1月22日 編集手帳
隻眼の剣士、
丹下左膳は昭和の人気映画だった。
日本の児童文学の父といわれる小川未明も影響を受けたらしい。
「片目のごあいさつ」という作品がある。
幼い新ちゃんが腰に長いものさしをさし、
家族の前に出てくる。
「いいか、
よらばきるぞ」。
母が言う。
「なんのまねなの?」。
兄の徳ちゃんがいった。
「タンゲサゼンのまねをしているのですよ」
小欄も子供の頃、
教材の定規で級友とチャンバラごっこをした覚えがある。
長さを測る以外の使い方でまず浮かぶのはそれだが、
大学入試センター試験のニュースで聞いたことのない使用法に接した。
国語の問題文を定規をあてながら読んでいた受験生が不正行為とみなされ、
全科目を無効にされたという。
試験に使用できないものとして注意事項に明記されている。
<定規、コンパス、電卓、そろばん…>。
そもそも数学や理科での不正を想定したものだろう。
センター試験は「30秒」試験時間が短くなっても、
再試験になるほど厳格に運営されている。
とはいえ、
である。
受験生は会場で定規を乱暴に振り回したわけでもない。
杓子(しゃくし)定規がいいことかどうか。