昨日は、おじさんの休日だったんだ。
私は、珍しく急いで家に帰った。
おはようございます。
普段なら、おじさんが休日の日は、
むしろ、急いで帰る気分にはならない。
猫達だけで留守番している日より、はるかに安心だ。
でも、昨日は違った。
先週、血尿で病院へ行ったおじさんの、検査結果が出た日だ。
簡単な知らせは、私にも届いていた。
「異常なしだそうです。」というラインが。
安心はしたが、詳細を早く聞きたくて、急いで帰ったのだ。
「ただいま~」
と言ったところで、何の返事も帰ってこない。
「おい、おじさん?帰ったぞ、おい・・・ちょっと!」
おじさんが、リビングに横たわったまま、動かない。
その頭上に、猫の嘔吐物らしきものがある。
「おい、おじさん!」
私は、叫んだが、倒れて動かない男に、すぐ触れることに躊躇した。
怖い・・・。死んでいるかもしれないと思うと、怖くて動けない。
すると、男がようやく動いた。
「あら、おかっぱちゃん。おかえり~」
寝ぼけた声だ。
「どうしたの?」
私としたら、どうしたの?しか思い浮かばない。
「なにが?」
男も、なにが?としか言いようがない。
「いや・・・あの・・・おじさん・・・」
「ちょっと眠くなってお昼寝しちゃってました。」
「そうか。」
私は、安心して静かに、そうかとだけ言い、
何も言わずに背中を向け、猫の夕飯に取り掛かった。
しっかり目覚めたおじさんは、
「あら、誰か吐いちゃったのかね?」とか言いながら、
床の嘔吐物を片付けていたが、
「うんちゃんかな?誰だろうね?」とか、まだ言っていたが、
「寝ちゃって気付かなかったなぁ」とか、つべこべ言っていたが、
私は、何も言わなかった。
猫のゲーの大半が、おじさんの頭に掛かってることなど、
何も教えてやらないまま、肩を震わせていた。
うんこ「おじさんったら、うんちゃんを放っておいて起きないもんだから」
だから、掛けちゃったのかい?
うんこ「おじさんって言おとしたら、ゲロってなっちゃったの」
うんうん、そりゃ仕方ないよな!
うんこ「おじさん、寝たら起きないんだもん」
そうそう、あの人寝ると、なかなか起きないよな!
今度はたれ蔵が入ったのかい?
たれ蔵「この糸、ずっとあるね、母ちゃん?」
そそ、いつまでも片付けない私ならではだよな。
たれ蔵「ぼくがしっかりしなきゃ!」
おじさんと母ちゃんの代わりにな!