1989夏・北海道に入って1週間、
摩周湖の近くのYH(ユースホステル)に宿泊し、
同室の、関西からきた学生二人(それぞれ一人旅)と、
友人タケと私の4人で、
摩周湖へ早朝ウォーキングに出かけることとなりました。
・・・が、朝方、タケが「体調がよくない」と訴え、
心配ながらもタケを置き去りにして出発することとなりました。
ここ数日、自分のペースでタケを引っ張りまわしていたのかもしれません。
タケは普段から気を遣う性質で、
旅の始めのほうから「YHだと気疲れするのかな」と危惧しておりまして、
談話室に行かずに部屋で過ごしたりして、
なんとか楽しい旅にしようと思ったのですが。
昼間も強行スケジュールや、肉体労働(牧場体験とか?)で、
疲れがたまってしまったということもあるかも。
友人と旅してみて、
いわゆるツアー的な、連れてってもらう旅が好きなタイプとか、
あまり目的を決めずに旅を楽しむタイプとか、
YHよりビジネスホテルが気が楽だとか、
色々な人がいます。
自分は比較的YHのような、人と触れ合う旅は好きですし、
地元ならではの穴場情報を教えてもらったり、
手作り感がある旅は楽しく感じます。
それでも、旅の合間にあえてビジネスホテルに泊まることもあったし、
・・・さすがに女子学生一人で温泉宿は、費用などの面からも
できませんでしたが。
YHの旅は、タケにとってはあまりいい旅ではなかったのかなぁと。
さて、摩周湖へ早朝ウォーキングです。
関西の女子学生の方たちは、
ふたりともおとなしくて、3人で何を話しながら歩いたか、
まったく覚えておりません。
ただ、YHから片道4~5㎞ほど、黙々と歩いたのだったかしら。
それとも、YHの情報などを話したりしたんだったか。
摩周湖の言い伝えとしては、
「初めて摩周湖を見た時に湖面が見えたら婚期が5年遅れる」
と聞かされていて、
この頃は結婚願望がそれほど強くなかったので、
婚期が5年遅れることなど気にするわけでもなかったのですが・・・。
それでも、見えないほうがいいような気もしました。
歩いている途中から、
こりゃ~もう、絶対に摩周湖は見えないよ~くらいに、
霧が出てきて、
取りあえず歩く・・・みたいに歩いて、
気がつくと着ている服はかなり湿っていて、
でも雨が降っているわけではなく
これはこれで、「霧の摩周湖」なんだなぁと。
そしてようやく、摩周湖の看板の前に到着しました。
一応、看板と共に記念撮影をしておきました。
どちらの方角に湖があるのかはまったく分からず、
ただただ、霧が深くて、
ミルク色の景色の上方に、太陽があるのは分かりました。
3人でYHまで戻ると・・・、
休んでいたタケは体調はまぁまぁ回復したらしくて、一安心。
タケに「摩周湖は霧で全く見えなかったよ」と報告したら、
「それはそれで(婚期が遅れることはなくて)、よかったね」と。
そう、自分も、見えなくて残念だったと、あまり思わなかったのであります。
ちなみに、摩周湖の湖面はこの1年半後に無事見ることができました。
それは、また別の機会に綴ります。 ~つづく~