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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

ハリー・ポッターと賢者の石(吹替)

2009-01-12 21:10:42 | 映画(は)
評価点:19点/2001年/アメリカ

監督:クリス・ コロンバス

記念すべき同名人気小説の「完全」映画化。

ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)は、血のつながりのないダーズリー家でいじめられていた。
しかしそのハリーの元へ一通の手紙が届く。
届いた手紙に目を通したダーズリー氏は憤慨し破り捨てる。
やがて大量に届けられるようになったその手紙を見たハリーは自分が「魔法学校」に通うことの出来る特別な人間だということを知る。

▼以下はネタバレあり▼

完全映画化を謳っているがこれが完全だとすると相当小説のレヴェルがひくいことになるだろう。
つまり、全然「完全」ではない。
(いや、完全かもしれない。今となっては。)

まず第一に映画化するのに必要な最低条件(ルールといってもいい)は映画として完成されていないといけないことだ。
でないと映画として存在している価値も意味もなくなってしまう。
そうするために多少の添削は仕方ない。
しかしそれが全くなされていない。
読者=観客と捉えているらしい。そうではない。
小説を読まない観客もいるのだ。
そうした配慮がこの作品には感じられない。
「読まん奴は観なくていい」という印象が強い。

具体的に例を挙げてみよう。
主人公の使いのフクロウの名前が出てこない。
寮分けの本当の意味もそぎ落とされている。
ロンの家とドラコの家との確執もなし。
スネイプとポッターとの関係もなし、などなど。
枚挙に暇がない。説明不足としかいいようがない。
そして余計なシーン(要素)が多すぎる。
まるで小説の場面を再現するためだけのシーンも多い。
その割りに、粗いCGと稚拙なカメラワークのせいで世界観は薄っぺらく完成度が低い。

この映画をひとことで表すと「子供だまし」である。
映画として完成されてもいないのに完全映画化とはおこがましい。
単なる「映像化」にすぎない。
製作者が趣味で作ったかのような出来だ。

そして吹替えの声。
これはもう最悪。
「ハリー、あなたならやれるわ」
どれだけ一本調子やねん、といいたい。
日本語学習者にむけてのテキストのようなはっきりとした発音である。

これをみて喜んでいる少年少女、そして愚かな大人たちがいると思うと
真剣に日本の危機が迫っている気がしてならない。

(2002/03/26執筆)

この映画のおかげで、僕はこのシリーズはこれ以降観ていない。
一作目って重要ですよね。
僕が酷評すると周りの人は結構がっかりしたように言う。
僕は心底思う。

「本当にいいですか、この映画。」
いや「この小説。」と言い換えても同じことだ。

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