日本が中国の安売り攻勢を指導したとでも誤解したのでは:
敢えて一昨日の主張を捕捉しておこうと思う。日本製鉄は中国の宝山鋼鉄社(Baoshan Iron & Steel)との協業を昨年7月で解消していたが、ゴンカルヴェス氏はその点を認識できていなかったのではなかろうか。さらに、中国では国有企業が多く宝山もその傘下にあるのだが、多くの鉄鋼メーカーが深刻な内需の不振により過剰設備を抱えて、海外市場に安値攻勢をかけているのを、日本が後押ししているとでも錯覚している気がする。
2022年度の粗鋼生産実績でも、上位10社中6社が中国で、他には日本が1社、韓国が1社、ルクセンブルク1社、インドが1社となっていて、中国の圧倒的にシェアーが大きいのだ。
アメリカはといえば、16位にニューコア社、22位にクリーブランドクリフス社、27位にUSステイール社が来るだけ。しかも、クリフス社は一度USSの買収に失敗している上に、今回も買収をかけたが、1株辺りの価格が日本製鉄よりも30%も下回って形勢が不利なので、ゴンカルヴェス氏が苛立っているのかな、などと勝手に推理している。
バイデン大統領もトランプ次期大統領もUSSを恰もアメリカの産業界の象徴のように言っているが、それは過去の話。今や上記のように中国以下の後塵を拝している状態にあるのだ。ゴンカルヴェス氏がそういう現実を承知していても、敢えて日本というか日本製鉄を「邪悪」呼ばわりする認識と感覚と言葉遣いに見る品性の欠如には、怒る前に「アメリカも落ちぶれたのか」と悲しくなる。
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