新宿少数民族の声

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1月16日 その2 「第2期トランプ政権と曾野綾子」を「第2期トランプ政権とその政策」に訂正します」

2025-01-16 08:30:26 | コラム
MAGAとAmerica Firstは結構な事だろうが:

偽りないことを言えば「トランプ次期大統領に対する批判的なことを言わないように」してきた。
故に、パナマ運河の権益奪還、グリーンランドの購入、中国を始めとするアメリカ向け輸出に関税(何故か“import duty“という言葉を使わない)をかける、カナダに51番目の州になれと勧告、ロシアのウクライナ侵攻を24時間で辞めさせる等々の激しい政策を次期大統領のトランプ氏は打ち出していた事には触れてこなかった。

これらに対しては国の内部では兎も角、国際的には論評や批判や非難や論議の対象にされて、考え方次第で「その全世界への宣伝効果は十分以上に挙がった」と思っている。それどころか、関心がある人たちには、トランプ氏の最大の「売り」である「アメリカファースト」で押してくるだろう姿勢が充分に認識されたと思う。

だが、事はこれだけで収まらず、昨日辺りから「関税等の外国から歳入(本当に外国からなのかな?)等々を管理する「外国歳入庁」(仮にForeign Revenue Serviceとしておく)を設立して「外国から入ってくる資金を管理する」との方針を打ち出されたと報じられている。これは既存の「内国歳入庁」(=internal Revenue Service)から創り出した訳語のようだ。と言うのは、未だ検索しても正式な名称が出てこないので。

当方が不安に思い続けていることがある。それは、トランプ次期大統領は前任期の頃から「tariffとはアメリカ向けに輸出してくる業者(乃至は国か?)が支払う性質であり、アメリカ政府の収入になる」と認識しているとしか解釈出来ない言辞を弄している事。そう疑う根拠の一つで、未だに忘れられないのがトランプ政権最初のスパイサー報道官の誤解があった。

彼はトランプ大統領(当時)が対メキシコとの大きな貿易赤字や、不法移民の止めどなき越境や、麻薬の密輸等々に対する報復手段として高率の関税をかけるという方針をぶち上げた。その報道の時に、とんだ勉強というか認識不足を露呈したのだった。スパイサー氏は「これでメキシコはアメリカに膨大な金額を支払うことになる」と言ってしまったのだ。この時はそばにいた者たちが大慌てで訂正させて事なきを得た。

私はこの報道官の失言から判断しても、彼の上司であるトランプ大統領が「関税(=import duty)とは輸出国が負担するのだ」と認識しているので、それに従って「メキシコが云々」となったのだろうと確信した次第。トランプ氏が最初からtariffではなくimport dutyという表現を使っていたら、このような誤解/誤認識が発生する確率が下がっていただろうと思っている。

このトランプ氏は未だに「関税(繰り返すがtariffと言われ、import dutyは使わない)は輸出国が負担するのだ」と確信しておられる状態は未だに変わっていないと思わせる言動が多い。そうだから「外国歳入庁」という発想が出たのだろう。

長い年月、アメリカ人の中で、それこそアメリカの為に働いてきた経験があるだけに、トランプ氏が自国を愛するが為に「MAGA」を標榜され「アメリカファースト」の方針を強硬に推し進めようとする姿勢/方針は理解する。だが、そこに関税についての基本的な勉強不足が見えるのは、如何なものかと思わざるを得ない。

アメリカの企業社会の社員や幹部にはトランプ氏が「関税を誤解している」と承知している人たちがいるのだと思う。これまでの報道では「トランプ氏は周囲からの助言や忠言を余り聞こうとはしない独善的な傾向が・・・」とある。何も、関税だけのことではないが、閣僚や側近は大統領に忠誠を誓うだけではなく、「大統領。そのお考えは間違っています」と言いに行く勇気も必要ではないのか。


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