ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙の文化・文芸欄の「『シンゴジラ』快進撃のワケ」を拝読しました

2016年09月15日 | 日記
 2016年9月13日に発行された朝日新聞紙の朝刊の中面の文化・文芸欄に掲載された「『シンゴジラ』快進撃のワケ」を拝読しました。

 東宝が製作した映画「シンゴジラ」の進撃が止まらないと、この記事のリードは説明します。東宝によると、封切り45日での興行収益は65.5億円、延べ450万人の観客を集め、「平成ゴジラシリーズ」以降の記録を更新したと伝えます。

 監督を務めた「エヴァンゲリオン」シリーズで知られている庵野秀明総監督がつくったコンセプトに秘密がありそうだと指摘しています。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALでは見出し「『シンゴジラ』快進撃のワケ 幅広い観客を魅了」と報じています。



 この記事の中見出しは「『3.11後のリアル』 多視点でシンプルな物語」と伝えています。

 この映画映画「シンゴジラ」はWebサイトなどでの盛り上がりが異様で、見なくてはならないとの声が多いそうです。映画は「最前線で働く人々がゴジラという危機に立ち向かう展開に、3.11後のリアルがある」と感じたなどの観客の声を紹介しています。

 東宝によると、公開当初はゴジラファンの男性が観客の中心だったが、次第にカップルや女性同士、親子連れなどと層が広がっていったそうです。

 こうした中で、文芸誌「新潮」10月号に、文藝評論家の加藤典洋さんが「シンゴリラ論」を発表するなど、政界や経済界、学界などからの論客の発言が相次ぎ、「シンゴジラ論壇」の様相を呈するほど、さまざまな発言が続いていると伝えます。

 製作した東宝の山内章弘エグゼクティブプロデュサーは「難解な部分もあるので客層が狭まるとの心配もあったが、むしろ観客層は広がっている」と語ります。その理由は「一人の主人公の目線ではなく、多様な人物の視点から描いたこと」と説明します。だからといって、「複雑な内容で1回見ただけでは分からないという映画にはなっていない」と説明します。

 映画のストリーリーは、巨大生物「シンゴリラ」が街を壊し、人間がそれを阻止するというシンプルな内容になっているが、「企業の組織論として見るなど予想もしない多様な視点で楽しまれてる」と語ります。

 この映画「シンゴジラ」ほど、多視点主義とサイドストーリー排除の両方を徹底した映画はあまりないと分析しています。

 東京大学の佐倉総(おさむ)教授は、「多くの方が『リアリティー』をキーワードに論評しているのが興味深い」と語ります。

  Webサイトを調べてみたら、文芸誌「新潮」10月号に「シンゴジラ論」を発表した文芸評論家・加藤典洋さんの具体的な意見が載っていました。

 日経ビジネスonlineの2016年9月14日編の「『シン・ゴジラ』私はこう読む」です。その見出しは「シン・ゴジラに漂う『別世界感』の正体」です。

 その中で面白いのは、「その虚構であるはずの日本社会、たとえば東京の街並みや自衛隊の出動の様子、官僚機構の動き方などはかなり精緻に取材し、リアルに描かれています。それが余計に、私たちに一種の浮遊感を抱かせるのです」という指摘です。

 そして「実にアニメ的な手法で私たちを引き込んでいると感じました」と解説しています。この点では、「エヴァンゲリオン」シリーズを踏襲しているようです。