津アルプスの最高峰(392m)だ。岩に穿った階段があった。標識には「岩尾根」とある。このまま鷲頭山まだ登って行くのかと思ったら、一旦下って多比峠。別のハイキングコースが合流する。鷲頭山までは12分と記されている。
ロープはしっかりとついているが、ここからの登りは少々きつい。さらにぬかるんで滑る。あれっ、出がけの2人連れだ。前を歩いている。やはり、大平山はカットしたようだ。抜いて鷲頭山山頂に着いた。
(振りかえって大平山。色づきの具合は紅葉だ)
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(鷲頭山)
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(山頂)
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山頂は小広く、石祠があった。海の方がよく見える。振り返ると、三角形の大平山。山肌は花で色づき始めている。奥には東伊豆の山々だろうか。
(平重衡切腹の場)
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(小鷲頭山から)
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先を急ぐ。下って、ちょっと登ると小ピーク。ここに「本三位中将平重衡(中将さん)終焉切腹之場」という看板があった。これはHIDEJIさんの記事で知っていたので、ここと、この先の中将宮を見るのが楽しみでもあったのだが、中将さんの切腹が史実なのか、地元伝承なのかは、部外者の自分がどうこう言う立場にはない。ただ、史実としては、都に送られて斬首されているようだし、後で見る中将宮の案内板には、追っ手から逃れてここで自刃となっている。当初、伊豆という場からして、都から逃れた重衡が、頼朝を頼って鎌倉に向かい、その途中で切腹という事態になったのかなと漠然と想像していたのだが、そんな単純なことではないらしい。
小鷲頭山。ここは左に海、右に富士山のダブルの光景だ。さっきから、富士山を写真に収めていると、必ず周囲の木の枝が隅に入り込む。アップで撮るのはあまり好きではない。コンデジとはいえ、素人なりに悩んでいる。
(中将宮。岩下がお堂になっている)
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(中の石仏。中将宮だから、お堂でもないし、神様か。でもポーズは仏様)
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(新緑)
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どんどん下って行くと中将宮に着いた。案内板を読み、岩屋の石仏を覗く。大岩は中将岩と言うらしい。ちょっと休憩したかったが、オバチャングループが上がって来たので、そそくさと下る。ここで瞬間、新緑を見た。ほんの、この一角だけだったが、ようやく陽春の景色を見た感じがした。
(「ぼたもち岩」とあった)
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(小鷲頭山と奥に鷲頭山)
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(左・海側はこの風景が続く)
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(志下山)
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志下峠を過ぎると、ハイキング道が整備されて歩きやすくなったような気がする。しばらく大きな起伏がないためだろう。きらら展望台、馬込峠、奥駿河パノラマ台と続き、志下山。その先にはさざなみ展望台。この辺は、ただの散歩であっても気持ち良いところだろうが、海の景色がずっと同じでそろそろ飽きてきた。前に半島が突き出ているだけの単純な構図。これがリアス式の海岸であったら楽しみも違うだろうが。
(これは盛りできれいだった)
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(皆さん、お食事中)
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展望地で10人くらいの方々が海を眺めながら食事をしていた。もう11時半になろうとしている。こちらもそろそろシャリバテになりつつある。しかし、行程のまだ半分にも至っていないのである。せめて徳倉山まで我慢しよう。
(志下坂峠。峠の風景はみんな同じに見える)
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(最高峰も遠ざかる)
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下って志下坂峠。ここは峠の多いところだ。ずっと峠を境に、下っては登るを繰り返している。
(滑って歩きづらい)
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えぐられたような溝のようなところを登って行く。滑る。さっきから自分の後ろを一定間隔で付いて来る方がいる。そろそろ気になりだした。追い抜いて欲しく、休みの態勢に入ると、姿は見えない。先に行って振り返ると姿が見える。向こうも同じことを考えているのだろうか。正直のところ、ここの登りはきつい。
