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太龍寺(たいりゅうじ)ロープウェイ・・・那賀川を取り囲む町や山々が一望できました
(遅くなりましたが、「車で四国遍路」のつづきです。頭のネジを巻き戻して書き出しました。お付き合いくださると嬉しいです・・・)
つづき)
5月22日(水) 晴れ
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4日目(5月22日)の行程
道の駅「ひなの里かつうら」~第20番鶴林寺~ロープウェイで第21番太龍寺~第23番平等寺~別格4番鯖大師~第23番薬王寺~仏海庵~御厨人窟~第24番最御崎寺~第25番津照寺~道の駅「キラメッセ室戸」にて車中泊
7時過ぎに道の駅「ひなの里かつうら」を出発し、第20番鶴林寺へ向かいました。
すぐに狭い山道に入りましたが、鶴林寺から下りる車は別の道(太龍寺方面へ行く)を通る筈なので、すれ違う車の心配はほとんどなく、今思うと快適な山道でした。
鶴林寺の愛称はお鶴さん、「一に焼山、二にお鶴、三に太龍、遍路なく」とうたわれた、遍路泣かせの「阿波の三難所」の一つです。
弘法大師の合掌した手に鶴が舞い降りたという伝えがあり、本堂前の2羽の鶴に再会し、懐かしくお詣りしました。
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第20番鶴林寺の山門をくぐる
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早朝なので、灰が美しく調えられた大香炉
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美しい三重塔・・・文政6年(1823年)に地元の宮大工が建立したという
次は第21番太龍寺へ向かいました。
今回の遍路は、ロープウェイがある所は利用しよう・・・と決めていたので、大分遠回りしてロープウェイ乗り場・鷲の里駅へ行きました。
全長2775mのロープウェイに乗ると、眼下に曲がりくねった那賀川や緑の山林が広がり、緑の中に白い花が密集して咲いていました。
ガイドさんに尋ねたのですがわからず、空木または山法師でしょうか? 素晴らしい10分の空中散歩でした。
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山を越えると、今度は紀伊水道や橘湾の海側が見えてきて、標高600mの山頂駅が近くなりました。
山頂駅近くに舎心ヶ嶽があり、修行している弘法大師の坐像を見ることが出来ます。
延暦12年(793年)弘法大師空海が19歳の時、太龍嶽(舎心ヶ嶽)で百日間にわたり「虚空蔵求聞持法(ぐもんほう)」を修法された修業地で、山頂駅近くの舎心ヶ嶽に修行している弘法大師の坐像を見ることが出来ます。
「虚空蔵求聞持法」は、虚空蔵菩薩の真言を1日2万回、50日間唱えることで、すべての経典を暗記できるという秘法だそうです。
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「西の高野」太龍寺(たいりゅうじ)の大師堂
巨大な杉が聳え立つ境内には古い伽藍が点在し、「西の高野」と呼ばれる太龍寺の落ち着いた佇まいが大好きです。
ご本尊は虚空蔵菩薩。焼山寺に続いて2回目のご真言なので、長く難しいご真言を3返頑張りました。
奥の大師堂で般若心経を唱え出すと、美しく澄んだ鳥のさえずりが・・・「せっかく太龍寺大師堂へ来たのですから、私の啼き声も聞いてね」と聞こえ、仲良く唱和しました。
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からりっと明るく開けた第22番平等寺へ
鬱蒼とした杉木立の下の寺が続いたけれど、田園地帯の丘の上にある第22番平等寺は開放感が溢れ、ここにたどり着くとなぜかほっとしました。
前回、ここで足首の違和感を感じたのだった・・・と思い出しながら、万病や健脚のご利益が名高いご本尊・薬師如来にお詣りする。
考えも進歩的なお寺のようで、こちらの薬師如来は秘仏だったのをやめて、年中拝観できるようになったという・・・有難く、とても素晴らしいことです。
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第22番平等寺・薬師如来に手を合わせて・・・
平等寺で運転をツレと交代し、ここから懐かしい海の遍路道を選んだはずなのだが・・・歩きと車の感覚の違いを思い知らされ、迷ったり、道を間違えたり散々でした。
それでもなんとか海の道を走り、前回お接待して頂いた田井ノ浜・遍路小屋を確認できて、やっと「車は車の道を行くべし・・・」と思いきれました。
別格4番鯖大師と第23番薬王寺へ詣でて、これにて徳島県の札所をすべて終了です。
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ユキノシタが咲き乱れる手水場・・・別格4番鯖大師(だと思う?)にて
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