新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月24日 その2 引き続きトランプ論を

2025-02-24 16:36:30 | コラム
驚愕的でショックを受けました:

今日の午前中にジムのサロンで読んだNY TIMESの一面には、エッと思わせられた記事がありました。帰りのバスの時間があり、途中までしか読む時間がありませんでしたが、見出しが記憶では“Can you abide New Emperor?”でした。「新皇帝を我慢できるか」とでも言えば良いのでしょうか。
 
サッと途中まで読んだだけの記事を要約すれば「トランプは新たに王国を建設し、皇帝に就任する気だ。自らをナポレオンに準えて『王国を築いた皇帝は法に違反したことがない』とまで言ったとか。しかも、部下たちは既に“第3期目プロジェクト”を発足させた。」という辺りになります。ここまで読んで風呂に行く時間になってしまいました。

また、今週の週刊文春の49頁の福岡伸一ロックフェラー大学教授の連載のコラムに「知人たちは皆このところ抑うつ気味。トランプ大統領がめちゃくちゃなことをやり始めたから。(中略)独裁型の人物が権力を掌握すると、それを未来永劫、維持しようと考えるのが世の常である。トランプも三期目を狙うのではないかと知人は憂慮していた」と述べてありました。

教授はさらに「合衆国憲法は三選を禁じているが、トランプは憲法改正でも何でもやりかねない。すると知人は『憲法を改正しなくても三選できる裏技がある』と。方法は要約すれば『次期選挙にヴァンス副大統領を立てて、自分は副大統領候補に指名させる。ヴァンスが当選するように仕組み、就任させるが、すぐに自発的に辞任させて自分が大統領になる』のだそうです。

福岡教授が知人の言を引用したとはいえ、ここまで明快に書かれたのには恐れ入っています。他の説には「上下両院を操縦して憲法を改正させて3選を可能にすると目論んでいる」というのを,何処かで読んだ記憶があります。

先ほど紹介した私の知人のトランプ大統領に対する見方も厳しいものがあると思いましたが、週刊文春がここまでやるとは衝撃的でした。


矢張り、トランプ大統領論に戻ってしまった

2025-02-24 09:49:08 | コラム
トランプ大統領論:

今回は、アメリカで代表的な知識階級に属する知り合いからのトランプ大統領論を紹介する。以前から述べてあったことだが、私のアメリカの知り合いにはトランプ大統領支持派はいない、ウエアーハウザーが共和党支持であっても。

トランプ大統領の考察:

トランプ大統領がアメリカの将来を安定させる能力、あるいは如何なる力があるのかを考えてみようと思う。

軍事的視点から:
私は「トランプ大統領がアメリカの国境を安定化させ、アメリカの海外での利益を守ってくれること」については何らの疑いも抱いていない。同時に、他国はトランプ大統領の振る舞いに対しては不安を感じていると確信している。それは、大統領がアメリカの安全保障に専念し、他国の安全保障にはさほど関心がないようなのだから。私はウクライナと台湾については重大な関心を持って見ている。

経済的視点から:
トランプ大統領の経済面での取り組み方には疑問を感じている。と言うのは、彼の関税、それも関税とは何かを正確に理解せず、に執着することが、アメリカ国内の物価高騰を招き、輸出入の取引がある諸国との関係に負の影響を及ぼすし、中国にとって有利に働くから。

私がトランプ大統領について心配していることは「トランプ大統領はしばしば自分自身で、それこそが政治を推し進めていくためには正しいことであると信じて発言することが出鱈目のようであり、矛盾していることがあるので、証券市場を混乱させてしまう傾向がある」点なのである。

このような不確実さに起因する不安定な状況下では、企業の経営や運営が容易ではなくなってしまうのだ。結論めいたことを言えば「トランプ大統領はアメリカの経済には複雑な要素があるために、その点を認識して経営していくことは非常に困難であると理解できていない」と危惧する。

例えば、大統領は「物価を直ちに引き下げて見せる」と宣言したが、彼はその前に物価とは上昇し続けるものであると認めておくべきだったのだ。大統領はその政策が見込み通りに進行しないのは、部下たちが至らないのだと苛立っては馘首するので、トランプ政権を弱体化させる結果になっている。

民主主義の視点から:
この点が、トランプ大統領がアメリカの将来の安全と安定を確保するためには、最大の難関となる問題だ。トランプ大統領は恰も企業のCEOのような全権を与えられたかのような姿勢で取り組んでは、立法と司法との間の均衡を図ることに殆ど配慮していない。

トランプ大統領は共和党に対しては、彼の指示に従わなければ公衆の面前で罵倒する。民主党は最早国会でトランプ大統領を窘めようとする意欲を失ったかのごとくだ。有難いことに、裁判官の中には、出生地主義の市民権の件のように、トランプ大統領を押しとどめようとする者も現れている。だが、こうした動きも、いずれは最高裁にまで上がって行けば、大統領令に押し切られてしまう危険性がある。

このような事態が生じれば、アメリカでは民主主義は独裁的な政権に押し切られてしまいかねない。トランプ大統領が新規に採用した官僚たちに、何らの確たる証拠がないにも拘わらず「バイデンが前回の選挙を違法な手段で盗んだと立証せよ」と命じたことは、彼が彼に忠誠を尽くせと要求したことの典型的な例である。理想的には「国民は国家に忠誠を誓うべき」所なのに、大統領は「彼個人に」としたのだ。

私はここまで述べてきたように、トランプ氏の大統領としての統治能力に不安を感じているのだ。