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この本の中で一番斬新で総合的に本書の価値を決定付けるであろう考えが、
CPS(Creative Problem Solving Method)という方法である。
簡単に言うと、思考が行き詰っているときに、その行き詰っている状況を打破するために都合のいい質問を作り出すことに注力し、その質問に対するイメージを思い浮かべる。このイメージは一見関連のなさそうなことも多い。
しかし、たとえば、そのイメージが3つだと決めたとするとそれぞれのイメージの中での共通点を探り、それぞれ言葉に解釈をしていくという一連のプロセスのことである。
本質的な答えは実は、言葉の中ではなく、言葉にならないモヤモヤの中にある。
新しい思考方法で、論理思考との橋渡しを行う方法だ。
いわゆる茂木健一郎氏のいうAHA!体験を、イメージの解釈を続ける中で、脳がフル回転するということのようだ。
CPSの一番の効用は、「自分に能力がないから正しい答えを導き出せないのではないか」という不安を解消させることができることだ。
また、CPSは#17で説明した全脳思考を補完するためにも、有効である。
全脳思考モデルとは、
a.120%幸せにしたい顧客の想定
ここが実は重要なところで、考えるだけでわくわくするような顧客か?情熱を持てる対象か?ということが重要であり、どのように、CPSをつかうかというと、
《一枚の架空のドアを用意して、そのドアが開いた向こうに誰が立っているかをイメージする》
ということで、そのイメージを解釈していくということである。
b.顧客の120%幸せのイメージを視覚・近く・感覚・名声・金銭的報酬
などから想定していく
c.顧客の現在の悩み・怒り・不安を想定していく
d.クライマックス
自分たちがどういうきっかけで顧客を120%幸せに導く出来事
⇒クライマックスにこそ、もっともクリエイティブな解決策が必要。
このときのCPSの使い方というのは、
《リラックスした環境の中で見上げた空から風呂敷包みかギフトボックスが振ってくるのを想像する。それを開けると何が入っているだろうか?》
そこからイメージを膨らましていくということ。クリエイティブなアイデアは、天からの贈り物のようなものであるのだ。
この本の核心部分でもあるが、
《熱意の持てる顧客対象を見出すことができれば、熱意の持てる仕事が現れることになる。大事なのは、方法論が世の中に受け入れられてるかどうかではなく、自分が、生まれたビジョンを受け入れられるかどうか。》
である。