涼しかった日は去り、再び、日中の気温は30度になる。
人間が居るので、放牧されているウサギは、隅の机の陰に籠もる。
床板の冷たさが、気持ちいいのか。
根っから薄暗い場所が好きな、穴ウサギなんだろうか。
ケージは、ウサギが寝転んでいる場所から、2mと離れていない。
もちろん、入り口は開けっ放しだし、トイレも、食事も、水も、準備してある。
なのに、物陰に籠もったウサギは動かない。
皿の中のペレットは、減らないし、水も飲まない。
人間は心配になる。
高齢者は喉が渇いたことに気づかないで熱中症になるらしい。
ウサギも、6才か7才にはなっている。
高齢ウサギも、喉が渇いても気づかないのではないだろうか。
(三段論法だな)
ペレットをもっていく。ガツガツと食べる。
水を持っていく。音をたてて飲む。
お腹もすいていたし、喉も渇いていたらしい。
だけど、別荘(物陰)から出るのは、面倒だったんだな。
これでまた、結構かしこいウサギは、
「人間が居ればそのうち持って来るだろうから、それまで寝てよう」
などということを、覚えたりするんだろうな。