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動物福祉で変わる動物園

2020-10-06 07:01:53 | 報道/ニュース

9月15日 NHK「おはよう日本」


「動物福祉」とは
“飼育される動物のストレスを最小限にして
 動物本来の動きができる飼育環境を作るべきだ“という考え方である。
この動物福祉によっていま動物園が変わり始めている。

大阪 天王寺動物園。
生息地が異なる動物を約180種類飼育している。
昨年度から
動物の世話をする飼育員とは別に
飼育環境の改善を考える専門員を置くことにした。
専門員の井出さん。
井出さんがまず取り組んだのがウサギの飼育環境の改善である。
飼育環境が適切であればウサギは活発に行動するという。
しかしこの施設のウサギは日中寝ていることがほとんどだった。
暑さに問題があると考えた井出さん。
気温とウサギの行動との関係を1年間記録した。
23℃を超えると行動量が大きく減ることが分かった。
そこで保冷材を使った手作りのクーラーを設置。
さらに雑草や土を入れたところ
ウサギは様々な行動をとるようになった。
「だいたい寝るか毛繕いするか2パターンくらいしかなかった。
 プラスで歩いたり掘ったり
 行動パターンが0ないしは1から5,6くらいまで
 コンスタントに見られるようになった。」
言葉を持たない動物たち。
最適な飼育環境を作るには
観察やデータをもとにした客観的な判断が大切だと
井出さんは考えている。
(井出さん)
「行動を調べて
 どういう行動が増えたから
 きっと幸せ
 そうじゃないという評価。
 客観的にみられる
 飼育員から一歩引いたポジション
 専門員が必要になってきている。」
施設では飼育環境の改善を通じて
動物の魅力がより来園者に伝わるのではないかと期待している。
(井出さん)
「いろんな行動パターンが見られると
 また見に来ようかな
 この子かわいいなっていうファンができたりとか
 動物にとってもお客さんにとってもいい効果だなと思っています。」
動物福祉を重視することで人気の動物のっ飼育を辞めた動物園もある。
今年1月 ライオンが死んだ京都市動物園。
十分な飼育スペースが確保できないとして
今後 新たなライオンは飼育しないことを決めた。
(京都市動物園 生き物・学び・研究センター センター長 田中さん)
「ライオンの場合 本来は群れで生きる動物です。
 ところがこの施設で
 群れでライオンを飼うということは適切にはできない。
 動物福祉上 ライオンの飼育はあきらめざるを得なかった。」
人気動物の不在に来園者からは戸惑いの声も。
(来園者)
「ショック。」
「ライオンいちばん好きやから。」
「ショックやけどしゃあないな。」
飼育する動物が減るなか
この施設では新たな価値を提供していこうと考えている。
そのひとつが一般の人向けの勉強会。
専門家を招き
月に一度行われる。
(日本モンキーセンター 新宅さん)
「限られたところにしかないネズミがいっぱいいる。
 ピンポイントの
 この島にしかいないというネズミは非常に絶滅の可能性が高くなっている。」
(参加者)
「見るだけじゃなくて
 専門家の方の話を聞くと動物の見方が変わってくるんだなと思った。」
動物を見て楽しむ娯楽の場から
学びの場へ。
動物園の模索が続いている。
 

 

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