最近のかずこさんは、
すっかり、いつも通りに落ち着いた。
おはようございます。
去年末、私がコロナっていた間、
かずこさんは2キロも体重が減り、ボケが進んでいて、
元気も無くなり、歩くのもやっとになっていた。
約10日間の療養~自粛生活で、おいおい、嘘だろ?!ってくらい衰えていた。
私は、こりゃいかんと焦り、かずこさんを追い込んでいた。
「母さん、遊びにいっくぞーーー!」と引きずり回し、
「母さん、すさまじく美味しいから、食ってみろーーー!」と
もはや、食べ物を口に突っ込む勢いで食事を勧めた。
そのおかげか、この週末はすっかり、いつも通りのノリノリかずこさんだった。
「うん、これで一旦、落ち着いたな」と確信したのは、
金曜日、父さんからSOSの連絡が来たことだ。
「ババァが暴れとる」という連絡に
「うんよし、かずこさんが落ち着いた」と確信した訳だ。
暴れる老婆のどこが落ち着いているのだ?!
と、心の片隅で自分にツッコんだが、
酒を呑んでヤンチャして、翌朝にドロドロな二日酔いで起きてくる。
それでこそ、安定のいつも通りのかずこさんなのだ。
デイサービスでだって、
「わし、帰る!」と財布から一万円出して啖呵を切るのだ。
それが、安定したいつも通りのかずこさんだ。
やだ~ん、困っちゃう~やだ~ん、助けて~!
そう!困っちゃうくらい活気があるのが、かずこさんだ。
ご機嫌な時は、超ご機嫌だ。
なんとも素晴らしい笑顔をする。
昨日は、我が家のおじさんと私とかずこさん3人で、
ちょっと離れた場所にある、大きなショッピングセンターへ行った。
「お母さんは、楽しそうだからいいよね~。明るいもんね。」
男は、時々そう言う。
何でもかんでもカートに入れちゃう、かずこさんに男は、
「これ、要るの?本当に?」とか優しく問いかける。
「うん、家のが切れてるで、買わなあかんのや」と答えるかずこさんに、
私はおどろおどろしい小声で囁く。
「あかん、見てみ!380円もするで~」
すると、かずこは慄く。
「そんな高いんかぁ!!」と。
そのリアクションが、素晴らしく面白くて、私と男は大笑いする。
すると、それにつられて、かずこさんも大笑いする。
かずこさんには、もう金銭感覚はない。
私達の反応に合わせたり面白がったりしている訳だ。
しかし、大人が3人で商品を見るたびに、
高いわ~高いな~と言いながら大笑いしている光景は、
スーパーからすれば営業妨害だ。
しかし私達は、カートを持ったら無敵のかずこの後を着いて行く。
落ち着いて考えれば、
大人しくなっちゃった、かずこさんのほうが、ある意味楽だった。
そう、本当に楽だった・・・。
元気になったって、認知症は絶賛進行中だ。
ボケはますます酷くなっている。
なのに、私はどうして、かずこさんを元気にさせたいのだろう?
そんなことして、更に母も父も苦しめてやしないだろうか?
けれど、やっぱり私は願う。
もう少し、もう少し経ったら、笑っていられないかもしれない。
それでも今は、かずこさんの笑顔を見ていたいんだ。
そんな我が家は、笑っていられない
真剣です!
めちゃくちゃ、真剣なのです。
たれ蔵「でも、ぼくは知っています。」
たれ蔵「母ちゃんがGOしなければ、お刺身は貰えないことを。」
たれ蔵「お刺身を見てたって、貰えないのです。」
だから、たれ蔵は、ずっと私を見ているのだな?
さすがだな!
たれ蔵「もう一つ知っています。実はこれ、貴重な集合写真です。」
そうなのよ~。
後ろに刺身無関心なのん太も写り込んで、
なんと、4頭揃った集合写真なのであった!
多頭飼いの集合写真は貴重だよね。