闇が覆う真っ暗な夜空に、
私は、あの美しい猫との輝かしい日々を、
月光を探すように思い出していた。
おはようございます。
昨夜は、うめを思い出して久しぶりに涙が流れた。
一筋の涙は、頬に懐かしさを伝えた。
だからといって、あの日々よ、再び!などと思わない。
形がないからこそ、過去はそのままに、そっとしておきたい。
ただ、これは
「あれ?なんか見覚えあるぞ?!」
と過去をほじくり出すほかなかった。
かずこがデイサービスで作った、『金太郎さん』だ。
これは、金太郎さんなのだそうだ。
持って帰ってきたかずこは、作ったこと自体忘れていたが、
連絡帳にスタッフの文字で、
「工作クラブで金太郎さんを作って下さいました。」
と書かれていたから、金太郎さんなのだ。
私は戦慄が走った。
どこをどう見て金太郎さんなのだという戦慄じゃないし、
奇跡的に眉間に『ガーーーン』という時に出る影が出来ていて、
この何とも言い難い悲劇的な表情への戦慄でもない。
金太郎さんばりにガーーーンっと眉間に影が現れたのは、
これのせいだ。
『か久"こ』の久"だ。
これのせいで、
忘れたい過去をほじくり出すしかないじゃんね。
去年のクリスマスに書いた己の誤字を!
『メリー久リスマス』
ああ、遺伝子って恐ろしいですね。
ボケた母親の誤字と、娘の誤字が、完全に一致!!
ガーーーン・・・・
そんな我が家の、のん太はうめに似ている。
あの輝かしかった日々は、
のん太の織り成す独創的かつ愉快な日々によって、再開された気分だ。
で、のんちゃん、何してるの?
のん太「かかぁ、邪魔ちないで」
しないけど・・・。
ああ、それ見ちゃダメよ。
もう完全にロックオンしちゃってるじゃん?!
それは、あやの罠だぞ。
その尻尾に乗せられると、100倍返しで弄ばれるんだぞ。
のん太「かかぁ、のんを止めて!」
止めないけどね。
あやも、うめさんが大好きだったもんね。
男嫌いなはずが、のん太だけは可愛がる。
そういえば、
うめは、たった数回しか会ったことのないかずこのことが
どういうわけが、とても好きだったなぁ。