うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

忘れたくない日、忘れられない日

2021年06月17日 | よねの事

とっくに過ぎているじゃないか・・・・

 

おはようございます。

6月11日は、よねの命日だった。

すっかり忘れていた。

そうだ。

11日は、予定外に、うんこを病院へ連れて行った日だ。

うんこは、抗生剤で元気を取り戻してきたにも関わらず、

ほとんど絶食状態が続いていた。

鼻だけじゃないかも・・・そう思っていたら、

急に、「うんちゃん、ちょっと食べてみるから見てて」と言わんばかりに、

私の前でご飯を一口食べて、前足で口を引っ掻くような素振りをして

私を見上げた。

だから、私はうんこを連れて、病院へ走ったんだ。

 

そうか、そうだった。

 

よねという猫は、不思議な猫で、

ご飯の用意をしたって、すぐ食べにくるような猫じゃなかった。

呑気で気ままで、実は、いつ食べていたんだろう。

気付くと、いつも皿が空っぽになっていたってだけで、

本当に、よねが食べたのか定かでは無かった。

それでも、顔はいつも真ん丸だったから、まあいいかって諦めていた。

18年間、私はよねの生態を全て把握することは出来なかったんだ。

それなのに、ある日、

座布団で寝ているよねの近くに、いつものようにご飯の入ったお皿を置くと、

よねがむくっと起きて、ぱくっと口を付けた。

出されたご飯をすぐに食べるなんて、珍しくて驚いたが、

「あら?珍しいねぇ。じゃ、あたしゃ歯医者さん行ってくるよ。」と言って

すぐ立ち上がろうとした。

その時、私は歯が痛かったんだ。猛烈に。

しかし、よねは、私の前にテトテトと来て、

「ニャー!」と鳴いて見せた。

「ん?」

すると、今度は短い前足で、口を引っ掻くようにして、もう一度、

「ニャー!」と鳴いた。

「よね、お口が痛いんだな?こりゃえらいこっちゃ」

私は、すっくと立ち上がり、ぬいぐるみを持ち上げるように、

よねを抱き上げ、病院へ走った。

私の歯医者ではなく、動物病院へだ。

 

そうだった。

 

うんこも、歯が痛かったんだ。

あの時のよねとそっくりだから、すぐ分かった。

よねの命日に、

よねはうんこに、耳打ちしに来てくれたのかもしれない。

「この人ね、分かりやすいように伝えないと、気付いてくれないんだよね。」

なんて、教えてくれたような気がした。

 

それが、よねの命日の日だったと気付いたのは、昨日の朝だった。

うんこが食べる様を見て、よねを思い出したんだ。

「うんちゃん、歯はもう痛くないな?」

また痛くならないか、見逃さないように、しゃがんで見守っていた。

「よねの命日、すっかり忘れてたよ、私」

その時、グーッと腹が差し込んだ。

けれど私は、ずっとしゃがんでいた。

よねの命日を忘れていたにも関わらず、

ここで、うんこのことをも見守らないのは、あまりにも気が引けた。

「もう限界かもしれない、いやまだ大丈夫。」

腹の中は行ったり来たりの綱引きが始まったが、

うんこは、ゆっくり味わうように食べている。

「あかん、うんこ?まだ?」

ゆっくりゆっくり食べている。

そういえば、よねも食べるのが遅かった。

そんな事も思い出しながら、気をそらそうとしても、

グルグルグルグル・・・腹の音は、早まっていく。

「おっ、うんこ、完食したな。えらいぞ。」

我慢の甲斐あって、ようやく、うんこは食べ終わった。

私は、うんこの頭を撫ぜてやろうと手を伸ばしたが、

寸でのところで、私の手は止まった。

そして、開いていた掌は、見えない藁を掴むように固く握られていた。

「出て・・・もうた。」

尻の括約筋には、食い止める力は残っておらず、

うんこはお構いなしに、とりあえず、切れの良いところまで、出てしまった。

 

よねの2回目の命日を思い出した16日の朝、

私はうんこを漏らした。

なんか・・・よね、ごめんって思った。色んな意味で。

 

長い話になってしまったが、

要するに、うんこを漏らし話でした、ごめんなさい。

 

よね、ごめんな。

うんこの事だったからかな?