(馬頭観音碑)
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(機関銃座跡。洞穴状になっている)
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右に小高いピーク状のところ(標高点282m)が見えるが、そちらはヤブになっていて、道は巻いて付けられている。尾根に復帰して「しおみち広場」。その先にはしめ縄に巻かれた石があり、馬頭観音の看板があった。
「機関銃座の跡地」というのもあった。いろんなスポットがあるものだ。大分前、南方から空襲にやって来るB29は富士山を目標に飛来し、東京、大阪方面に分かれていたという話を聞いたことがある。だとすれば、この辺での待ち伏せということだろうが、機関銃でB29を撃ち落とすことを本気で考えていたのだろうか。
(香貫台分岐)
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(徳倉山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/07/c3c59e56ca8b18c3c7c2b0f993d97232.jpg)
次の徳倉山にはなかなか着かない。えらく長く感じる。香貫台分岐を通過してようやく徳倉山に到着。5人ほど食事中。自分もここで大休止としよう。シートを出し、水を飲んで、タバコを吸ってから富士山を眺めながら食事をした。身体はかなり汗ばんでいたが、風が冷たく感じる。ここでもウグイスの鳴き声を聞く。のどかだ。ようやく半分か。だが、よくよく考えるとまだ2時間40分程度しか歩いていない。後半は楽だとは思うが……。この間、後ろを歩いていた方には、先に行っていただいた。
(石祠は徳倉山山頂を向いている)
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(横山峠)
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(横山)
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しばらく休んでから下る。右に石祠が2基。山頂の方に正面を向けている。どんどん下る。手すりのクサリも出てくる。滑りそうで嫌な下りだ。クサリにはあまり手をかけたくないが、転びたくもないので、つい手が出てしまう。人の気配で振り向くと、今度は別の方が後ろについていた。
横山峠からまた登り返し。ここには沼津商業高校に下るルートがあり、さっきからグラウンドでサッカーか野球の練習をしている声が聞こえている。峠には何か知らないが、石碑のようなものが2つある。
ここからの登りも結構応えた。外人さんがランニングで下って来る。よくこんなところを走って下れるものだ。自分の靴底には、泥土が層になってくっついていて、木ではたいてもなかなか落ちないでいる。横山素通り。ここは展望がない。素通りしたのには訳もあった。後ろの方が、ここで休んでくれることを期待した。だが、休まなかった。自分が休めばよかった。
(どんどん下って)
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(八重坂峠)
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なおも下る。そろそろうんざり気味になりつつある。
車道が見えた。間違って町に下ってしまったのかと思ってしまった。ここは八重坂峠。車道歩きが少し入る。
(日曜日のパパはお仕事でしょうか)
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(お話し好きなオバチャンたち。群馬から来たと言ったら驚かれていた。そりゃそうでしょう。でも最近は、沼津行きの各停も前橋から出ているんだよね)
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先で車道から離れると、またすぐに車道歩きに戻った。標識に合わせて歩いている。間違っていないとは思うが。公園のようなところに出て、車止めの前に車が数台。このまま行くのも何だからと、「山道・桜台・山頂」の標識に合わせて入った。
もう最後の香貫山の裾野だとは思うが、いい加減、後ろの方に先に行っていただこう。あおられているようで、さっきからずっと落ち着かない。平地でザックを置いてタバコを吸った。追い抜きざま、お互い、ニヤッとしてしまった。そのまましばらく休んでいると上からオバチャンが2人下りて来た、しばらくお話しをする。地元の方だった。
モデルコースとして、この先、桜台で桜見→山頂→展望台→五重の塔経由を紹介された。展望台は沼津市街一望とのこと。ならそういたしましょう。ちなみに、このオバチャン達がおっしゃるには、沼津アルプスで一番きついところは徳倉山─横山間だとのこと。
すぐにまた車道(といっても通行止め)に出た。もう、軽装というか荷物も持たない人がかなり歩いている。大方がファミリーだ。
(桜台の桜)
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八重象山に寄って桜台。桜は大分散りかけている。オバチャンは「桜台」と言っていたが「新桜台」というのもある。そちらの間違いではなかったのだろうか。もういいやと、標識に合わせて香貫山に向かう。
