前回紹介した生き物文化誌学会の会報誌BIOSTORY最新号が、タイミングよく本日届きました(詳細はこちら)。特集の『供犠と供養』は、まさに私が関心をつのらせる直球ストライクのテーマ。知りたい!学びたい!と強く念じていると、求める情報や人が向こうからやってくる・・・そんな不思議をしばしば体験しますが、今回もそのとおり。Amazonでも一般購入できますので、ぜひお手にとってご覧ください。
16日は生き物文化誌学会宇治例会に参加した後、別行動の友人と京都市内のホテルで落ち合い、夜は烏丸御池の五けんしも(こちらを)で、友人の大阪在住の娘さんを交えて女子会。中学~高校と40年来の同級生である友人と、赤ん坊の頃から知ってるその娘さんとこうして京都で酒が呑めるなんて感無量でした。五けんしもでは憧れの美人女将マチコさんが、メニューにない隠し酒を次から次へと出してくださって、酒肴もとびきり美味しいので、ついつい際限なく呑んでしまいました(苦笑)。
17日は奈良在住の同じく同級生が合流し、3人で京都歩き。まずは、JR東海の京都キャンペーンさながら、紅葉の名所・永観堂の新緑を堪能しました。前夜、友人の娘が「40年も友人づきあいできるって信じられない」とため息ついてましたが、たしかに20代の彼女からしてみたら不思議かも。2人の友人は中学高校時代、特段べったり親友同士ってわけではなかったのですが、つかずはなれず、いつの間にかずーっとつながっています。
今回の旅行は、友人が経営する食品会社で直営ショップを開店することになり、商品ディスプレイやプライスカードのデザイン、店舗のインテリアやエクステリアについて京都の人気店を参考にしようと企画したもの。私のほうでリサーチしたり、通りがかりに見つけた数店舗を視察しました。
その一つ、京都八百一本館(こちらを)は、五けんしものすぐ近くなのに今まで知らず。京都の街のど真ん中に屋上ファームがあって、採れたて・もぎたて野菜をレストランで味わったりお買い物できたりと、京都らしい6次産業ニュービジネスを目の当たりにしました。
農業系ニュービジネスといえば、昨年度の静岡県ニュービジネス大賞を受賞したのが、『オレ達のえだ豆』でお馴染み・㈱鈴生の鈴木貴博さん。新規就農者を教育し、休耕田を活用して高品質の枝豆やレタスを栽培するしくみを構築し、モスフード認定農場に選ばれたことで販路が急拡大。京都から戻った翌18日に磐田と静岡にある生産拠点と本社を取材に行き、モスフードに納入する直前の採れたてレタスの出荷管理の様子を見せてもらい、同じ畑で収穫中のレタスを試食させてもらいました。
鈴木さんに「6次産業化は考えないんですか?」と訊いたところ、生産に特化したいとのこと。確かに、一人で何でもかんでもやるよりも、生産なら生産という専業を極め、同じ高みを志向するパートナーやネットワークとつながるほうが、いろんな意味で“広がる”ような気がします。鈴生の畑ではアジアからの留学生が汗を流していました。彼らはいずれ母国へ戻る。鈴生のしくみを活用すれば、現地で高品質な農産物を生産供給できるようになる。輸入したり輸出したりは何かと面倒だけど、現地で地産地消できれば問題ない。鈴木さんの言葉には、地球規模の広がりを感じました。
生産者が加工や販売を兼務するって、端で考える以上に難しいことを、6次産業事例をいくつか取材し、実感しています。6次化って、一定以上の広がりを必要とせず、地域にどっかり根をおろしていく人に向いているんだろうなと思いますが、どうでしょうか?
八百一本館の次に訪ねたのは、前から行ってみたかった菓子処・然花抄院(こちらを)。元禄13年に建てられたという町家の空間を活かし、ショップとカフェとギャラリーが違和感なく佇んでいます。ギャラリーでは茶器の名品展を開催中で、とても手が出ないプライスぞろいなれど、目の保養にはもってこいでした。
私自身、このところコピーライターらしい業務から遠ざかっていたので、新しい店の形態、商品パッケージ、キャッチコピーなど等について、改めて勉強になりました。友人たちがどういうデザインに食いつくのかも、大いに参考に。それにしても、女友だち同士のショップ巡りが、こんなに楽で、気持ちが開放的になれるというのは嬉しい体験でした。「旅行や買い物って、ダンナや彼氏が一緒だと心底楽しめないよねえ」と彼女たち。いつも一人旅の私にはへぇ~って感じでしたが(笑)、これって女子校出身者ならではの密度なのかな。