「会社」:次に内部監査なんですが、なにせISOや環境の知識体験もない者が最初から内部監査などできっこないのですが、どう指導されているのですか?
「村上」:その質問を待っていたのですよ。実を言うと内部監査については問題がないようで、実は、大きな問題が存在しているのです。多くの友人の審査員が言うには「内部監査はどこの会社の場合でも出鱈目なんです」と言うんですね。一体何がどう出鱈目なのか聞いてみると、指摘の範囲が狭い・指摘が少ない(100件目標)・指摘内容が幼稚・指摘がトンチンカン・指摘してもきちんと是正できてない・・・・要するに例外なく全く出鱈目で、中小零細企業ではかなり困難じゃないかとも言うんです。
「会社」:だってコンサルタントが内部監査員教育もやっているんでしょ、そんな出鱈目なんてことがありえるんですか?
「村上」:まあ、でもこれが偽らざる現実なんです。原因を想像しますと、まず原因の一つは、コンサルタントがきちんと指導しきれていなんです。難しいISO規格などを1~2日かけて、いきなりとうとうと説明します、だから素人である会社の方はわからないままに自己流でいい加減な内部監査をせざるを得ないということになるわけです。未熟でも、自分達だけでなんとかやらないといけないと思い込んでいて、遮二無二監査するんですよ。そしてトンチンカンで意味のない監査報告書や是正が出来上がるんです。
「会社」:最近のマンション偽装事件みたいに専門家でもいい加減なのですから、ましてや新舞の監査員にとっては当然かもしれませんね。
「村上」:内部監査というのは大事です。管理というのは、やるべきことがきちんとできているか厳しい目、第三者的なクールな目・専門家の視点で見ることが非常に大切なんです。どんな素晴らしいマネジメントシステムでもチェックや指導体制が甘いと何の意味もありませんし、当然ですが、監査の効果が上がりません。
「会社」:そういえば、当社でも経営や経理や品質や安全など全てチェックは甘いですよ。
「村上」:そうでしょ、そんなもんなんですよ「決めたことや言ったことは、当然そのとおりやっているはず」式の会社が日本には多いんです。かつて私が勤めていた京都の超優良会社では、点検パトロールや監査やチェックということの重大性が認識されていたんです。しかしこの当り前のことが、その他の多くの会社では、なかなかできていないんですよ。厳しく専門的にかつ経営の視点から監査する人がいない、育てていない、またそういう厳格かつ有効な監査を指示・指導していないというのが実態です。厳格で的確かつ有効な監査ができる素養のある人を選び、指導や経験を通じて育てていくことが大事なんです。経営層や幹部が率先してやるべきこと・やらせるべきことなんですがね。
「会社」:日本では、監査や点検は誤魔化しみたいに思っていたり、監査員は甘い人で良いなんてことが案外常識になっています。
「村上」:まあ監査などというものは、素人がやってすぐにできることではないんです。だからまず最初は、有能な人が手本を見せないといけないのです。いきなり素人さんにやらせてしまうのはコンサルタントとして良識が無さ過ぎです。
「会社」:素人が監査しないといけないというのは、確かに問題ですね。2~3年は専門家に頼まないと無理ですね。高いお金を払っている外部審査で有効な指摘をしてもらうことが大事なんですがね。
「村上」:そのとおりです。当初3年間の外部審査の役割は重大ですね。しかし外部審査は、ISO規格要求が守られているか、文書や記録の審査が主であって、正直言って会社にとっては、あまり役立たない代物なんです。内部監査というのは初年度はISO14001規格に基づくシステム構築ができているかが中心になりますし、次年度以降は運用が主体になります。家に例えると建設当初の検査は、相当な専門家がやらないと無理なんですよ。次年度以降は企業の経験があり、環境の知識がある監査員でも3年間勉強し内部監査経験を積めば十分勤まるとは思いますがね。次年度以降の内部監査は、むしろ法令順守・環境汚染予防や環境の継続的改善の成果や限られた必要項目が主体ですよ
「会社」:なるほど家の場合でも、建築したての家の検査は、素人には無理ですよね、ISOも同様ですか?
「村上」:私の長年のISO支援の経験からも、 初年度はコンサルタントが主体で内部監査をやり手本を見せるのが最良の方法ですね。内部監査をコンサルタントがやると3つの利点があります。
①きちんとした報告書や是正ができる
②実学として教育効果が大きい
③システムの内容理解がかなり深まる
④第三者の厳しい目で見ることができる
⑤外部審査のリハーサルになり、きちんと受審できスムースに審査が進行する
経営コンサルタントでなくても、身近に専門家がおられればその人にやってもらうのも良いことです。特に2年目からは、環境改善に関する指摘が大事ですよ。環境負荷の削減、パフォーマンスの改善がISO14001の目的であることを忘れてはいけませんよ。「これ以上改善できません」という言訳けに環境マネジメントシステムを悪用してはいけませんよ。何故かというと地球環境問題はもう待ったなしの絶望的な段階に突入しつつあるんですから。やれ管理がどうの印鑑がないの、記録がいい加減です、なんて些細なことばっかりを指摘しても何もなりませんよ。
「会社」: そうですか、初年度や2~3年間は、どちらというと、経営コンサルタントが内部監査をやったほうがいいのか!
