新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2月9日 その2 改訂版「和製英語(造語)とカタカナ語 #6

2025-02-09 15:43:18 | コラム
ローマ字式発音または恣意的な読み方:

本稿は2014年2月8日に発表したものが有難いことに今でも読んで頂いているのだが、編集が粗雑で読み難い点が多々あったと思うので、お詫びしてここに加筆訂正したもの。宜しくお願い申し上げます。

 私はこれは日本訛りの発音の変形であるとも考えている。この例は私が嫌う割にはそれほど多くはないと思う。簡単に言えばKing’s accentでは”o”を「オ」といわばローマ字のように素直に発音するが、アメリカ式となると殆ど「ア」と発音されることを指している。例えば「ホリデー」とされている単語の綴りが実はholidayで、発音記号を見ても実際にネイティヴ・スピーカーの発音を良く聞いても「ハラディー」となっていることを指している。

 さらに“a”を素直に「ア」と読まずに「エイ」という発音になる例が多いのも要注意である。なお、King’s系の発音では「アイ」となることがあるが、これはロンドンやオーストラリアやニュージーランドにおける訛りであるから除外して良いだろうと思う。

 私が指摘したい最悪の例は、アメリカのMajor League Baseball(=MLB)を「メジャーリーグ」または「メジャー」と言い、カタカナ表記していることなのである。「メジャー」に当てはまる英語の言葉はmeasure(=計る)しかあり得ない。だが、この「メジャー」は完全に全国区で戸籍を得てしまった。この恥ずかしい読み方を最初に導入したのは何処のどいつだったのか。

 ここで発見した面白い現象にminorをチャンと「マイナー」と表記していることだ。何故、Minor Leagueは「ミノルリーグ」にならなかったのだろう。

中には発音が難しく尚かつカタカナ表記も困難で似て非なる表記になっているものがあり、私はこれが最も気に入らない。それは「セキュリティー」となっているsecurityや「ユビキタス」になってしまったubiquitous等である。何れも辞書を見て貰いたくなるようなおかしな表記であると信じている。

 
*コラーゲン ⇒collagen、
解説)奇怪である。正しい発音は「コラージェン」なのだから。このように“g”の表記がおかしくなっている例に「ロサンゼルス」がある。Los Angelesは「ロスアンジェレス」なのだが。

*ペプチド ⇒ peptide、
解説)これは「ペプタイド」のように発音するのだが、だれか先達がペプチドとしてしまった。

*ルーキー → rookie, rookey, rooky、
解説)奇怪である。どこの世界にbookをブークと言う人がいるか?lookと書いて「ルーク」と読むか?発音記号を見て貰いたい。そう言っても、最早定着しているから手遅れか?「ルキー」か「ルッキー」に近いのが本当だろう。

*パトリオット → patriot、
解説)典型的ローマ字読み。日本語に帰化済み。本当は「ペイトゥリアット」に近い。

*ナトー → NATO
解説)ローマ字読みである。帰化済みである。英語では「ネイトー」と発音される。パックンとやらはこれも槍玉に挙げていた。

*ボディーチェック → body search、
解説)すでに例に挙げたが、ローマ字読みとして再登場させた。ボデイーではなくて、バデイーが英語の発音。*シンポジューム → sy

*シンポジウム ⇒ symposium、
解説)このumないしはiumで終わるスペルのグループには、他にもアルミニューム=aluminum→アルーミナム、アクアリウム=aquarium→アクエアリアム、スタジアム=stadium=ステイディアム、ウラニウム=uranium→ユーレイニアム等がある。

*ゲーリー → Gary、
解説)これはゲアリーであると思う。偶にはギャリーとしている例もある。面白いことはMaryには「メアリー」があって「メリー」もあること。何を隠そう、この私もゲーリーだと思い込んでいた時期があり、訪ねたゲーリーはいないと言われてしまった経験があった。他に面白かった現象に”Queen Merry”と名付けられた観光バスに乗ったことか。

*リコール → recall、
解説)欠陥商品の回収ならばリーコルかリーコールに近くなり「リー」にアクセントが来る。リコールだと思い出すことになる

*リサイクル → recycle、
解説)リーサイクルだが、最早リサイクルが日本語に帰化を果たしている。ここで面白いと思うことは「レサイクル」と読まなかった点である。こういう柔軟性がたまらない。

