ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

三菱重工業は大型風力発電機向けの油圧式変速機を開発したそうです

2013年01月25日 | イノベーション
 三菱重工業は風力発電機向けに新型「油圧ドライブトレイン」を採用した“変速機”を開発し、その試験運転を横浜製作所内で開始したと発表しました。経済産業省傘下の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けての開発です。

 今回開発した、1.5MW級風力発電機向け“変速機”は、海に風力発電機を並べる“洋上風力発電設備”の実用化を狙ったものです。

 現在、英国で実用化が進められている、7MW級の洋上風力発電設備の実用化を目指したものの想像図です。



 大型の風力発電機では、風の力で回転する羽根の回転力を、発電機に伝える変速機(動力伝達機構)の大型化が課題になっています。従来は歯車を何段も組み合わせた機械式の変速機が使われています。機械式は大型化が難しいそうです。

 今回、三菱重工が作製した油圧ドライブトレイン開発品は、10rmp(1分間当たりの回転数)を油圧ポンプ・油圧モータなどを介して、回転数を1000rmpに高速化して発電機に動力を伝えるものです。



 この画像から、油圧ドライブトレイン開発品はかなり大きいことが分かります。

 この開発品の油圧ドライブトレインによって、1.5MW級風力発電機の発電部の回転数を一定に保てるようになります。



 機械式から油圧式に変更すると「汎用性の高い油圧機器や材料、安価な同期発電機などを使うことが可能になり、コスト競争力向上に効果がある」そうです。

 三菱重工は油圧ドライブトレインを開発する目的で、英国のベンチャー企業アルテミス・インテリジェント・パワー(Artemis Intelligent Power)社を買収し、油圧デジタル制御技術を入手したそうです。新規事業起こしを加速するために、ベンチャー企業を買収するのは定番になっています。

 三菱重工は、今回の開発成果を基に、2013年に英国でまず陸上で7MW級の実証機の運転を開始し、2015年に洋上市場向けに市場投入する計画です。

 風力発電機の実用化は、羽根向けには炭素繊維複合材料の適用拡大や、発電した電力を溜める大型蓄電池にリチウムイオン2次電池などと、日本企業が得意とする技術・製品が適用できる見通しです。日本企業にとっては、新しい用途が産まれるいい話です。

「サービスシステム科学の展開」を拝聴し、日本の今後を考えました

2013年01月24日 | イノベーション
 東京工業大学社会人教育院が主催する講演会「ひと、テクノロジー、社会の今」が始まり、その第一回目「サービスシステム科学の展開」を拝聴しました。

 講師は、東工大社会理工学研究科価値システム専攻教授の木嶋恭一さんです。



 ご専門の「サービスシステム科学」の中身は一般の方にはあまり馴染みがないだろうと、約30分程度の前振りでは、あれこれと背景などをご説明されました。

 米国やドイツ、日本などの先進国では、第三次産業の“サービス産業”がGDP(国内総生産)の約70%に達し、その成長率も日本は40%と高い伸び率を示しています。成長著しい中国でも、第三次産業のGDPは35%程度ですが、その成長率は191%と高い数字が予想されていると、現状を簡潔に伝えます。

 米国の国際競争力の戦略を考え、分析した米国のIBMは、1990年代からサービスの科学的・工学的アプローチの研究を始めていました。2004年12月に、米競争力評議会(Council on Competitiveness)の議長を務めた米IBMのサミュエル・パルミサーノCEOは、通称「パルミサーノ・レポート」を報告しました。

 このレポートでは、米国はサービス大国であり、米国はサービス業で世界トップの産業競争力を維持すべきとまとめたそうです。

 乏しい記憶によれば、この前後に、IBMはパソコン事業やHDD(ハードディスク駆動装置)事業を売却し、製造業からソフトウエア事業重視に切り替えます。さらに、ソフトウエアでも、ユーザー向けのアプリケーションソフトウエアからミドルウエアと呼ばれる基幹システムとつなぐソフトウエア事業に切り替えます。しかし、IBMの事業収支の赤字化は進み、サービス産業重視に切り替えていきます。

 IBMは、こうしたサービス産業を支えるサービス科学という学術分野を研究する大学院を、米国などの主要大学院に設置を働きかけます。

 木嶋さんは、サービス科学やサービスシステム科学は、いろいろな学術分野の学際分野での研究が不可欠といいます。よくいわれるT型人材でないと、中身が理解できないと解説されます。「科学・技術とビジネスマネジメント、人文科学」の3者を理解し解析できることが重要と力説されます。

 この点では、日本の大学・大学院は専門性の高い人材を育成する教育態勢であり、米国のように学際領域に強いT字型人材の教育は実際には弱いままと感じています。

 木嶋さんは「価値と品質は同一ではない」と解説し、「日本企業・従業員は品質管理は得意でも、価値創造はまだ得意ではない」といいます。「品質が良くても、ユーザーがその製品やサービスの価値をどう感じるかは分からない」からです。その理由は、価値は提供者と受け手の両者が協働でつくり上げるからだといいます。経験を共有する点が価値の特徴といいます。