(来週、次回に続く)
「村上」:その質問を待っていたのですよ。実を言うと内部監査については問題がないようで、実は、大きな問題が存在しているのです。多くの友人の審査員が言うには「内部監査はどこの会社の場合でも出鱈目なんです」と言うんですね。一体何がどう出鱈目なのか聞いてみると、指摘の範囲が狭い・指摘が少ない(100件目標)・指摘内容が幼稚・指摘がトンチンカン・指摘してもきちんと是正できてない・・・・要するに例外なく全く出鱈目で、中小零細企業ではかなり困難じゃないかとも言うんです。
「会社」:だってコンサルタントが内部監査員教育もやっているんでしょ、そんな出鱈目なんてことがありえるんですか?
「村上」:まあ、でもこれが偽らざる現実なんです。原因を想像しますと、まず原因の一つは、コンサルタントがきちんと指導しきれていなんです。難しいISO規格などを1~2日かけて、いきなりとうとうと説明します、だから素人である会社の方はわからないままに自己流でいい加減な内部監査をせざるを得ないということになるわけです。未熟でも、自分達だけでなんとかやらないといけないと思い込んでいて、遮二無二監査するんですよ。そしてトンチンカンで意味のない監査報告書や是正が出来上がるんです。
「会社」:最近のマンション偽装事件みたいに専門家でもいい加減なのですから、ましてや新舞の監査員にとっては当然かもしれませんね。
「村上」:内部監査というのは大事です。管理というのは、やるべきことがきちんとできているか厳しい目、第三者的なクールな目・専門家の視点で見ることが非常に大切なんです。どんな素晴らしいマネジメントシステムでもチェックや指導体制が甘いと何の意味もありませんし、当然ですが、監査の効果が上がりません。
「会社」:そういえば、当社でも経営や経理や品質や安全など全てチェックは甘いですよ。
「村上」:そうでしょ、そんなもんなんですよ「決めたことや言ったことは、当然そのとおりやっているはず」式の会社が日本には多いんです。かつて私が勤めていた京都の超優良会社では、点検パトロールや監査やチェックということの重大性が認識されていたんです。しかしこの当り前のことが、その他の多くの会社では、なかなかできていないんですよ。厳しく専門的にかつ経営の視点から監査する人がいない、育てていない、またそういう厳格かつ有効な監査を指示・指導していないというのが実態です。厳格で的確かつ有効な監査ができる素養のある人を選び、指導や経験を通じて育てていくことが大事なんです。経営層や幹部が率先してやるべきこと・やらせるべきことなんですがね。
「会社」:日本では、監査や点検は誤魔化しみたいに思っていたり、監査員は甘い人で良いなんてことが案外常識になっています。
「村上」:まあ監査などというものは、素人がやってすぐにできることではないんです。だからまず最初は、有能な人が手本を見せないといけないのです。いきなり素人さんにやらせてしまうのはコンサルタントとして良識が無さ過ぎです。
「会社」:素人が監査しないといけないというのは、確かに問題ですね。2~3年は専門家に頼まないと無理ですね。高いお金を払っている外部審査で有効な指摘をしてもらうことが大事なんですがね。
「村上」:そのとおりです。当初3年間の外部審査の役割は重大ですね。しかし外部審査は、ISO規格要求が守られているか、文書や記録の審査が主であって、正直言って会社にとっては、あまり役立たない代物なんです。内部監査というのは初年度はISO14001規格に基づくシステム構築ができているかが中心になりますし、次年度以降は運用が主体になります。家に例えると建設当初の検査は、相当な専門家がやらないと無理なんですよ。次年度以降は企業の経験があり、環境の知識がある監査員でも3年間勉強し内部監査経験を積めば十分勤まるとは思いますがね。次年度以降の内部監査は、むしろ法令順守・環境汚染予防や環境の継続的改善の成果や限られた必要項目が主体ですよ
「会社」:なるほど家の場合でも、建築したての家の検査は、素人には無理ですよね、ISOも同様ですか?
「村上」:私の長年のISO支援の経験からも、 初年度はコンサルタントが主体で内部監査をやり手本を見せるのが最良の方法ですね。内部監査をコンサルタントがやると3つの利点があります。
①きちんとした報告書や是正ができる
②実学として教育効果が大きい
③システムの内容理解がかなり深まる
④第三者の厳しい目で見ることができる
⑤外部審査のリハーサルになり、きちんと受審できスムースに審査が進行する
経営コンサルタントでなくても、身近に専門家がおられればその人にやってもらうのも良いことです。特に2年目からは、環境改善に関する指摘が大事ですよ。環境負荷の削減、パフォーマンスの改善がISO14001の目的であることを忘れてはいけませんよ。「これ以上改善できません」という言訳けに環境マネジメントシステムを悪用してはいけませんよ。何故かというと地球環境問題はもう待ったなしの絶望的な段階に突入しつつあるんですから。やれ管理がどうの印鑑がないの、記録がいい加減です、なんて些細なことばっかりを指摘しても何もなりませんよ。
「会社」: そうですか、初年度や2~3年間は、どちらというと、経営コンサルタントが内部監査をやったほうがいいのか!
(来週、次回に続く)