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注目!養殖ビジネス ②魚が取れないなら・・・沖合へ陸へ

2018-01-11 07:00:00 | 経済フロントライン

12月2日 経済フロントライン


大手水産会社が通常は養殖が難しい沖合でサーモンを育てるビジネスを始めている。
鳥取県境港。
海岸から約3km。
沿岸より海が荒れやすい場所での養殖である。
鍵となるのが自動餌やり装置。
海が荒れて人が生けすに近寄れなくても魚に餌を与えてくれる。
この装置はただ餌をあげるだけではない。
じつは魚の食欲をはかるためのある仕組みがある。
「魚が餌と間違えてピッと引くとカチンカチンとスイッチが入る。」
この装置の先には疑似餌が付いている。
魚がつついたときは餌を欲しがっている証拠。
その都度 餌を貯蔵庫から送る。
生けすの魚が疑似餌をつついた回数が多いときは
食欲が旺盛なため餌を多く出し
効率的な成長を目指す。
(日本水産グループ 弓ヶ浜水産 鶴岡比呂志社長)
「世界的にはああいう形で魚の食欲をはかるような技術はない。
 無駄なくしっかり餌をあげる。
 ちゃんと成長させるという面では
 いい手応えは得ている。」
難しいとされてきた沖合での養殖だが
出荷する時には従来のサーモンの2割以上体重を増やすことができた。
この会社ではサーモン以外の魚にも利用できないか検討を進めることにしている。
(日本水産 前橋知之執行役員)
「いろいろな種類のものにチャレンジしないとチャンスがつかめない。
 いくつかの魚種をターゲットに養殖事業を広げていきたい。」
海に新たな養殖場を作るのが難しいなか
陸上で魚を育てる施設も稼働を始めている。
今年7月鳥取県琴浦町にできたサーモンの養殖場。
直径14mの水槽が4基。
ふ化から1年経ったサーモン85万匹を育てることが可能である。
これまで陸上養殖には大量の水を確保するのが難しいという課題があった。
そこでこの会社では
同じ水を循環して使えるよう
魚の排せつ物を浄化するシステムを10年ほど前から開発してきた。
(鳥取林養魚場 萩原岳人代表取締役)
「こちらのフィルターはドラム式になっていまして
 24時間ずっとゴミをとり続ける仕組みになっています。」
決め手となったのがバクテリアである。
水の中でバクテリアが繁殖する方法を確立し
魚の排せつ物などから発生する有害物質を分解することに成功したのである。
さらに狭いスペースでも多くの魚を育てる仕組みも開発した。
(鳥取林養魚場 萩原岳人代表取締役)
「こちらの画面では各水槽ごとの酸素濃度を確認できます。」
常に水中で大量の酸素を送ることで魚が酸欠で死ぬことを防ぎ
85万匹のサーモンを同時に養殖できるようになったのである。
このシステムにはいま全国各地から問い合わせが相次いでいるという。
(林養魚場グループ 林慎平会長)
「水が少しあればいい。
 消費地に近いところ
 街の中でも養魚場として魚工場として作ることができる。
 これからは明るく楽しく元気に喜びながら
 もうかる商売を皆さんに提供しようじゃないか。
 その先駆をやっていくのがこのシステム。」


 

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