知性派のアメリカ市民が見る現在の状況は:
ワシントン州でリタイア後の生活を楽しんでいる往年の仲間の技術者から「そちらではカマラ・ハリス副大統領が民主党の候補に正式に選ばれたことをどのように受け止めているか。アメリカ国内世論調査では、ハリス副大統領は驚くべき人気を得たとなっているが」と照会してきた。
私からは「こちらでのマスコミ論調では、アメリカ史上初のアフリカ系でありアジア系でもある女性大統領の出現に対する期待度が高まっているし、トランプ氏が劣勢になりつつあるとの見方が広まりつつある。だが、左寄りの傾向があるメデイアでは、ハリス氏は勢いが良いが何ら具体的な政見も政策も発表しない点に疑問を呈している」と伝えておいた。
彼からは、直ちにこれに反応するメールが来て「民主党はハリス氏には現時点では政策を明らかにしない策を採らせている。その狙いはトランプ氏側がそれに反応して否定的なことを言い出して口撃し始める事を防止する為である。私はハリス氏がどのような手を打っていくかを、暫時見守りながら待っている姿勢で行くことにした」と知らせてきた。
彼の見方も民主党に好意的であるが、これは中々微妙なことなのだ。アメリカ西海岸のワシントン州は伝統的にも民主党が優勢なのだが、ウエアーハウザーは昨年亡くなった元CEOの故ジョージ・ウエアーハウザーがパパ・ブッシュ大統領とYale大学の同級生で親密な間柄だったこともあって共和党支持なのだ。さらに、このメールの送信者も、元の上司たちも、全て共和党支持者でありながら、トランプ氏否定または毛嫌い派なのである。
私はこの益々激化していくだろう民主党と共和との争いがどのような形で決着するかを、彼と同様に「待ちの姿勢」で見ていこうと思っている。これまでに何度も取り上げてきたことと言えば「我が国にとっては民主党政権の出現は何時もbad newsだった事」なのだ。例えそうであっても、私は以前から言い続けてきたことで「絶対にトランプ氏のファンではない」のである。