*ビニール → vinyl、
解説)これは造語に近い。しかも間違いが重複している珍しくもない例。これはヴァイニルと読むのだがPVC=polyvinyl chloride=塩化ビニルのこと。我が国では広くビニールをプラスティックス(Plastics)の代名詞の如く使っている。プラスティックスには他にもpolyvinylidene chloride=ポリ塩化ビニリデンもあるし、polyethylene=ポリエチレンも、polyamide≠ナイロンも、polyurethane=ウレタン等多数あるにも拘わらず。なお、ビニルだけではビニル基のことになると思う。これは、どうやらドイツ語の発音らしいのだが。

*レギンス → leggings、
解説)これはここまで挙げてきた例から外れるが、こういうものもあると思取り上げた。私は長い間レギンスの元の言葉が分からなかった。必ずしもローマ字読みではないのだが、いつの間にかこのように変化して定着したようである。ここには複数のsが残されている。

*ハーレイダビッドソン → Harley-Davidson、
解説)勿論?かのオートバイのハーレイ・デイヴィッドソンなのだが、これも日本語化済みである。David=ダヴィデはイスラエルの王である。このことは割合に広く知られていたと思うが、それなのに“ダビッド”としたのは何故だろう。

*ヘボン式 → Hepburn、
解説)ローマ字の本家本元James Curtis Hepburnを忘れていた。宣教師で医師であったヘプバーンさんがヘボン式ローマ字の生みの親だと思う。だから敬意を表して敢えてここに入れた次第。当時、これが「ヘボン」と聞こえたのであろう。私はこれが聞き違いとは思わないが。だが、後から出てきた二人の有名女優、キャサリンとオードリーはヘプバーンと表記されている。

*レトリバー → retriever、
解説)ご存知、訓練された猟犬である。リトリーヴァーに近いのが本当の発音だろう。因みに、retrieveは取り戻すことだ。

*アワード → award、
解説)アウオードに近いのが本当の発音だ。近頃この妙な読み方が大流行。だが、これは難しい問題でforwardにbackwardやtowardとwardがつく言葉が多い。ワードはwordの方だろう。「戦争」のwarを「ワー」と発音するか。

*レシピ ⇒ recipe、
解説)正しくは「レサピ」に近く、レにアクセントが来る。出もここまで網を広げると揚げ足取りと言われるかと危惧する。

*マクドナルド → McDonald’s、
解説)どう読んでも「マクドナルズ」なのだが、このファストフードが進出以来所有格無視で通ってきた。敢えてカタカナ表記すると「マクダナルズ」でアクセントは「ダ」に置くのだ。同様に、アメリカ合衆国大統領は「ダヌルド・トランプ」に聞こえるように発音する。

*パーテーション ⇒ partition、
解説)これが最近目立ってきた。いや、耳だって?いるのかも知れない。これは一寸酷すぎるカタカナ語化だ。勿論「仕切り」のことだが、どう読めば「パーテーション」になるのだろうか。似たような言葉にconditionがあるが、誰も「コンデーション」と言わないのは何故だろう。

*クローズアップ → close-up、
解説)同じcloseでもここでは「閉じる」ではないのだから「クロウス」という発音になるのだ。NHKに「クローズアップ現代」という番組がある。あれは現代を接写しているのだと思うが、あれでは閉鎖してしまっている。

*コンテナー → container、
解説)コンテイナーである。containが元だが、これを「コンテン」と読むか?

*カジュアル ⇒ casual、
解説)catと書いて「カット」と言うか。「キャジュアル」だ。英語の面白さはcanと言えばキャンで「出来る」だが「缶」もcanだが、これは前にaを付けるものだろう。

*セキュリティー → security、
 解説)これは最も憎むべきで、メジャー(majorの誤読)と共に排除したいカタカナ語であり、造語に部類に入れたいくらいだ。英語を母国語とする人の誰が発音しても、如何なる辞書を見ても発音記号には「セキュアラティー」が最も近いのである。何処の誰がこんな劣悪なカタカナ表記を編み出してテレビで言わせ、報道の文書に使うと決めたのか。

しかも、困ったことに屡々safetyと混同されている。Oxfordにはsecurityは“the activities involved in protecting a country, building or person against attack, danger, etc.”とある。safetyは“state of being safe and protected from danger or harm”とある。では、セキュリティーはどっちだ。

