夏期休暇の最後の日、
少し時間があったので映画を観に行くことにした。
ハリーポッターもみたかったが、
91歳の主演女優に惹かれて、母を連れて行く。
白黒の静かな映画だった。
隣の建物から聞こえてくる音楽の音、鳥のさえずり、外のざわめき、
まるで私自身が、その場所に居るような音で耳に入ってくる。
音はあるのに、とてもとても、静かな映画だった。
ふと見ると、字幕が苦手な母は寝息をたてていたのだが。
まぁ、それはそれで。
木立の中の古い木造の家、少し歪みのあるガラス窓、
木漏れ日はきらきらして、こんな場所で暮らせたらいいなと思う。
91歳の一人暮らしは、大変そうでもあるけど、
ぼやいたり、怒ったり、そして時には、
お気に入りの服をあわせて少女のように微笑んだり、
91歳の彼女は、とても、生き生きとして魅力的。
最後まで、自分を持ち、自分の価値判断で生き、そして死ぬ。
年輩の観客が多いというのも、うなずける映画でした。