(香貫山山頂。フェンスの向こうは電波塔施設)
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(沼津アルプス)
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(展望台から香貫山)
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(富士山と沼津市街)
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ようやくのフィニッシュ・香貫山の山頂には電波塔が置かれ、フェンスで囲まれていた。ヘリを半周するだけの山頂だ。さっさと終えて展望台に上がった。風が強くなってきた。上を着こむ。富士山はまだ見えていた。沼津の市街も一望できた。歩いて来た沼津アルプスも改めて見た。
(五重塔)
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当初からバスに乗るつもりはなかったが、方向として黒瀬に向かった。自分が理解できる地名の入った標識は目に付かなかった。車道をしばらく下った。地図には出ていない車道で、これが正解なのかは不明のままだ。やがて反対側の車止めがあって、その先に五重塔のある公園が見えた。オバチャンのお薦めとはいえ、五重塔は忘れかけていた。この建物、戦没者慰霊で建てられたようだ。
(縦走路の登山口。階段を下ると、左の家屋の一階部屋に直進する形になっている)
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公園の脇を下ると、そのまま車道から離れる道があった。これを下ってみる。「沼ア」と記された赤い標識を見て、しばらく行くと車の往来する車道に出た。傍らに「香貫山登口」の看板があった。ようやく終わった。
(登山口はこちらにもあった。「甲羅」とあるからカニ料理だろうか)
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(橋から香貫山。五重塔も見えている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/1d/567368861180ce85e260cb1adf6de04b.jpg)
沼津駅に向かう。神社に寄り道してかの川を渡る。この先の国道、信号がなかなか変わらずに渡れない。5分近く待機状態でいた。それもそのはず。よく見るとボタン押しの信号だった。周囲に5~6人もいるのに、だれ一人押さず、よそ者の自分が押した。また神社があった。ここは日枝神社だ。ここでも時間つぶしをした。
何でそんなことをやっているのか。ホテルのチェックインが、3時前では早すぎると思ったからだ。さらにコンビニに寄ってビールと缶チューを買った。山歩き後にすぐにアルコール飲むなんて贅沢は、車運転には縁のない世界だ。たまにはそんなこともやってみたい。
(本日の終点。沼津駅)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/43/a1ff60c536a97a9971dc2deea9cd378b.jpg)
沼津駅に到着。そのまま北口にトンネルをくぐって向かう。ホテルに着くと、チェックインは4時からとのこと。部屋はどこでもいいからと、準備のできている部屋に入れてもらった。
結局、今日は天気が崩れることはなかった。風は一時的に強かったが、至って歩き良い天気だった。原木駅からの歩きが出きずに惜しまれるが、果たしてそうしたとして、大分手前からヘタっていたかもしれない。足が上がらないとか、攣るといったことはなかったが、登っては下るの繰り返しがかなり応えた。
(本日の軌跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/2b/272d3ff2a24905b75fe8c2611d3463cd.jpg)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
沼津アルプス歩かれたのですね。お疲れ様です。
ご出張はお聞きしておりましたので、いつかと記事を楽しみにしておりました。
私にとってなじみ深いエリアではあるのですが、アルプスを通して歩いたことがなく、大変参考になりました。
もっとも私の場合は鷲津山のピストンだけで、沼津アルプスの一角を歩いたとは、とても言えない恥ずかしいレベルですが、前日の雨降りのため、滑りまくりで閉口したことを思い出しました。それと何度か訪れた甲羅の沼津店の看板も懐かしいです。
しかし、通して歩くとアップダウンは多そうですし、夏に歩くのはひかえたほうが良さそうですね。私も前後に付かれるのが苦手で、それだけで疲れが倍増するような気になりますので、人の少なそうな時期に、たそがれさんに代わり?、原木辺りから北端まで歩いてみたいと思います。
といいつつも、お盆の暑い時期での歩きとなりそうですが。。。
そして、途中でいやになって、エスケープするような気がします(笑)
さっそくありがとうございます。
沼津アルプスに関しては、この程度の歩きはどなたでもやっておりますので、そんなに参考になるレベルではないと思っております。