うんこ繋がりみたいな感じで、出ちゃったんかな?

 

こんな感じで、現れてくれたんかな?

 

命日を忘れたって、君のことは忘れないよ。

忘れられない、不思議な猫だ。


6月11日は、よねの命日だった。

2020年06月13日 | よねの事

今日は、我が家のおじさんの誕生日だ。

そんなこと、どうでもいい!

 

おはようございます。

いや、プレゼントはもう渡してるから、いいじゃんね?

すごくかっこいい洋服を渡したから、いいじゃんね?

すごくお値打ちになっていたけど、いいじゃんね?

 

そんなことより、

よねが極楽へ行って、1年が過ぎていたんだった。

6月11日、よねが逝った日だった。

いや、よねを忘れたわけじゃない。

ただ、日にちは、すっかり忘れていた。

 

私にとって、よねが居なくなった我が家は、

ひと時代が幕を閉じたことを意味する。

なんとなく、そんな感覚なんだ。

うめ・よね・きくは、

私が、まだお嫁さんだった頃に出会った猫達だから。

当時は、夫婦で一軒家を建てて、そこで初めて子犬を飼った。

私の夢がようやく叶った時だった。

今、こんなに猫を飼っているが、私は無類の犬好きなんだ。

でも、その子犬は、1か月で逝ってしまった。

そのわずか1週間後、うめと出会った。

そこから、私の猫まみれな暮らしが始まった。

よねは、第2陣として、近所の軒下からやってきた。

酷く汚れていて、弱っていて、とても小さかった。

鼻の下の鼻くそみたいな汚れがどうしても取れなくて、

病院の先生なんて、アルコールで拭きとろうとしていたっけ。

しかし、汚れじゃなかったんだ。

鼻くそみたいな黒子だった。

皆で、よねに「ごめんね~」って笑いながら謝ったよね。

 

よねが1歳になった頃、スーパーへ買い物に出たはずなのに、

買い物袋の代わりにキクを連れて帰ってきた。

当時、私は猫の事なんて、全く知らないから、

連れてきた子猫のキクを、すぐさま、うめとよねに差し出して見せた。

2匹は、ウ~ともシャーとも言わず、温かく迎え入れてくれたんだよね。

でも、その頃、私は、もう夢なんて一つも持てなくなっていた。

莫大な借金を抱え込んで、死のうとさえ思っていた。

私の望む夢は、どれだけあがいたって、

何も掴めやしないんだって思い込んでいた。

 

死んだような目で、なんでもやって借金を返し終わった頃、

私は、夢の象徴だった一軒家を出た。

ボロアパートに、うめとよねときくを連れて。

大して可愛がってもやれていなかった3匹と暮らす部屋を探すのは

決して簡単じゃなかった。

なのに、私は3匹を置いていこうとは全く考えなかったんだ。

無職の文無しのくせに。

そんな私に貸してくれる部屋なんて、

信じられないくらいボロいアパートしか無かったんだよね。

ドンドンって叩くだけで、玄関のドアが開いちゃうくせに、

いくら叩いても窓は決して開かない部屋だった。

その直後に、うんこが空からやってきて、

ここからが、第2幕の幕開けだったという訳だ。

 

私はせっかく借金が明けたというのに、

まだ必死に働かなくちゃいけなかった。

でも、猫4匹を食わせていくのは、不思議と全く苦しくなかったんだ。

猫のためにって、猫貯金までし始めていたんだよね。

そしたら、思いのほか貯まっちゃって、

あろうことか、その猫貯金を着服して、

田舎に引っ越し、自分の店まで作ってしまった。

それが、今の部屋だ。

気付けば、自分の店を大きくすることを夢見るようになっていたが、

その夢も、あっけなく消えた。

脳卒中で倒れちゃったんだよね。

なのに、あの時は、まったく嘆く気にはならなかった。

いろんな人に心配や迷惑をかけたのに、

まっいいかって感じで、周囲に叱られるくらい、反省もしなかった。

頭にフランケンシュタインみたいな縫い跡を残して家に帰ったら、

4匹が居たから、まっいいかって思っちゃったんだよね。

 

