サクッと、入りました!
おはようございます。
毎年恒例の大型連休に入りました。
今日から10日間、私はいっさい家から出ません。
という訳にはいかない。
せっかくの大型連休中、私は毎日、出社することになる。
下手すると、朝晩2度の出社だ。
訳を知らない人に見つかったら、
「おまっ、どんだけ会社が好きなんだよ?!変態か?」
と思われちゃう。どうしよう・・・。
だからといって、その人に訳を言うのも憚る。
野良猫に餌をやりに行く訳だから、ちょっと言いづらい。
弊社の、あるドライバーが、ここ最近、
「あいつ、やっと馴れてきた。俺の帰りを待ってるし、
おい、ご飯食べるか?って言うと、にゃって返事するようになってきたもん。」
と浮かれていた。
あいつとは、この界隈で生きる生粋の野良猫だ。
ボランティア団体の中では周知の『ママちゃん』だ。
警戒心が非常に強く、日常の行動さえ把握が難しい雌猫がゆえ、
TNR(地域猫化する)の網に、どうやっても引っかからない。
そんなママちゃんに一目ぼれした、一人の男がいる。
それが、弊社のドライバーだ。
苦節1年で、ようやく、ご飯を差し出すことを
ママちゃんから許されたという訳だ。
けれど、大型連休に入る2週間前から、ドライバーは、
「連休中、あいつのこと、どうしよう。
でもさ、来てやらないと可哀想だよね?
てか、俺が気になって仕方ないし。通うか・・・来れん日どうしよ?」
と、いちいち私に聞こえる音量で呟くようになり、
1週間前から、
「おかっぱさんも気になるでしょ?気になっちゃうよね?」
と、言葉を投げかけるようになり、
最終日、
「さぁ、おかっぱさん?連休中、一緒に頑張ろう!
ちなみに明日は俺、ゴルフだから来れんじゃんね。」
と、言いやがった。
ちなみに、私とママちゃんの関係性は、いわゆる赤の他人だ。
ママちゃんからすれば、知らぬ人間のカテゴリーだろう。
ただ救いは、餌場が固定されている点だ。
弊社の車庫内に餌場を設けているから、
馴れない人間でも、こそっと置き餌してやればママちゃんは後で食べる。
ちょっと待って!
凄く切ない餌やりじゃん?
あたし、あの野郎の影武者かよ?!
という訳で、私は今日から毎日、出社することと相成った。
あんの野郎めが来る来ない関係なく、ママちゃんには餌を置いてやろう。
ああ、あのコンチクショウに言い忘れた。
「餌があっても、ちゃんと会いに来てやんなよ。
ママちゃん、あんたを待っているんだからさ。」
そう書いて、伝言板でも置いておこうか。
弊社の車庫は、チャー坊も住んでいた場所だ。
そして、実はチャー坊が弊社に住むようになったキッカケを作ったのは、
ママちゃんなのだ。
ママちゃんがチャー坊を連れてきた。
体にハンディのあるチャー坊は、ママちゃんと共にいることで、
生き延びていたのだと思う。
ママちゃんは、いわばチャー坊の恩人ならぬ恩猫なのだ。
そういえば、
私がチャー坊をさらった次の日、
畑を歩くママちゃんを偶然見つけて、私は叫んだ。
「ママちゃん、チャー坊、うちにいるから。大丈夫だからね。」と。
そして、チャー坊が逝った次の日も、
なかなか出くわさないはずのママちゃんと、また出くわし、
その時は、静かに声を掛けた。
「ママちゃん、チャー坊逝ったよ。」
この連休中、
ママちゃんとチャー坊の思い出話ができたらいいなぁ。