むしろ、HIDEJIさんの記事でその存在を知ったわけで、知らぬままだったら、ただ行って帰るだけの出張で終わったでしょう。むしろ、こちらが感謝いたしております。一足先に失礼いたしましたが。
ここは夏の時期はどんなものでしょうか。木蔭も海からの風もありますので、ひどい状態での歩きにはならないとは思いますが、アップダウンの多さと標高の低さからして、夏向きではないような気がいたします。
そうですよね。HIDEJIさんにとっては、原木から歩かないと意味のないことで、いずれ歩いてみてください。
今回のコース、香貫山に至ってから、どうも尻切れトンボというか、拍子抜けの状態になりました。この辺は工夫されるか、逆から原木に向かうかなさった方がよろしいと思いますよ。
さすがたそがれさん、晴れの時間を有効に使われましたね。
タイトルで「なめてかかった・・・」とありますが、低山の山頂往復だけならともかく
縦走というかそれなりの時間を歩く場合は高くても低くても同じじゃないでしょうか。
植生の違いが面白いですね。
ということで、出張登山でした。
出張仕事が月曜日となったら、当然、有効活用となりますが、今回は前後が雨でしたから、もっけの幸いといったところでしょうか。
おかげで、普段考えもしない山域を満喫いたしましたよ。
でんさんのおっしゃることはわかりますが、果たしてどうでしょうか。縦走すべき尾根に至るまで、短時間と長時間とではかなり気分も、使う体力も違うものです。
こちらは、あっという間に縦走路でしたから。そんなことは知っていたので、なめていたということですわ。
植生の違いは、何とも不思議でした。沖縄の山を歩いている感じがしましたよ。
また週末の出張がありますけど、今度は長野です。まだ残雪でしょうから、せいぜい御開帳の善光寺詣でといったところです。
沼津アルプスの名はHIDEJIさんの記事で記憶にありましたが自分には縁遠いなぁと思っておりましたよ。
そうしたらたそがれさんが歩かれたので(しかも縦走)再認識してしまいましたよ。
近くにあれば里山山行記を冠とするHPを主催する自分としては是が非でも歩いてみたい場所なのですが。
しかし沼津は遠いからなぁ。
たそがれさんの記事で満足しておくことにしませう。
お疲れ様でした。
なまじ静岡に縁がなくもないハイトスさん、私ごときのレポで満足せず、伊豆の温泉めぐりのついでにでも行ってらしてくださいな。
ただ、車利用だと、香貫山の下に駐車となるでしょうか。ここはピストン歩きだときついですよ。単純に×2になりますから。その先は、バスなり電車で戻った方がいいでしょう。
どこにでもある里山ですが、私もちょっと触れてはおりますが、ここの魅力は何といっても富士山と駿河湾を眺めながらの歩きです。栃木、群馬、埼玉、山梨の里山では絶対に味わえません。
やはり、「里山山行記」の看板を張るハイトスさんには、お薦めというよりも行くべきではないでしょうか。
それにしても,海に出張だというのに山に登るあたり,さすがにたそがれオヤジさんですが,今回は,時間的にも距離的にも,チョッとばかり物足りなくなかったですかネ。
こうして地図を見ると,やはり原木駅から通しで歩いてみたくなりますネ。
重衡の逸話の真偽はさておき,中将宮の岩屋や機関銃座の跡地など,中々,興味深い場所ですネ。
へーぇ、瀑泉さん、沼津アルプスの存在はご存じでしたか。鎌倉アルプスなら、私も35年以上前に歩いたことはありますよ。
海辺の町への出張の、出張らしさは、一休みしてからの夕飯で味わいました。一人、寿司屋で黙々と海の味わいを堪能いたしました。たかが知れた予算でしたけどね。
物足りないといった感じはあまりありませんでしね。私が歩いた区間の距離でも14kmくらいはあったようです。携帯の万歩計で見ると、20,000歩オーバーでしたから、最近の中では抜きんでた歩きだったようです。
私も、今回は出張があったので歩いてみた次第ですが、それがなければ行くこともなかったでしょう。こういうのって、結構、当たり外れがあって、今回のはむしろ当たりかなと思っております。わざわざ前泊までして失敗したなという出張歩きは結構ありますから。
もう春満開ですね。そろそろ自分のエリアに戻ろうかなとも思っております。
行く機会はきっとないとはいえ じっくり見させていただきました。
夏場は厳しいでしょうから新緑のまぶしい時季で良い感じで うらやましいです。
それはそうと・・何気に
足尾 赤倉山 を チェックしていたら
2013年 秋の 北西尾根から古道下りの記事の
たそがれさんに 行きつきました(^.^)
やっぱり ですね(笑) そろそろですか~♪
実はですねぇ、沼津アルプスを歩きながら、ここはまなさん好みの山かもなぁ、なんて考えていたのですよ。
特に、海を眺めながらの歩きなんて、北関東の人間にはなかなか味わえないことですからね。
沼津って、それほど遠くもないですけど、ついでの時(といってもないでしょうね)にでも歩いてみてくださいな。
最近、まなさんは雪のあるところの歩きが多いですね。それだけでもなかなかのものですよ。私なんか、次第に雪は避けるようになっております。
赤倉山ですか。去年は縁なしでした。情報によると、山名板がなくなってしまったそうです。まなさんが行かれるのでしたら、ぜひ、お手製をご持参ください。さもなくば、どこかのヤブに落ちていないか探し回ってください。三角点付近です。
赤倉山のビューポイントは、やはり半月山下の林道起点かと思います。というよりも、むしろ、ついでに半月山まで行かれることをお薦めいたしますよ。
「そろそろ」は備前楯山でした(笑)。