ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本経済新聞紙の見出し「再生エネ、欧州からの革命力 危機脱出は民の力で」を拝読しました

2017年12月22日 | 日記
 2017年12月21日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面に掲載された見出し「再生エネ、欧州からの革命力 危機脱出は民の力で」を拝読しました。

 この記事は、コラム「ニッポンの革新力 世界から考える」の第三弾です。

 この記事は「欧州のデンマーク最大の電力会社が化石燃料との決別を宣言した」という文章で始まります。石油や天然ガスの頭文字を用いた旧社名「DONGエナジー」を捨てて、デンマークの物理学者にちなんだ「アースティド」に変わりました。そして、再生可能エネルギーを中核とした企業として再出発しました。

 1970年代に起こった石油危機によって、デンマークはエネルギー危機による国家存亡の危機に陥ります。原子力発電は国民の反発によって断念します。この結果、エネルギー源として将来を委ねたのは風力発電でした。当時は発電コスト高で、欧州の他国でも二の足を踏むエネルギー源でした。さらに、バイオマスや太陽光発電も増やして、再生可能エネルギーによる発電が全体の約6割に達しています。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版でも、見出し「再生エネ、欧州からの革命力 危機脱出は民の力で」と伝えています。



 欧州では、風力発電と太陽光発電の建設から運転終了までの全体の生涯工程を通して、火力発電に対して、利用料が下回り、「再生エネルギーによる発電は割高という常識を覆した」と伝えます。

 この風力発電の実用化では、デンマーク政府はアメとムチを使い分けたと、その秘密を解説します。当然、当初はコスト高になるために、風力発電の導入に消極的な電力会社に導入を義務づけながら、風車システムを最新式に取り替える補助金を出す一方、電力会社が競争力を鍛える努力をしないと採算が採れない水準を設定しました。この辺は、具体的なやり方を数値を入れた解説がないと、本当には参考にはなりません。日本ではできていないことだからです。

 日本では、再生エネルギーによる発電の比率は、20パーセント以下です。「最大の原因はコスト低減の失敗だ」と指摘します。日本での再生可能エネルギーの買取り価格は、欧州に比べて約2倍高いそうです。経済産業省が日本での再生可能エネルギーの買取り制度を導入した当初は「普及を後押しするため」としたが、読みは甘かったと指摘します。

 結局、電力会社や風力発電メーカーのコスト意識が直らず、逆に普及を遅らせる結果を招いたと、分析します。

 日本では、石油危機以降は、省エネルギー技術を磨き、省エネルギーでは世界の先を行くのに対して、再生エネルギー利用では後進国になったと指摘します。

 記事は「失われた20年を経て、すっかりリスクを採らないことを忘れた日本企業」と指摘します。政府が日本企業を動かすいろいろな制度運用を用意するのではなく、日本企業が努力することをしないと、革新力は産まれないと指摘します。

 実は、コラム「ニッポンの革新力 世界から考える」の第一弾(2017年12月19日編)では、最後のまとめではかなり厳しいことを指摘しています。勇気ある直言です。



 この記事の最後では「20年余り、日本は失われた時間を過ごした。新産業の創出は常に課題が上がるが、取り組みは中途半端だ」と指摘します。

 その典型例は、経済産業省が設けた官民ファンドの産業革新機構だと指摘します。2009年に発足した産業革新機構は「次世代の国富を担う産業の育成・創出で、その投資先は客観性や中立性を担保する委員会で決める」と唱っています。

 しかし、外資を巻き込んだシャープの買収合戦や東芝の半導体事業の買収では「日本の技術を守りたい」という政府が裏口から介入したと指摘します。

 「国は口を出さない」という鉄則を貫くイスラエルの新産業創出(第一弾はイスラエルのベンチャー企業創出の話です)は成功し始めたのと対照的に、日本では産業の新陳代謝に十分な資金が回っていないと、厳しく指摘します。

 日本は戦後の“護送船団”方式の成功体験から、抜け出していません。これが、日本は失われた20年の正体のようです。

埼玉県坂戸市の浅羽ビオトープでは、カワセミにまた出会いました

2017年12月22日 | 季節の移ろい
 埼玉県坂戸市郊外の西部を流れている高麗川の河川敷につくられた浅羽ビオトープは、野鳥観察のポイントです。晩秋から早春までは、多彩な野鳥が観察できる自然観察地です。

 晩秋に日本にやって来るシメやジョウビタキなどをお目当てに、浅羽ビオトープを約5週間ぶりに訪れました。

 浅羽ビオトープは、荒川の支流の高麗川(こまがわ)の河川敷に設けられた人工のせせらぎ(疏水)沿いの自然観察公園です。



 人工のせせらぎ(疏水)沿いは枯れたヨシなどの枯れ野です。

 冬鳥のシメがいそうな木々を目指して、人工のせせらぎ沿いを進むと、カワセミがやって来て、対岸の低木の枝に留まりました。







 太陽光の位置関係から、カワセミの羽根の色は、ややくすんで見えます。



 人工のせせらぎ沿いにある、枯れたヨシなどの枯れ野の中には、ダイサギが潜んでいます。





 このダイサギはここで休んでいるのか、せせらぎを泳いでいる小魚を狙っているのか、よく分からない状況です。

 人工のせせらぎ沿いの木々には、冬鳥のツグミの群れが来ています。





 浅羽ビオトープの土手に上がると、埼玉県の低山の奧に富士山がシルエット状に何とか見えています。



 関東地方が晩秋によく晴れた日が続いていることを示す証拠のような風景です。今日は冬至の日です。