うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

一瞬の生

2024年04月06日 | 日記

あたしの人生、ついに詰んできたか?

 

おはようございます。

父の右手が使えなくなって3週間が過ぎた。

状態は思わしくないかどうか、よく分からない。

父の肩の痛みは、父の都合で強弱が変わってしまう。

あの男は、狡猾だ。

昔から、理解した振りをしてみたり、自身を弱っているように見せたり、

それでも思い通りにならない場合は、脅したりする。

「もろとも、ぶっ殺してやる」

そんな重い台詞を、そよ風のごとく軽く吐いてしまう。

 

ああ、そうだ。

思い出した。

あたし、この男が一番苦手だった。

 

だから私は、大笑いしてやった。

「ぎゃはははは、

こんな事ごときで、もろともぶっ殺すとか、おおげさ!」

質の悪い人心掌握術に乗せられるほど、子供じゃない。

私はもう、あの頃の小さな子供なんかじゃない。

「まあ、父さん?

もろともぶっ殺すためにも、右手を早く治さんと返り討ちに遭うよ。

アイツみたいにさ。」

私は昔、元夫の殺害計画を立て、それを実行した。

右手に元夫の大事な高級ゴルフクラブを握り、

それをガムテープでぐるぐる巻きにした。

そして私は、その右手を、熟睡している元夫の腹に力いっぱい振り落とした。

「ねえ、かっちゃん?お願い、死んで。」

そう囁きながら、何度もクラブを振り落とした。

そりゃもう、ホラーだ。

あれは、パターでよかった。

ドライバーだったら、元夫は死んでいたかもしれない。

「でもあの時は、ほんとスッキリしたもんなぁ」

と後日、元夫と笑い合ったのを覚えている。

離婚話にもならず、私は元夫の暴力で、元夫はゴルフクラブで、

互いに折られた前歯を見せながら、笑い合う変な夫婦だった。

まさに、ホラーだ。

ただ、あの事件以来、元夫はまったく暴力を振るわなくなったから、

やって良かったという、とんでもない成功体験を得た。

 

あれ?

あたし、父さんと似てるかもしれない・・・。

違いは、私は実行に移した点だ。

あれ?

なんだかんだ、実行に移さない父さんの方が、マシなんじゃないか?

 

こうなると、もはや己の正義と価値観がガラガラと崩れていく。

そんな時、私は我が家のおじさんに相談するようにしている。

「多かれ少なかれ、弱っている時って、

苛立って見苦しい事言ったりやったりしちゃうもんじゃない?」

そう聞くと、おじさんは、

「ん~」

と考え込む。

そうそう、これこれと、私は密かに思う。

そんなことを思いもつかない、この男の心の美しさよ!

洗われる!!

「あたし、もっと頑張るよ。

今の父さんや私の、この見苦しさも、たぶん越えられる。

ここを越えた先に、新たな世界が見えてくる気がする。」

 

私は以前、かずこも苦手だった。

むしろ、かずこが苦手過ぎて、父さんへの感情など、掘り下げたことが無かった。

何十年もの確執だ。

だけど、私はそれを越えた。

数年かけて、とことん向き合い、

途中は、自分の心の中に湧き上がる、めちゃくちゃ見苦しい感情に苛まれ苦しんだ。

けれど今や、私にとって、かずこは癒しとなっている。

猫や犬、花鳥風月に並び、

先日死んでしまった敬愛するパンダのタンタンと、ほぼ同列だ。

いつしか、父さんのことも、

愛知が誇るイケメンゴリラ・シャバーニみたいに感じられる日が来るかもしれない。

 

だから今は、時々ブチ切れながら過ごしている。

「くっそー、クソジジィが!!」と思ったり、

時々、意味不明にご機嫌斜めになる、かずことも口喧嘩する。

先日は、たまらず実家を飛び出して、夜桜を見に行った。

「桜、綺麗だったよ。

ねえ、母さんも連れてったろうか?」

そう言うと、かずこは被り気味に

「いらん」

と即答する。

「木をぼけーっと見て、何が面白いんや?」

それを聞いて、私と父さんは大いに笑い合った。

こんな瞬間があれば、私の人生は詰んでなどいない。

と思いたい!

 

おたまもだよね?

珍しく、あやがおたまを舐めてあげてるじゃん?!

 

ほんの一瞬の幸福に、おたまったら、この顔

でも、あやったら、この顔!

人生は、この繰り返しなのかもしれないな。