 以下は、かなり学問的な話ですので、簡単にさわりを述べます。木嶋さんは価値をつくる共創(協奏)プラットファームが重要といいます。その代表例として、ショッピングモールの仕組みや、楽天やアマゾンなどのインターネットの通信販売システムの事例を丁寧に説明されます。

 日本の製造業が製品・サービスの高付加価値化で苦心している現在、サービス科学の面を取り込んだビジネスモデルを考える“さわり”を少し考えることができました。

群馬県富岡市などにまたがる妙義山系の白雲山中腹まで行って来ました

2013年01月23日 | 旅行
 群馬県の下仁田町や富岡市、安中市にまたがってそびえる妙義山系の中腹まで、冬景色を見るために行ってみました。

 安中市の旧松井田町の北側にある、ろうばいの郷からは南西の方向に、妙義山系の東側に位置する白雲山の荒々しい山容が見えます。白雲山(標高1104メートル)は、正午近くの陽光に包まれて、逆光の姿になっています。



 “妙義山”と呼ばれる山系は、白雲山や相馬岳、金洞山、金鶏山などが連なった山々です。その東側に位置する白雲山の東面中腹には、白雲山を御神体とする妙義神社がまつられています。

 安中市の旧松井田町から富岡市などにまたがる妙義山系まで近いので行ってみました。1月15日に関東地方などに降った雪は、妙義山系にもかなり降ったようで、白雲山の東面中腹の妙義神社を過ぎると、中腹を通る道路の残雪が増えます。妙義神社の西側にある妙義ふるさと美術館まで行ってみました。

 妙義ふるさと美術館の駐車場から、“表妙義”と呼ばれる白雲山の東面の斜面が間近に望むことができます。





 白雲山の垂直な岩肌とその下部の落葉樹の林の落葉した冬景色が圧巻です。

 白雲山の西側に見える表妙義山系の山(突き出た峰)です。



 春の桜の開花時期から秋の紅葉の時期まで、表妙義山系の中腹をつなぐ道路は観光客の車で混雑します。冬真っ盛りのころは、車がほとんど通っていません。スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤでないと、斜面などの道路を走れないからです。

 静けさが漂う真冬の妙義山系白雲山は、穏やかに春の訪れを待っていました。

群馬県安中市のろうばいの郷で、咲き始めたロウバイの花を楽しみました

2013年01月22日 | 旅行
 群馬県安中市の郊外の里山地区にある農事組合法人のろうばいの郷では、ロウバイの木が花を咲かせています。観光案内によると、ロウバイの花は四分咲きとのことですが、見た目は二分咲です。今年は冬の寒さで、開花が遅れている感じです。

 ロウバイの木の花は、ろうばいの郷の入り口付近が一番よく咲いています。





 ここではロウバイの甘い薫りが辺りに漂っています。

 入り口部分が高台で、奥の方に向かって緩やかに下った斜面にロウバイの木が一面に植えられています。ろうばいの郷には、ロウバイの基本種やソシンロウバイ、マンゲツ(満月)ロウバイなどが、約1200本植えられています。背丈が4メートルぐらいの低木です。植えられている大部分がマンゲツロウバイだそづです。ロウバイの基本種は一番内側の花弁が赤褐色だそうですが、見つけられませんでした。



 緩やかな斜面を奥の方に下りていくと、先週1月15日に降った雪が、ロウバイの木々の間の地面を覆っています。ロウバイの木も花はほとんど蕾です。



 例年だと、一回りして入り口に戻る登り付近でもロウバイの木が花をよく咲かせているはずなのですが、今年はあまり咲いていません。

 安中市近郊の里山は、初冬の穏やかな日差しを浴びた農村の風景です。

埼玉県川島町の越辺川河畔にはコハクチョウが多数、飛来しています

2013年01月21日 | 季節の移ろい
 埼玉県川島町の八幡という越辺川(おっぺかわ)の河畔には、今年もコハクチョウが多数、飛来ています。この越辺川は下流で、入間川に合流し、さらに荒川に合流する河川です。

 1月20日午後は穏やかな快晴の天気だったために、コハクチョウたちは比較的暖かい中で、のんびりしている様子でした。

 越辺川沿いの川島町八幡という河畔には、水門があります。このために、川の流れが穏やかな感じです。これが、コハクチョウなどが越冬する場所になっている理由のようです。



 コハクチョウは現在、175羽が住み着いているそうです。オナガガモやコガモなどのカモ類も多数います。







 現在はコハクチョウに対しては組織的な餌付けをしていないそうです。20日は日曜日であるために、白鳥観察者が多く来ています。その中の一人が食パンを与えていました。

 午後3時近くなると、太陽が西側に沈み始め、越辺川の川面を照らし始めました。



 河川敷きの深いアシ原の中にも、いろいろな野鳥が何種類かいる様子でした。水鳥などの楽園という雰囲気が感じられる河畔です。