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どくだみの花 (季節の花300)
(つづき)
ご挨拶のあと、夕食をご馳走になりました。
Kさんの茶会は「家のご飯と薄茶」が基本です。
でもね! その中にKさんならではエッセンスが凝縮されていて、
センスと個性が輝いている・・・と思うのです。
シンプルな献立ですが、こだわりが半端ではありません。
自家製野菜、野菜の栄養と旨味を引き出す切り方や調理、
直前に焼いて供される出し巻き玉子など、
より美味しく、見た目も好く、探求する姿勢に感動すら覚えます。
そんなエッセンスの話を伺いながら、Kさんちの夕食を平らげました。
ここで中立し、先ほどの外腰掛へ。
再びご亭主の迎え付けがあり、席入りすると、
ほの暗い茶室には燭台が置かれ、蝋燭が灯されていました。
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(写真がないので我が家のどくだみですが・・)
床にどくだみの花が生けられていました。
そこだけ白い花が浮き立って、十字架のようにも見え、
敬虔な修道女のようにも見えてきます。
花入は揖保川焼、池川みどり作。
古色ある敷板は、扁額を応用したお手製で、垂涎ものです。
友人が描いたという抽象画が掛けられていて、雨雲をイメージした絵だとか。
席入の時から音楽が雨の音のようにも聞こえ、
時に軽快であったり、時に物寂しかったり・・・聴衆のこころのままに。
炉には手取り釜がシュンシュンと湯気をあげていました。
「一年中、炉の流し点で薄茶をさしあげています」
・・・Kさんの諸事情でこのようなスタイルに完結したそうですが、
ゆるぎない信念がそれを後押ししていて、大拍手です。
一服目は濃茶のように緊張して、
二服目は薄茶独特のくつろいだ雰囲気で頂戴しました。
・・・そして、お茶を味わいながら、
「こんな素敵な茶会へもう二度と来ることはないだろう・・・」
と思い、なぜ何度も来たくなったのか、自問しました。
Kさんの茶会を、ひそかに「清貧の茶会」と呼び、敬愛しています。
余計なものを全て削ぎ落とし、必要かつfavoriteなものへ見事なまでに
昇華なさって、そこにお茶本来が持つ精神の高みを感じるのです。
もう一つは工夫の面白さです。
今回はどくだみの花が主役でしたが、毎回胸ときめく工夫やら
Kさんならではの茶会次第があり、無限の広がりを楽しめます。
決して高価なものを使わず、無理せず「清貧」の茶に徹している、
そんな茶会が大好きで、心地好い刺激とともに
「私も私の茶事をしよう!」といつも勇気づけられるのです。
今回も親友のKさんと一緒に風雅を味わい、善い気を一杯あびて、
「どくだみ茶会」を堪能しました。
後日、やさしい親友から電話があり、
「あれから、どくだみがKさんに見えてしまい、抜けなくなりました・・・」
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(つづき)
ご挨拶のあと、夕食をご馳走になりました。
Kさんの茶会は「家のご飯と薄茶」が基本です。
でもね! その中にKさんならではエッセンスが凝縮されていて、
センスと個性が輝いている・・・と思うのです。
シンプルな献立ですが、こだわりが半端ではありません。
自家製野菜、野菜の栄養と旨味を引き出す切り方や調理、
直前に焼いて供される出し巻き玉子など、
より美味しく、見た目も好く、探求する姿勢に感動すら覚えます。
そんなエッセンスの話を伺いながら、Kさんちの夕食を平らげました。
ここで中立し、先ほどの外腰掛へ。
再びご亭主の迎え付けがあり、席入りすると、
ほの暗い茶室には燭台が置かれ、蝋燭が灯されていました。
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(写真がないので我が家のどくだみですが・・)
床にどくだみの花が生けられていました。
そこだけ白い花が浮き立って、十字架のようにも見え、
敬虔な修道女のようにも見えてきます。
花入は揖保川焼、池川みどり作。
古色ある敷板は、扁額を応用したお手製で、垂涎ものです。
友人が描いたという抽象画が掛けられていて、雨雲をイメージした絵だとか。
席入の時から音楽が雨の音のようにも聞こえ、
時に軽快であったり、時に物寂しかったり・・・聴衆のこころのままに。
炉には手取り釜がシュンシュンと湯気をあげていました。
「一年中、炉の流し点で薄茶をさしあげています」
・・・Kさんの諸事情でこのようなスタイルに完結したそうですが、
ゆるぎない信念がそれを後押ししていて、大拍手です。
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一服目は濃茶のように緊張して、
二服目は薄茶独特のくつろいだ雰囲気で頂戴しました。
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・・・そして、お茶を味わいながら、
「こんな素敵な茶会へもう二度と来ることはないだろう・・・」
と思い、なぜ何度も来たくなったのか、自問しました。
Kさんの茶会を、ひそかに「清貧の茶会」と呼び、敬愛しています。
余計なものを全て削ぎ落とし、必要かつfavoriteなものへ見事なまでに
昇華なさって、そこにお茶本来が持つ精神の高みを感じるのです。
もう一つは工夫の面白さです。
今回はどくだみの花が主役でしたが、毎回胸ときめく工夫やら
Kさんならではの茶会次第があり、無限の広がりを楽しめます。
決して高価なものを使わず、無理せず「清貧」の茶に徹している、
そんな茶会が大好きで、心地好い刺激とともに
「私も私の茶事をしよう!」といつも勇気づけられるのです。
今回も親友のKさんと一緒に風雅を味わい、善い気を一杯あびて、
「どくだみ茶会」を堪能しました。
後日、やさしい親友から電話があり、
「あれから、どくだみがKさんに見えてしまい、抜けなくなりました・・・」
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