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除夜鐘の試し撞き 27日知恩院にて
12月28日に先生宅の除夜釜へお招きいただきました。
京都では時折雪が舞う天候で、廻りの山々は白く雪を被っています。
風の冷たさに思わずショールの襟を立てて出かけました。
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かわらけ売り
除夜釜なので、雨戸を閉めて夜咄の設えでした。
玄関の寄付に掛物が掛けられています。
かわらけ売りの絵で、正月に御神酒やお屠蘇に使うかわらけ、
ウラジロ、ユズリハを篭に入れて売り歩いています。
もう現在では見ることができない、暮れの風景です。
丸行灯が灯された待合へ入ると、火鉢の炭火が赤々と暖かく、
別世界へやってきたみたいです。
床にはもう一つ灯りがあり、掛物を拝見すると、画賛でした。
下方に米俵を背負った馬と馬子が歩いていて、
上方には「何ゆへに重荷おう・・・」 う~ん!一部しか読めません。
後ほど先生のお話を伺ってびっくり!
その掛物は、根津美術館にある
「大津馬図」 松花堂昭乗画 沢庵宗彭賛 の写しで、
江戸時代に狩野派の絵師が横書きへ写し直したものでした。
沢庵和尚の賛は次のような洒落れたもので、
何ゆへに
重荷おおつ(負う)(大津)の
うま(馬)(生)れきて
なれもうき世に
我もうきよに
と 馬おいのよみしは
むへ(べ)もやさしき こころはへ(ばえ)なり
大津馬とは大津で荷役に使われていた馬のことです。
琵琶湖を舟で運ばれてきた米を京都まで運び、米は舟で大阪へ運ばれました。
俵を積んだ大津馬は歳末の風物詩でした。
「大津馬図」写
甘酒を頂き、八畳の広間へ席入りすると、いつもと様子が違います。
葦棚が置かれ、小間の設えになっていました。
竹罫の灯りが葦の影を壁側に映し出していて、
炎の揺れにその影もゆらゆら揺れて、皆で声を上げました。
床に手燭が置かれ、
「無事是貴人」と書かれた掛物を手燭をかざして拝見しました。
白風袋、揉紙の簡素な大徳寺表装が好ましく、大徳寺棒に吊られています。
この日、一番強烈な印象に残った墨蹟でした。
前大徳・大徹和尚筆です。
禅機みなぎり、力強さのある筆跡に惹きつけられ、圧倒されながら、
今日、このお軸に出逢えた幸せを感じました・・・。
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竹罫の灯りと葦棚
美味しいお弁当、お手づくりの汁椀と八寸を完食した頃、
丁度よく煮えがついて、薄茶となりました。
釜は寒薙造、仙叟好み矢筈釜、大徳寺古材の炉縁が垂涎でした・・・。
先生のお点前で、いろいろなお話を伺いながら頂く薄茶は愉しく、
格別なひと時です。
次々と出してくださる茶碗がどれも素敵で、解説ももらさじ・・と。
主茶碗は玉水一元造の赤筒「網代守」、おだやかな赤色と姿が美しく、
光悦の影響を思わせる筒碗でした。
道八の暦手、奥村秋石の蝙蝠絵の茶碗、それから雪に鴉の菓子鉢、
一方堂焼の気品あふれる火入れなど、また出逢いたいお道具ばかりです。
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丸行灯の中をパチリ
お菓子は「八重の桜」の会津からお取り寄せの「香木実(かぐのみ)」、
そして弦付の薄器は大樋焼・五代勘兵衛(黒田官兵衛と同名)造でした。
NHKの大河ドラマの主人公八重さんから官兵衛さんへ、
今年から来年へ橋渡しの道具組に一同にっこり。
暮れのお忙しいなか、このようなひと時を作ってくださって感激でした。
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珍しい蕨箒が・・・
お陰さまで、心豊かな気持ちで年の暮れを迎えております。
ありがとうございました!
