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パンタナール かつてない危機・・・森林火災

2020-10-21 07:00:00 | 報道/ニュース

9月29日 NHKBS1「国際報道2020」


ブラジル・ボリビア・パラグァイの南米3か国にまたがる
世界最大の湿原パンタナール。
面積は日本の本州とほぼ同じ。
一部はユネスコの世界遺産に登録されている。
数多くの爬虫類や哺乳類・鳥類などが生息する野生動物の宝庫としても知られている。
ところがこのパンタナールが今かつてない危機に瀕している。
原因は観測史上最大と言われる森林火災である。

ブラジルの中西部グイアバから南へ200キロのパンタナール。
半年以上 火災が続いている。
今年に入り1万6,000件の火事が発生。
焼失面積は東京都の約10倍にあたる。
火災の要因としてあげられているのが
アマゾンで発生した大規模な森林火災である。
パンタナールの広大な湿原は
隣接するアマゾンから流れてくる湿った空気によってつくられている。
しかしアマゾンの火災により湿った空気が十分に発生しなくなったため
パンタナールは過去50年間で“最悪の干ばつ”と呼ばれる干ばつに見舞われ
火災が起きやすくなったと考えられている。
(地球環境専門家 ヌネスさん)
「アマゾンの火災の影響は
 いま起きているパンタナールなどの異常気象をさらに深刻なものにするでしょう。」
消火活動には軍と警察と消防し
衛星データから火災の位置を特定してあたっている。
しかし広大な湿原の火災現場に
地上からすぐに向かうのは極めて困難だという。
(軍消防隊)
「火災現場へのアクセスが容易ではありません。
 現場に入って50日経ちますが
 パンタナールでここまでの火災は例がない。」
最大の犠牲者が湿原に暮らす野生動物である。
パンタナールに1,000万以上生息するワニは陸上では移動が遅く
火災から逃げ遅れるケースが相次いでいる。
パンタナールは世界有数のジャガーの生息地でもある。
足が速く警戒心の強いジャガーは本来であれば火災から逃げることができるが
今回は火の勢いが速く
安全な場所に逃れることができないジャガーもいた。
パンタナールではこうした傷ついたジャガーの保護を進めていて
その数は今年だけで40頭以上にのぼる。
(ジャガー保護のNPO代表)
「焼け跡を見て
 パンタナールにはもう何も残っていないと思い
 本当に悲しくなりました。」
長引く火災によって動物たちの生息環境そのものも失われている。
特に深刻なのが
動物の食料となる果物や水が奪われていることである。
事態を少しでも改善しようと
20を超えるボランティア団体が現地に入り活動を行なっている。
(ボランティア団体の生物学者)
「水と食べ物を置いて
 動物たちが食べられるようにします。」
ボランティアは森の中の水場が近くにない場所に餌場を設置し
動物たちの命をつないでいる。
(ボランティア団体の生物学者)
「多くの動物の命が失われました。
 今できるのは飢えに苦しむ動物を救うことです。」
パンタナールでは11月から本格的な雨期に入るが
ここまで崩れた生態系をもとに戻すのは容易ではない。
さらなる取り組みが求められている。



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