今朝のきくさんは、
ウェットフードを完食できましたよ。
おはようございます。
ここへお越し下さる皆様につきましては、
ご心配頂き、祈って頂き、本当にありがとうございます。
皆様のお心、しっかと受け取り、
きくさん、回復に向かっております。
この度、きくさんを襲った病は、
肝リピドーシス(脂肪肝)と診断を頂きました。
この病は、比較的太った猫に起こりやすいそうですが、
もちろん太ってなくても、なる時は、なるのですね。
きくの今回の症状は、
・23日頃から、ご飯を残すようになり、少し元気が無いように見えた。
・25日は、歩行がおぼつかず、朦朧とした状態となり、首は斜頸していた。
この病は、何らかの原因で食欲が落ちて発症するのですが、
この何らかの原因が不明な事も少なくないそうです。
きくの場合は、年齢的に体のどこかが不全を起こしたのが原因ではないか、
との事でした。
院長いわく、
「まず、とにかく食べさせることが大事。
そこが上手くいかないと、あっという間に手遅れになるが、
どうしても吐いてしまうと、もうチューブを通すしかない。
入院して、一気に改善させるのが、最も望ましいけど、
この子の状態だと、もう入院しても・・・どうかな?
家に連れて帰ってあげた方が、いいのかも・・・」
私は、「この子に関しては、もう覚悟して連れて来てます。
今までも、病院は避けて暮らさせてきましたから。
せめて、何か少しでも楽になればと思って連れてきました」と伝えた。
院長は、それならと、脱水を改善させるための点滴を打ち、
一応、と薬を持たせてくれた。
猫に限らず、私だって病院は大嫌いだ。
我が家の他の猫達も、病院だぞ~っと言えば、さーっと逃げていくものだ。
しかし、きくの場合は、その比では無かった。
キャリーバッグを目にしただけで、パニックを起こしてしまう。
あれは、まだ、きくが若くて元気だった頃の事だ。
ある日、ワクチンに連れて行こうとして、
キャリーバッグに入れようとした時、
大暴れして部屋の隅まで逃げていき、
まるで自傷行為のように、壁に体を打ち付けながら、
聞いた事も無いような声で半狂乱で叫び続けた。
「きく、もう何もしないよ、大丈夫」と声を掛けても、
その行為はしばらく止まなかった。
このパニック症状は、病院へ連れて行く時だけでは無かった。
爪を切ろうと、補ていした時。
クローゼットに入ってしまい、無理に出そうとした時。
爪とぎに爪が引っ掛かって、それを取ってやろうとした時。
要するに、少しでも恐怖や不安といったストレスが掛かった時、
無理に体を触ろうとすると、この症状を引き起こしてしまうのだ。
こうなってしまうと、私は、尻込みしてしまう。
ショックで死んでしまうんじゃないかと怖くて手が出せないのだ。
病院へのストレスも、限界に達したのだろう。
あの時、私は「あぁぁ、通院も出来なくなったか」と落胆した。
元気なうちはいい。
しかし、病気になった時、どうするんだ。
連れて行くのか、連れて行かないのか。
きくにとって、どれが正解なのだろう。
そんな事を、ずっと考えながら過ごしてきたが、
気づけば、もう立派な老猫になっていた。
そして、25日、怖れていた事が起こったのだ。
私は、この状態なら、むしろ簡単に連れて行ける。
そう思ったが、それをして何になるんだろうとも思った。
何もしなければ、きっと、きくは数日で逝ってしまうだろう。
それ程の状態に見えた。
何もしないという、守り方があってもいい。
きくの最期を、きくの体に全権任せたっていいじゃないか。
私は、そう思いながらも、
恐る恐るキャリーバッグをきくに見せながら言ってみた。
「きく、病院・・・行くか?」
すると、きくは焦点の合っていない目ですら、私を見た。
そしてヨレヨレと歩いて来て、キャリーバッグに自ら入って行く。
驚きながらも、きくを病院へ連れて行く道すがら、
それでも、私は希望など持っていなかった。
病院で、採血をするために、補ていされても、
もう、きくは何の抵抗も出来ずにいた。
ただ、私が「きく?」と声を掛ければ、
必ず、きくは私の方へ顔を向けて、私をしっかりと見た。
しかし私は、懸命に耐えるきくを見ながらも、
帰りの車中では、完全に諦めていた。
家に着くと、きくは、もうグッタリしていて、
動く事は無かった。
薬を混ぜたご飯を、目の前に置いてみたが、
一口も食べずに寝ている。
「もういいんだ。もう頑張らんでいい。きく」
そう声を掛けると、きくは、やっぱり、私をしっかりと見た。
こんな時でも、私が呼ぶと、きくは必ず私を見る。
きくは、15年間、いつもそうだったよなぁ。
そんな事を、きくを眺めてながら、しばらく考えた。
考えながら、何度かきくを呼ぶと、やっぱり、きくは私を見る。
そうか、そうだ。
きくは、生きている限り、生きている事を諦めていない。
生きている限り、生きている事を止めようとはしない。
それなのに、
私ときたら、まだ何も試していない段階で諦めてどうすんのーーー?
ばかーーーん!!
という事で、強制給仕が始まった。
こんな無理強い、誇り高いきくが許すわけない。
そう思いながら、食べさせてみると、
上手に食べるではないか。
「ゴーニャゴーニャ」文句言いながらも、
上手に食べる。
必死に食べる。
その姿が、あまりにも健気で、可愛くて、
私は、ぼとぼと涙を落としながら給仕をしていた。
すると、日に日に、元気になって行き、
きくらしさが戻ってきた。
肝リピドーシスにとって、最初の7日が勝負だそうで、
そこは、なんとか乗り切った模様です。
きく「私を見殺しにするつもりだったな、このメス豚め」
いや、そういうつもりじゃ無いんだってばさ~。
きく「勝手に諦めやがったな、このへっぽこメス豚ゴリラめ」
いや、だって、ほら、へっぽこだもんで。
きく「謝れ!土下座して謝れ!」
ごめんごめん、ごめんなさい。
きく「皆様、ありがとう。そしてメス豚の見苦しい足を見せて、ごめんなさい」
ごめんなさい。
うんこ・あや「壮絶やな~」
はじめは、共同作業だった闘病も、
お陰様で、きくさんが元気になってきたので、
戦いの日々と、相成っております。
この方が普段通りって感じで、
しっくりくるなっと思う、おかっぱなのであった。
めでたしめでたし。