皆々様、佳い年をお迎えくださいませ。
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12月28日に先生宅の除夜釜へお招きいただきました。
京都では時折雪が舞う天候で、廻りの山々は白く雪を被っています。
風の冷たさに思わずショールの襟を立てて出かけました。
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かわらけ売り
除夜釜なので、雨戸を閉めて夜咄の設えでした。
玄関の寄付に掛物が掛けられています。
かわらけ売りの絵で、正月に御神酒やお屠蘇に使うかわらけ、
ウラジロ、ユズリハを篭に入れて売り歩いています。
もう現在では見ることができない、暮れの風景です。
丸行灯が灯された待合へ入ると、火鉢の炭火が赤々と暖かく、
別世界へやってきたみたいです。
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床にはもう一つ灯りがあり、掛物を拝見すると、画賛でした。
下方に米俵を背負った馬と馬子が歩いていて、
上方には「何ゆへに重荷おう・・・」 う~ん!一部しか読めません。
後ほど先生のお話を伺ってびっくり!
その掛物は、根津美術館にある
「大津馬図」 松花堂昭乗画 沢庵宗彭賛 の写しで、
江戸時代に狩野派の絵師が横書きへ写し直したものでした。
沢庵和尚の賛は次のような洒落れたもので、
何ゆへに
重荷おおつ(負う)(大津)の
うま(馬)(生)れきて
なれもうき世に
我もうきよに
と 馬おいのよみしは
むへ(べ)もやさしき こころはへ(ばえ)なり
大津馬とは大津で荷役に使われていた馬のことです。
琵琶湖を舟で運ばれてきた米を京都まで運び、米は舟で大阪へ運ばれました。
俵を積んだ大津馬は歳末の風物詩でした。
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「大津馬図」写
甘酒を頂き、八畳の広間へ席入りすると、いつもと様子が違います。
葦棚が置かれ、小間の設えになっていました。
竹罫の灯りが葦の影を壁側に映し出していて、
炎の揺れにその影もゆらゆら揺れて、皆で声を上げました。
床に手燭が置かれ、
「無事是貴人」と書かれた掛物を手燭をかざして拝見しました。
白風袋、揉紙の簡素な大徳寺表装が好ましく、大徳寺棒に吊られています。
この日、一番強烈な印象に残った墨蹟でした。
前大徳・大徹和尚筆です。
禅機みなぎり、力強さのある筆跡に惹きつけられ、圧倒されながら、
今日、このお軸に出逢えた幸せを感じました・・・。
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竹罫の灯りと葦棚
美味しいお弁当、お手づくりの汁椀と八寸を完食した頃、
丁度よく煮えがついて、薄茶となりました。
釜は寒薙造、仙叟好み矢筈釜、大徳寺古材の炉縁が垂涎でした・・・。
先生のお点前で、いろいろなお話を伺いながら頂く薄茶は愉しく、
格別なひと時です。
次々と出してくださる茶碗がどれも素敵で、解説ももらさじ・・と。
主茶碗は玉水一元造の赤筒「網代守」、おだやかな赤色と姿が美しく、
光悦の影響を思わせる筒碗でした。
道八の暦手、奥村秋石の蝙蝠絵の茶碗、それから雪に鴉の菓子鉢、
一方堂焼の気品あふれる火入れなど、また出逢いたいお道具ばかりです。
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丸行灯の中をパチリ
お菓子は「八重の桜」の会津からお取り寄せの「香木実(かぐのみ)」、
そして弦付の薄器は大樋焼・五代勘兵衛(黒田官兵衛と同名)造でした。
NHKの大河ドラマの主人公八重さんから官兵衛さんへ、
今年から来年へ橋渡しの道具組に一同にっこり。
暮れのお忙しいなか、このようなひと時を作ってくださって感激でした。
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珍しい蕨箒が・・・
お陰さまで、心豊かな気持ちで年の暮れを迎えております。
ありがとうございました!
皆々様、佳い年をお迎えくださいませ。
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