なのに、すぐ5匹になった。

あやは、横の川からやってきた。

そして次は、おたま。

あれよあれよと6匹になったが、

その1年後、うめは極楽へ旅立った。

6匹から、5匹へ

その後も、きくが旅立ち、4匹になった。

 

そして、去年、第三幕の幕が開いた。

考えてみたら、よねは生前、

3つの家と、目まぐるしい人生を過ごした飼い主と、

里子へ出た子も含めて9匹の猫、

そして、2度の死を見てきたことになる。

いつも静かに、ずっとそれらを見てきたんだよね。

私の側で、18年間、

お気に入りの座布団から、ずっとね。

だから、私は今ここに居るんだ。

思い描いた夢は、何一つ手に出来なかったくせに、

今、ここに居られているのは、

よね、君のおかげなんだ。

 

よねちゃん?

よ~ねちゃん?

 

よね、ありがとう。


不思議なのは、今もなんだよね

2019年06月29日 | よねの事

よねが極楽へ旅立ったのは、

たしか、6月11日だった。

 

おはようございます。

そんな事、ありましたっけ?

あった?

うっそぉ?

あれは、全て幻だったのではないだろうか・・・

 

よねと出逢って別れるまで、18年だ。

簡単に忘れ去る年月ではないはずだが、

私は、よねが存在していたことも、

まるで、幻のようにすら、感じている。

たくさん撫ぜていたはずなのに、

不思議と、この手に、よねの感触が残っていない。

巡らせてみれば、断片的に思い出せるが、

実感は蘇っては来ないのだ。

それはまるで、長い年月見上げ続けてきたが、

手を伸ばしても決して届かない、遠い月のようだ。

 

だからか、私の心のどこにも淋しさはない。

涙を流す気にもなれないし、そんな時間もない。

あるのは、よねの鼻くそ黒子みたいな子猫との時間だ。

しかし、走り回る子猫が、ふと姿を消し、それを探している最中、

よねを探しているような気になって、不思議な感覚に囚われる。

 

我が家の猫達も、まるで何もなかったかのように

少しの変化を受け入れながら、日常を過ごしている。

 

あやさんは・・・

相変わらず

 

底意地が悪いし。

 

おたまは・・・

最近やたらと、かっこいい兄ちゃんになろうと

企んでいる気がするし。

 

うんこさんは・・・

うんこ「たれちゃんが、うんちゃんにべったりよ」

うん、べったりだよな。

 

ほくろは、他の猫が、目に入らんのかな?

目がちっこいからか?

視野が狭いんか?

そこは、私もだが・・・

 

そんな、ほくろ たれ蔵は・・・

表が真っ黒、裏がけっこう白で、

ついでに、表は長毛なのに裏が短毛という、

ちょっと不思議な姿なのだが、

不思議という点では、さすが、よねの鼻くそ黒子だな。


ありがとう、いってくる

2019年01月07日 | よねの事

さあ、輝かしい朝がやってきた。

冷えた空気に、気持ちはキリリと引き締まる。

せわしい小鳥のさえずりは、

まるで私を励ましているかのようで、

道端の枯れ草は、負けないでって応援している。

 

おはようございます。

いま私は、こういう事を書きながら、

どうにかこうにか、

連休明けの出勤のモチベーションを保とうとしています。

 

更に気分をアップさせようと、新品のワンピースを着た。

色は、さすがにピンクではないが、

スカート部分がピラピラしたドレスみたいな、

あるいは、ネグリジェにも見える、

それでいて、そこはかとなく乙女チックなワンピースだ。

半額だったんだ!

