ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

昨日夜のニュース番組では、日本企業の経営者の方々が景気動向を語りました

2013年01月08日 | 日記
 昨日1月7日のテレビ番組では、夜のニュース番組のトップニュースはそろって、日本を代表する大手企業の経営者の方々が、今年の景気動向などを表現した“色紙”を紹介するニュースでした。午後6時台から11時台まで、NHKと民放はそろって似たような企画内容でした。

 この“企画ニュース”の素は、1月7日午後に東京都内の大手ホテルで、経済3団体(日本商工会議所、日本経団連、経済同友会)が開催した賀詞交換会です。賀詞交換会の会場の端で、日本を代表する経営陣の方々は、NHKと民放の見慣れたニュースキャスターから、それぞれインタビューを受け、自分が書いた色紙を片手に、今年の動向動向などを語りました。

 この企画ニュースの舞台裏を、昨日の日本経済新聞の夕刊に掲載されたコラム「あすの話題」は明らかにしていました。筆者は、日産自動車の最高執行責任者の志賀俊之さんです。



 「いつ頃から始まったのか知らないが、テレビ局のニュースキャスターが会場入り口に陣取り、出入りする財界人にさまざまな質問を投げ掛け、その答えをボードに書いて貰う」慣習ができたと説明しています。

 志賀さんは、2011年の同賀詞交換会の会場で、あるテレビ局の依頼で、色紙にその年の景気動向を表現したそうです。ところが、「波乱の年」と書こうとして、字を間違えて「破乱の年」と書いてしまったそうです。同社の広報に指摘され、漢字の間違えに気づき、書き直したそうです。結局、この時のインタビュー部分は放映されなかったそうです。

 最近は、ニュースキャスターにいきなり聞かれて、それを短い言葉で端的に表現するのは難しいので、事前に考え、広報関係者にもチェックしてもらって、会場に向かう経営陣が多いようです。気の利いた言葉を語ったインタビュー映像は、当該企業のイメージアップになるからでしょう。最近は事前に色紙を渡して、字を事前に書いてもらうこともありそうです(漢字間違えを防止できます)。

 午後9時から始まる、NHKの「ニュースウオッチ9」では、この色紙を数10枚、ボードの上に貼り、傾向を説明していました。一番多かったのは「挑戦」という言葉だったと伝えます。

 この賀詞交換会には、自民党の安倍晋三首相などの政界トップが招待されています。このためか、「政官民一体で景気回復に」と語る経営陣も何人かいました。逆に、自分が経営する企業が、独創的な製品・サービスを出して、事業を伸ばすという企業は、IT(情報技術)系の企業だけだったようです。

 今年の景気動向ややりたいことを、色紙に書かせるという、テレビ的に“絵になる”やり方は、何となく定番の表現法という手慣れたものになっています。マンネリ気味の手法にそろって頼るテレビ番組は、手慣れた事業に固執する日本企業の考え方に通じるものがあると感じました。