きくを見送った雨は、
まだ止みそうにない・・・
おはようございます。
私が、まだ都会でお嫁さん修行をしていた頃、
近所に、桜の花の模様のような柄をした、
可愛い三毛の子猫がいた。
私は、その子を、さくらちゃんと呼んだ。
当時、我が家には、猫が1匹居て、
窓越しに会う、さくらちゃんの母さんとは、天敵だった。
さくらちゃんの母さんは、大きな白黒猫で、
その界隈を仕切る、肝っ玉母さんだった。
私は、その母さんを、ボス母さんと呼んでいた。
ボス母さんは一応どこかの飼い猫だったようだが、
決して人懐っこい猫では無かった。
しかし、その子供には、どうやら「人は危険」とは
教えていなかったのか、
さくらちゃんが私に駆け寄ると、
ボス母さんは、少し離れた所で、見守っていた。
さくらちゃんを我が家の2匹目に、そう考えた私は、
ひたすら、ボス母さんをつけ回す、探偵となった。
飼い主さんを探し当て、子猫を下さいと、お願いしたかったからだ。
ある日は、息を潜めるボス母さん。
その背後で、私も小さく息を潜めていると、
ひとっ跳びで、みごと鳥を捕らえたボス母さんは、
生きたまま、さくらちゃんの元へと運ぶ。
メジロが・・・可愛いメジロが・・・
ある日は、総毛立つボス母さん。
厳つい顔のオス猫がさくらちゃんの前に現れたのだ。
我こそは助っ人になろうと見ていると、
ボス母さんは、声も出さずに先制攻撃でオス猫をやっつけた。
つ、強い・・・後ろ向きへの隙あり攻撃・・・
ある日は、ひときわ優しいボス母さんだった。
さくらちゃんをいつもより入念に舐めている。
近くへ寄ってみると、昨日まで元気だったさくらちゃんが、
私を見ても、駆け寄って来ない。
おかしい・・・明日、誘拐しちゃおう・・・
そして、次の日の朝、ボス母さんは、
我が家の窓の外で、静かに座っていた。
いつもなら、家の中の猫と、フーシャー口喧嘩をするのに、
その日は、静かに1匹で座っていた。
そして、さくらちゃんの姿を見る事は、もう二度となかった。
そういえば、あれは、
長雨が続く、春の事だった。
さくらは春、きくは秋に、ぱっと散って行ったのか・・・
ここ1週間ほど、雨が続いている。
そこへ、どうやら台風もやって来るらしい。
洗濯物は乾かない。
部屋の中で、干せるだけ干し、
自分のパンツは、手に持ってグルグル回して乾燥を試みながら、
着ている服は、洗い立ての湿った部屋着だ。
着て乾かす法だ。
なにやってんだ、私ったら。
ボス母さんとは、えらい違いだな。
およねさ~ん
あっ、あやじゃないの。
今は、よねさんとの触れ合い中だぞ~
あや?
あや、目が怖いから
あやさん?
ガンを飛ばすのやめて
あや?
ロックオンしちゃダメ
あやさん?
あや「おばちゃんめ~」
嵐を呼ばないでね。ド転婆娘よ!