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熱戦とのギャップ

2019-02-11 07:00:00 | 編集手帳

1月25日 編集手帳

 

 作家の小林信彦さんは、
のちに「寅さん」役で大俳優となる渥美清さんを若い頃から知っていた。
その魅力は声と見かけとのギャップではなかったかと書いている。

食事の席などでする何げない話からして、
人を引きつけたという。
<まず、
 声がいい。
 失礼ながら、
 あの顔で、
 声だけ二枚目というのが、
 当時は面白かった>
(『おかしな男 渥美清』新潮文庫)。
チャーミングな人は得てして相反しそうなものを併せ備えるのかもしれない。

テニスの大坂なおみ選手の場合、
コートで見せるとびきりの強さに対し、
やさしさ、
明るさ、
そして天真爛漫てんしんらんまんな受け答えだろうか。

きのうは普段はむずかしい顔つきで机に向かっている記者の多い小欄の職場でも、
テレビの前で拍手を送る人がいた。
全豪オープン準決勝で、
大坂選手がはらはらどきどきの展開でチェコの選手を下し、
あすの決勝の舞台にすすんだ。
至上の対戦に手に汗にぎったあと、
いつもの屈託のない笑顔が見られるといい。

勝てば、
昨年の全米オープンに続いて、
四大大会2連覇となる。
どんなコメントになるだろう。
偉業とのギャップを夢想してしまう。


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