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松山市内にある第48番西林寺 (門を入って右側に茶堂がある)
つづき)
ちょっと先を急いで途中を飛ばします。また、戻るかもしれませんが途中の行程(5月26日と27日)を文末に記しました。
5月28日
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第9日目(5月28日)の行程
古岩屋荘~第46番浄瑠璃寺~第47番八坂寺~別格9番文殊院~第48番西林寺(施茶をする)~第49番浄土寺~第50番繁多寺~第51番石手寺~Sさん宅にてお接待して頂く~ホテルマイステイズ松山(泊)
四国遍路へ出発前に松山市在住のSさんと
「松山の札所の何処かで2人で施茶(お遍路さんに茶を点てふるまうこと)をしてみませんか?」
というメールが交わされていました。
松山へ近づくと、次第に施茶モードになって来て「どこか施茶ができる場所があるかしら?」と札所ごとに気になり始めました。
5月28日は朝から雨が降ったりやんだりで、午後になると雨がひどくなるという予報でした。
国民宿舎・古岩屋荘を出発し、33号線三坂道路を走るとすぐに第46番浄瑠璃寺へ着きました。
浄瑠璃寺から第51番石手寺まで札所が7ヶ所もあり、Sさんと13時に石手寺で待ち合わせをしていました。
雨のためSさんとの施茶は取りやめ、午後はゆっくりSさん宅で薄茶一服のお接待を受けるという何とも贅沢な予定です。
それまでに石手寺までのお詣りを済ませたい・・・と少々あせり気味でした。
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西林寺の境内 (茶堂の写真がないのが残念・・・)
第48番西林寺へ着くと、門前に境内の建物配置図があり、「茶堂」と書かれた建物がありました。
「茶堂」は屋根のある立派な休憩所で、造り付けのコの字型にベンチがあり、時にはお遍路さんへ茶などをふるまい、お接待する場所のようです。
「なんて立派な茶堂なんだろう」と横目で見ながら、本堂と大師堂へ急ぎました。
帰りに茶堂を通ると、お遍路さんが3人(男性2人女性1人)大きなリュックを下ろして休んでいました。
2人は外国人で、歩きのお遍路さんと一目でわかります。
疲れ切っている様子をみると急にお茶を差上げたくなって、声を掛けました。
「あのう~お急ぎですか?
よろしかったらお接待させてください。茶道のお点前で抹茶とお菓子を差し上げたいのです」
「えっ!よろしいのですか? ぜひお願いします」北海道から来たという男性が代表して応えてくれました。
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持参したMy茶箱 (色紙蒔絵のある一閑塗)
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茶箱の中身 (茶箱・雪点前の仕度になっています)
駐車場が近かったので、車から茶箱一式を持って来て、茶堂の一画がお茶空間に早変わりです。
ツレに手伝ってもらい、卓上コンロで湯を沸かしてもらいました。
その間に、茶箱や建水を用意し、姿勢を正し、雪点前を始めました。
先ずは振りだしを取り出し、遍路2日目に岡田製糖所で買っておいた霰糖(和三盆糖)を賞味して頂きました。
仕服を脱がすと、棗や茶碗や茶杓が現われ、帛紗や茶巾で浄めていきます。
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家で雪点前の稽古を・・・(遍路中は鉄瓶がポットに代わります)
いったい何が始まるのだろうか・・・と、3人のお遍路さんは目を丸くして興味深そうにお点前を見守っています。
一服目が点ち、飲んで頂きました。
「いかがでしょうか?」
「とっても美味しいです」
「お抹茶を飲んだのは初めてですか?」
「飲んだのもお点前(tea ceremony)も初めてです。遍路中にこのようなお接待を受けて元気をもらいました。
四国へ来て遍路をして良かった! 本当にありがとう!」
彼らも私もカタコトの日本語と英語での会話ですが、3人の喜びと感動が素直に伝わって来ました。
(こちらこそありがとう! たくさんエネルギーを頂いた気がします)
「勇気を出してお声掛けしてヨカッタ!」と思い、お茶の持つ不思議な力を実感したのでした。
彼らの感動がツレにも伝わったようで、いつにもまして甲斐甲斐しく手伝ってくれました(アリガトウ!)。
お礼に納札を3人から頂き、私の納札を差し上げました。
香港から来たという女性から渡された納札の裏に次のように書かれていました。
Thank you for your tea.
It's my pleasure to meet you too.
有縁相會
ステキな一期一会でした・・・。
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5月26日
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第7日目(5月26日)の行程
ツレの故郷・西予市に2日間逗留。午前中に亡き両親の墓参りや親戚への挨拶廻り、溜まっていた洗濯物を片づけ、すっきりしました。
午後になって、第43番明石寺~別格6番龍光院~宇和島市伊達博物館~宇和島にてサイドミラーの交換修理~西予市の親戚宅(2泊目)
5月27日
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第8日目(5月27日)の行程
西予市の親戚宅~別格7番出石寺~別格8番十夜ヶ橋~第44番大宝寺~第55番岩本寺~古岩屋荘(泊)
車で四国遍路 次へつづく 前へ戻る この項のトップへ