うっかり感染したインフルエンザの後、
1ヶ月たっても、咳が収まらない。
話をしようとすると、コホコホと咳き込んでしまうものだから、
すっかり変な人になってしまった。
仕事にも支障が出るので、病院に行く。
初診なので、過去の既往歴やら何やら書き、
息を吐いてみたり、風車をまわしてみたり、
念のためにレントゲンもとってとあれやこれや、
喘息では、といわれる。
確かに、とても小さい頃、小児喘息だったらしい。
とはいっても、
このあたりには、そういう子どもが多かったというし、
なかでも、軽いほうだったとも聞いている。
そういうと、医師は、
小児喘息だった人が、大人になってから喘息になるのは、
再発ではなくてずっと治ってなかったのだと説明する。
そういえば、ここ数年以上、風邪をひいた後、ひたすら咳が長引く。
あまり風邪をひかないから気にはしていなかったのだが、
というと、普通は、そう咳は長引かないのだと、さらに説明される。
とりあえず、1週間、
気管支拡張剤と、ステロイドの吸入をして様子をみるらしい。
なるほど。(でも、うさぎは、絶対に手放さないと心に誓う。)
昔々、人間がまだ子どもだった頃、
この町の東側の工場はとても景気がよく、
毎日、毎日、もうもうと煙を吐いていました。
その頃、
学校の校舎の窓ガラスも、家の窓ガラスも、
白く変色して、いくら磨いてもとれませんでした。
本当は平らな筈の蜜柑の葉も、くるくると丸まっていました。
小児喘息、たぶん、多かったようです。
高度経済成長期でした。
今、咳喘息を発症する大人が増えているらしい。
もしかしたら、その頃の「ツケ」が、今になって出てきたのか。