 
筆者注:
重ねて申し上げ得ますが、上記は2014年2月8日に発表したもので、反省する所があって加筆訂正して改めてお送りする次第です。

「石破首相とトランプ大統領との初会談」に思う事

2025-02-09 07:01:18 | コラム
人の性格には多面的なものがあるのでは:

石破首相とトランプ大統領との初会談は、両首脳ともソツなく進められたのは両国の為にも非常に良かったと思う。そりが合わないのでは」と懸念されていた(誰が?)石破首相とトランプ大統領との波長も合っていたようだし、取り上げるべき波乱もなかったのもとても良かったのではないか。

私には記者会見でのトランプ大領領の抑制的とも見えた姿勢からは、支持者たちに語り掛けられるときの乱暴な言葉遣いは影を潜め、穏やかな「善い人」ドナルド・トランプ氏だったのが非常に印象的だった。その様子を見て、聞いて、あらためて人の性質と見えるものには多面的なのだろうと認識した次第。

何を言おうとしているのかという点だが、故石原慎太郎君(湘南中学の同期生で、同じ蹴球部の一員だった)を思い出していただきたい。彼は国会議員から都知事に就任したころには奔放な(乱暴な?)言葉遣いをする強気一点張りの人のようになっていた。要するに「人はその一面だけを見て、その人柄を決めつけるのは適切ではないのでは」なのである。

だが、我々蹴球部の者たちには「穏やかで気が弱く神経質で丁寧な言葉遣いの石原はどこに行ったのだろうか」と不思議なことにしか見えなかった。我々の一致した見方は「あの弱さにも通じかねない穏やかさを外に見せない為の、言わばベランメー口調なのだろう」だった。彼は細かい気遣いをする人で、この件は嘗て「石原は良い奴なんです」として発表してあった。

トランプ大統領も、あの石破首相の「国会答弁の常套句」という当意即妙な表現に対して、“He knows what he is doing.”と称賛した辺りは、選挙キャンペーン中にバイデン大統領(当時)とハリス候補を罵倒していた人と同一とは思えないほど違っていた。それこそ、トランプ氏と個人的に付き合いがある人たちが「良い人です」と表現した善い人そのものの面を感じさせた。

私はドナルド・トランプ氏が盤石の支持層である、敢えて言うと中以下の階層、それも労働者階級に向かって語り掛けられる際には、彼らに通じやすい乱暴な表現を敢えて使っておられるのだろうと、何回か指摘した。人とはそういうものだろうと思っている。石破首相にしても、記者会見ではマスコミが揶揄する石破構文では語っておられなかったと受け止めた。

私はトランプ大統領が無理をして善い人を演じておられたのではなく、故安倍元総理との間に築き上げられた、日本に好感を持つ良い大統領で接してこられたのであり、注意深く慎重に事を運ばれたのではと見ている。この辺りを、流行語大賞は取れないだろう、流行りの言葉でいえば「多様性がある」とでもなるか。

あら捜し:
「ビジネスマンの服装学の権威」と秘かに自認する私としては、石破首相のあのスリップオンだと見た何となく疲れたような靴が気になった。公式の場には相応しくない靴であると信じているからだ。あの場では内羽根の黒色の紐を結ぶ靴でなければならないのだ。この点で、私は折角の初の首脳会談の評価から減点しようと思う。

ところが、この方面に精通しておられる東海大学KS教授は、下記のような見解だったので紹介しよう

>引用開始
石破氏が「まちがった装いをしている」とまではいえないように思います。(わたしもじつはこの手の靴を持っていて、ときどきスーツに合わせます。購入するとき店員にも、「これ、slip onだけどスーツにも履けますよね?」と確認し、「スーツでも履けるということでおすすめしています」という回答を得ています。イタリアのファッション関係者も、ときどき「スーツに履き口の深いローファー」を合わせているのを写真でみかけます……)ただ、日本の新首相が、はじめてアメリカの大統領に会うときに、あの靴でいいかというと疑問です。
<引用終わる

という事なのだ。強調しておきたい事は「公式な場での服装は非常に厳格であり、好い加減にはできないのである」という点なのである。外務省も首相の靴までに注意できなかったという事か。