ああ、良かった。
生きとった!
おはようございます。
かずこの春の乱は、絶賛大荒れ中だ。
昨夜は、日課の晩酌もせず、
「もう出て行く。こんなとこ、おれん!死ぬ―!」
と、怒り狂っていた。
今のかずこは、微風にも敏感に皮膚を逆なでされる。
父さんの上から振り下ろされる言葉など、もってのほかだ。
しかし、父さんは振り下ろしておいて、
「もう、おれ知らん」
と、放り投げてきた。
私は、とうとう睡眠薬を、かずこに飲ませた。
もちろん、医師から処方された物だ。
闇サイトでこっそり手に入れた物じゃないが、
これを飲ませると、かずこの様子は一変する。
自然な眠りへ誘うという訳じゃなく、
突如ろれるが回らなくなり、物もろくに掴めなくなってしまう。
自力では歩けなくなるので、
かずこを抱えてベッドへ寝かせても、かずこは
「わし、今何歳やったけか?まあ死ぬ頃やろな。
あっ、わし、何歳になるんやったっけ?」
と、ずっとブツブツ言っている。
ああ、なんかヤバい!
そう思いながら、オネショ対策のために紙おむつを履かせた。
それ以来、私はずっと、
「かずこ、ちゃんと眠れてるかな?
あのまま、死んでねーだろな?」
と心配だった。
という訳で、今朝はブログも書かずに、
朝イチで実家へ向かった。
まだ眠っているかずこを揺すってみると、
かずこは起きた瞬間から、
「もう、ここにおりたない。死んだらぁ。」
と悪態をついていた。
ああ、良かった~。
生きとるやんけ~。
と、かずこの背中をさすりながら笑っていると、
かずこは竹中直人より上手に、笑いながら怒っていた。
なんとクレイジーな朝だろう。
正直、あれで死んだら私のせいだ。
それでも鎮める必要に迫られれば、
私はまた睡眠薬を、しかも迷わず飲ませる。
死んでほしい訳じゃない。
だけど万が一死んだら、きっと私は、
「やっとこさ楽になれたね、かずこさん。」
と声を掛けてしまうかもしれない。
そんな事を考える、実にクレイジーな朝だった。
ああ、良かったぁ。
のんちゃん?
のん太「なんら?なんなのら?」
のん太「みりゅな!」
のん太「なんなのらって言ってるんら」
のん太「かかぁ、なんか言ってよぉぉぉ」
静かに見守るのも、愛なのだよ。