 

これで大丈夫だ。

いやでも、2回だけ叫ばせてください。

 

いーきたーくねーよぉぉぉ!

いきたくねーんだよぉぉぉ!

おら、いきたくねーんだよ~おかあさ~~~ん!

 

3回言っちゃった。ごめんなさい。

考えてみれば、連休がそんなに名残惜しいほど楽しかった訳ではない。

むしろ、無だった。

生きてる実感も意欲も失うくらい、無だった。

10日間、何もしないでいると、

口ひげって、こんなに伸びるんだなって気づけた事が、

この連休での唯一の収穫だった程だ。

じゃもう、とっとと行けよ!

つべこべ言わずに行って来いよって話だ。

あっ口ひげを剃るのは忘れんなよ!ラジャ!

 

そんな連休中も、よねさんはお元気さんだった。

体重も、ほんのちょっと増えて、3.12キロをキープしている。

私は、年明けの通院で、院長に吐露した。

「実は、年は越せないと思ってたんです」と。

 

私は普段から、

起こってもいない「たられば」を口に出すことを恐れる。

よねの事もそうだ。

もし体調が悪くなったら?

年が越せなければ?

まだ起こっていもない予想を口に出すと、

それが本当になっちゃうような気がして怖いんだ。

でもだからって、

「よね、次は新しい元号の年を一緒に迎えられるな」という、

願いに似た予想も、なかなか口には出せない。

願いさえ、よねの小さな肩に乗せたくないのだ。

軽やかに、自分らしく、自分のために、命を燃やしてほしい。

私の願いは、それだけでいい。

いや、それだけに、しておきたい。

 

よねさん?

そんな踏ん張って食べるの辛いだろ?

 

台を置くとか、私の手からとか、

そうしたほうが、良くないか?

 

よね「楽なことばっかり考えてちゃ、ダメよね」

あれ?

なんだろう?

耳が痛くなってきたぞ。

 

よね「うふふふふふふふ」

よねは、よねなりに頑張ってくれてるんだろうな。

きっと、その小さな肩に、願いを乗せてくれてるんだろうな。

よし、わし、張り切って行ってきます!


妖精?妖怪?

2018年10月12日 | よねの事

今度こそ、

秋になるんだろうなぁ。

おい、どうなんだい?

 

おはようございます。

昨日から、ようやく肌寒く感じるようになった、この地方だが、

10月に入っても、30度になるほど暑い日が続いた。

そうなると、着る物が難しい訳だ。

気分は秋だから、それらしく装うが、

脇汗が目立って恥ずかしいったらありゃしない。

せっかく履いた靴下も、職場では脱ぎ捨て、

袖をまくって、汗をかきながら裸足のままデスクで働く姿は、

まるで、夏休み最終日、宿題に泣いている中2だ。

髪型がおかっぱだから、特にだ。

しかし、顔は、アラフィフだ。

なのに、休憩には嬉しそうにアイスキャンディーとか持っちゃって、

会話の話題は、更年期障害だ。

主に女性ホルモンの減少がテーマだ。

混沌としております。

 

冷えてくると、心配なのが、よねさんだが、

どうかな~?

一旦元気がなくなり、体重も3キロを切るほど痩せたが、

かなり元気が戻ってきた。

体重も再び3キロを超えた。

よね「ちょっと~、そこのおかっぱしゃ~ん?」

なんですか?

撫ぜ撫ぜですね。

人間がご飯を食べ出すと、

それに合わせて撫ぜてくれと言い出す、よねさん。

いいぞ、絶好調だ。

右手にお箸、左手によね。

「これぞ、我が家のご飯風景」が戻ってきた。

 

そして、後ろを振り返れば

あやが、ジャラシ待機中。

時々、背中をぶってくる。

これぞ、我が家の普段のご飯風景だ。

 

よね「撫ぜとくれ~」

そういう妖精、いや、もはや妖怪みたいだな。