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いよいよ引っ越しの日までカウントダウンになりました。
毎日、気忙しく、大した仕事量ではないのですが、
精神的にくたくたになっています。
なぜなのでしょうか?
それは今までの暮らしとこれからの暮らしのはざまで揺らぐ心、
際限なく膨らむ荷物と捨てる荷物がもたらしているようでした。
二人の自分がいて、もう一人の自分に問いかけているような。
「大好きな我が家ともしばらくお別れだね?」 「うーん・・」
「どんな暮らしをしたいの?」 「うーん・・・」
「どんな暮らしになるのかしら?」 「うーん・・」
「もっと荷物を減らせないの?」 「うーん・・・」
あれこれ考えていると、どうでもよくなってきます。
行けば何とかなるさ。 同じ日本だもの・・・。
しばらくは風のふくままに自然のリズムに逆らわず暮らしてみよう・・・。
そうすると、しなやかな風の音が耳に心地よく響いてきました。
そうなんです。
京都の町家は、能「雨月」を連想するような古い家です。
老夫婦が仲良く、時に言い争いながらもつつましく暮らすにふさわしい家です。
軒こそ破れていませんが、戸や壁の隙間から風や雪が舞い込んできそうです。
金沢の仙叟ゆかりの灑雪亭が思い出されました。
それで「灑雪庵(さいせつあん)」と名付けました。
戸の隙間から降り灑ぐ(そそぐ)雪を愛でる風流心を大切にしたい・・・。
その心を忘れぬようにしたい・・・と。
今、友人の書家・大谷泉奏さんが「灑雪庵」の書に挑戦してくださっています。
まだ出来上がっていないのでご披露できないのが残念です。
ご縁がありましたら京都でお目にかけれるかしら・・・。
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