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別格1番大山寺(だいせんじ)の弁慶銀杏
令和元年(2019年)5月19日から6月3日まで16日間、車で四国遍路へ行って来ました。
暁庵にとって3回目の四国遍路です。
1回目は15年ほど前のこと、独り歩き遍路で約3年かけて3回に区切って廻りました。
(「四国八十八ヶ所遍路大使任命書」を頂き、それに平成19年3月29日とありました)
2回目は「歩きの独り遍路に再挑戦したい・・・」と張り切って出かけたのですが、第23番薬王寺で足を痛め、すごすご引き返しました。
それから10年が経ち、3回目の四国遍路へ出掛けました。今回は独りではなくツレと一緒(ツレも7年前に独りで歩き遍路に行っています)、歩きではなく車で・・・かなり変化しました。
年齢に伴う腰痛や膝痛の持病もあり、これも仕方が無いことと受け止め、今度はどんな遍路になるのかしら?・・・と新しい体験に胸を膨らませて出かけたのでした。
車で四国遍路を考えている方の参考になればと思い、16日間の行程を記しながら、今でも心の中にくすぶっていること、胸からあふれ出てくる思いを書いておきたい・・・と書き始めました。
先は長くなりそうですが、よろしかったらお付き合いください。
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第1番霊山寺(りょうぜんじ)の山門
5月19日(日、初日)
6時に横浜を車で出発。
東名、新東名、名神、神戸阪神、淡路島、徳島道の高速道路を走り、15時頃に第1番札所・霊山寺(りょうぜんじ)に無事到着しました。
途中の休憩(4回かな?)を含め約9時間掛かりましたが、運転を2時間くらい交代しただけでツレが大奮闘してくれました。(たぶん、私の運転に不安があったのでは・・・)
霊山寺の売店で足りない遍路用品を買いそろえました。
白衣、輪袈裟、金剛杖、菅傘、頭陀袋は前回使用の物を使い、蝋燭、線香、ライターは持参、経本の「仏前勤行次第」、納札、忘れた数珠を新しく購入しました。
今回は納経帖はやめて、前回(2回目)薬王寺まで印判を頂いた笈つる(経帷子)を完成させたいと持参しました。
二人で話し合ってお詣りの仕方を一応決めました。
前回は札所で献茶をしましたが、今回は献茶はなしです。それでも何処かで誰かにお茶を差し上げられたら・・・と茶箱を持って行きました。
①山門(入口)で礼拝 ②手水場で心身を浄める ③鐘を衝く(あったら、衝けたら) ④本堂(蝋燭、線香、納札、賽銭、読経) ⑤大師堂(④と同じ) ⑥納経所に寄り、印判(第23番札所から)を押して頂く。
読経ですが、経本にはいろいろなお経(懺悔文、三帰など)が載っていましたが、かなり省略して次のようにしました。
先ず最初に「開経偈(かいきょうげ)」を唱えます。
「開経偈」は、「これから読経を始めます。仏教の教えに今ここで会うことができました」という意味だそうです。
次に「般若心経」を唱和します。この「般若心経」についてはあとでまた書きたいと思っています。
三番目にご本尊真言を三返唱和します・・・各札所のご本尊の真言を唱えて、「私を悟りの世界にお導き下さい」とお願いします。真言はサンスクリット語なので全く意味不明ですが、神秘的な仏の世界へ導いてくれる摩訶不思議な呪文のような詩のような・・・ご本尊によって違うのも訳がわからないなりに魅せられました。
四番目は光明真言を三返唱和。これを唱えることで全ての罪状が消滅するそうで、有難いことです。
おん あぼきゃ べいろしゃのう
まかぼだら まに はんどま
じんばら はらばりたや うん
五番目は御宝号「南無大師遍照金剛」を三返唱和する。
最後に回向文(えこうもん)を一返唱和する。仏道成就を願う言葉で、仏の心に目覚めることを祈願する経文です。
そうそう、お賽銭の用意をお忘れなく。
1つの札所で本堂と大師堂に納札とお賽銭を奉納するので、小銭が沢山いるのです。
二人なので5円玉を一札所4個とし、88ヶ所+別格20ヶ所で計108ヶ所、全部で450個くらいを持って行きました。
札所にはお賽銭を入れたくなる神仏が沢山おわしますので、最後には足らなくなり10円玉をかき集めました。
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第2番極楽寺の山門
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極楽寺にある「弘法大師お手植えの長命杉」(樹齢1200年余)
5月19日の徳島地方の天気予報では夕方から明日にかけて雨の予報が出ていました。
出来るだけ19日の内にお詣りしておきたいと、2番極楽寺、3番金泉寺まで済ませ、今宵の宿をお願いしている第7番札所十楽寺へ向かいました。
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第3番金泉寺(こんせんじ)の黄金の井戸
(水不足に苦しむ村人のため弘法大師が掘ったと言う伝説がある)
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井戸の水面に自分の姿が映ると長生きできるとか・・・
十楽寺で般若心経を唱えているとポツリと雨が落ちてきて、ぎりぎりセーフで初日が終わりました。
十楽寺の中国風山門の横に石づくりのテーブルと腰掛が置かれた休憩所があり、見る見る雨に濡れていきました。
それを見た途端、胸キュンになりました。
10年前の4月、ここで石井町の渡辺さんにお会いし、茶箱の雪点前で薄茶一服差し上げたことが昨日のことのように蘇ってきたのでした。
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第7番十楽寺の山門(鐘楼門?)
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胸キュンの休憩所・・・石のテーブルと腰掛が雨に濡れて(翌朝撮影)
十楽寺本堂と大師堂でお詣りを済ませてからチェックインすると、予想に反してモダンな宿坊(エレベーター付き、バス・トイレ付のツインの洋室、椅子席の食堂)でちょっとびっくり!
エレベーターは有難く、洋室の方が膝には良いかもしれないと、お大師様の思し召しに感謝でした。
第一日目行程
横浜自宅(6時出発)~第1番霊山寺(15時着)~第2番極楽寺~第3番金泉寺~第7番十楽寺(17時前着、十楽寺宿坊泊)
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