世界の街角

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タイ芸術局第8支所

2015-08-20 11:05:16 | チェンマイ
 昨8月19日、チェンマイ国立博物館の敷地内に同居するタイ芸術局第8支所を訪問した。目的はサンカンペーンと云われている盤片や盤についての、モヤモヤを解消するためである。
 上の写真はチェンマイ国博敷地内の行先案内ボード、下の写真は第8支所の建物入り口である。
 モヤモヤ解消の為の応対は、チーフスタッフのMr.Saiklangであった。
 最初の質問は、チェンマイ大学陶磁資料室で見た、以下の盤片である。チェンマイ大学ではサンカンペーンと説明を受けていたものである。先ず写真を見ていただきたい。


 この盤片は、サンカンペーンのどこの窯址から出土したのか聞き漏らしたが、サンカンペーンとの説明である。サンカンペーンとするには肚に落ちない幾つかの疑問点がある。

1.口縁にも釉薬がかかり、口縁同士を重ね焼きした形跡がない

2.高台の形状がサンカンペーンのそれとは、どことなく異なる

3.胎土が白味を帯びた灰色で、サンカンペーンのそれとは異なる

4.白化粧が掛っていない

 そのように質問しながら写真を見て頂くと、Nan(ナーン)の可能性も考えられるが10中8,9 Phayao(パヤオ)とのことである。特に二重丸の印花文はパヤオの特徴との指摘である。
 次に以下の盤もサンカンペーンと聞いていたのだが・・・


 Mr.Saiklangによると、これはパヤオで間違いなかろうとのことである。チェンマイ大学で見て説明を受けモヤモヤが残ったが、Mr.Saiklangの説明を受け、”やはり”との印象である。
 次に以下の盤について質問した、最近友人がサンカンペーンの刻花太陽文盤としてインターネットで落札したものである。南海堂の解説書にサンカンペーンと記載されているという。過去からサンカンペーンの盤は数百点みてきたが、刻花文は一度も見ていない。先ず写真を掲載しておく。

 これを彼に質問すると、パヤオとの御宣託である。所謂モン(MON)陶とも考えられるが、刻花の手法と胎土がパヤオを示すという。パヤオと聞くに及び、やはりとの印象である。
 彼に聞くまでは、半信半疑なるもサンカンペーンにも刻花文が存在した可能性に言及し、ブログにもそのように記載してきたが、どーも誤りのようで読者に迷惑を御掛けしたことになる。
 チェンマイ大学の盤片とインターネット・オークションの情報に振り回された話で、読者各位に申し訳なく思っている。