評価点:82点/2015年/アメリカ/134分
監督:クリストファー・マッカリ―
もう一回見たい、そう思わせる出来。
IMFのイーサン・ハント(トム・クルーズ)らは世界のあらゆるテロ事件に関わっているとされる幻の組織シンジケートを追っていた。
そんなある日、ロンドンの拠点に向かったイーサンは、シンジケートに襲われる。
捕捉された彼は、そこで女性捜査官に脱出を手助けしてもらう。
潜入捜査であると知った彼は、シンジケートの正体を、その女性捜査官を探しながら暴くことを決意する。
一方、無理な操作がたたってIMFは解体されることになった。
元アナリストでイーサンの上司となっているブラント(ジェレミー・レナー)らは、イーサンのサポートも難しい状況になっていた。
いわずとしれたトム・クルーズのスパイアクション映画。
3とか4とか数えるのが面倒くさくなったのか、前作からはナンバリングはされていない。
予告編では「これが最後のミッションだ」と言いながら、やはりまだまだ続きそうな予感だ。
監督は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のクリストファー・マッカリ―。
トム様が出ているからなのか、監督がすごいのか、いやいやシナリオが抜群なためだろう、非常におもしろい仕上がりになっている。
夏の映画としてはこれ以上ない傑作だろう。
映画館のチケット購入の列に並んでいる大学生風の男性二人が、「あ~やっぱ「バケモノの子」にしますかぁ? いや「ターミネーター」もいいなぁ」と見当違いな議論をしていた。
「いやいや絶対イーサンですよ!」と教えてやりたかったが、赤の他人だったのでやめておいた。
▼以下はネタバレあり▼
シリーズ最高傑作、と言ってももはや何の意味もないのでやめておこう。
ただ、この映画はとても上手く作られている。
結局大切なのはシナリオなのだろうと痛切に思う。
話を順番に押さえていってもおもしろみはないので、(出来の悪い感想文になるので)話を整理しておこう。
過去、イギリスの情報部がシンジケートという組織を立ち上げた。
これは世界で起こるテロを「世界のテロをどのように起こせば国家が転覆させられるか」という仮想の敵から分析しようと考えた。
明らかに危険性が高いので、首相はその提案を却下したが、水面下でそのプロジェクトは進行し、提案したアトリー長官のコントロール下から離れてしまった。
シンジケートもさすがに資金が必要だった。
そのためシンジケート用に用意された世界の隠し口座を手に入れようと考えていた。
その隠し口座は首相の指紋、声紋、網膜認証が必要だった。
その隠し口座は全てモロッコのデジタル金庫に保管されている。
この保管されているデジタル金庫は容易なセキュリティではなかった。
破るためには超一流のスパイが必要だった。
そこで、IMFのイーサンを利用するために、潜入捜査をしていたイルサ(イギリス情報部の捜査官)を巧みに操ってイーサンにそのデータを盗ませたのだ。
そのデータは、シンジケートの全メンバーのIDが記されたものだ、と偽って。
いろいろツッコミどころは満載だ。
そもそもそんなに都合良くイルサとイーサンをだませるとは思えない。
だが、イーサンを使って「観客をだます」というやり方ではなく、イルサを使って観客を翻弄した。
その点でこのシナリオは非常に優秀だ。
イルサがどちら側の人間なのか、最後の最後まで見えない。
それもそのはずで、彼女自身がアイデンティティを見失いかけているからだ。
視点人物はあくまでもイーサンだが、イルサにその焦点を当てることで、物語が急にかすんでくる。
スパイ映画らしい、二転三転するシナリオになっている点が「MI」シリーズを見に来ているのだと実感させられる。
演出も上手く、ラストの首相を誘拐するシークエンスも見事だ。
シリーズを見てきた人なら、ああこれはきっと化けているのだろうと読める。
だが、そのわくわく感を損なわずに、見事に「だだ~ん、実はトムでした~」となる。
その鮮やかさがラストできっちりと見せてくれるので、カタルシスも大きくなるわけだ。
アクションは本当にすごい。
冒頭の飛行機飛び乗りから、水の中の無呼吸アクション、バイクレース、女子対マッチョのタイマンと、すべての要素を無理なく詰め込んでいる。
それが公開前から「ノースタント、ノーアクション」と公言しているため、余計に「マジかよ、トム様」と手に汗握る。
公開前のプロモーションも上手い演出となっているわけだ。
物語の展開が速いことも手伝って、ツッコミどころを巧みに隠している。
これだけの期待を背負って、なお、このクオリティ。
まだまだ映画はおもしろさを追求できる余地があるのだと感心させられる。
監督:クリストファー・マッカリ―
もう一回見たい、そう思わせる出来。
IMFのイーサン・ハント(トム・クルーズ)らは世界のあらゆるテロ事件に関わっているとされる幻の組織シンジケートを追っていた。
そんなある日、ロンドンの拠点に向かったイーサンは、シンジケートに襲われる。
捕捉された彼は、そこで女性捜査官に脱出を手助けしてもらう。
潜入捜査であると知った彼は、シンジケートの正体を、その女性捜査官を探しながら暴くことを決意する。
一方、無理な操作がたたってIMFは解体されることになった。
元アナリストでイーサンの上司となっているブラント(ジェレミー・レナー)らは、イーサンのサポートも難しい状況になっていた。
いわずとしれたトム・クルーズのスパイアクション映画。
3とか4とか数えるのが面倒くさくなったのか、前作からはナンバリングはされていない。
予告編では「これが最後のミッションだ」と言いながら、やはりまだまだ続きそうな予感だ。
監督は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のクリストファー・マッカリ―。
トム様が出ているからなのか、監督がすごいのか、いやいやシナリオが抜群なためだろう、非常におもしろい仕上がりになっている。
夏の映画としてはこれ以上ない傑作だろう。
映画館のチケット購入の列に並んでいる大学生風の男性二人が、「あ~やっぱ「バケモノの子」にしますかぁ? いや「ターミネーター」もいいなぁ」と見当違いな議論をしていた。
「いやいや絶対イーサンですよ!」と教えてやりたかったが、赤の他人だったのでやめておいた。
▼以下はネタバレあり▼
シリーズ最高傑作、と言ってももはや何の意味もないのでやめておこう。
ただ、この映画はとても上手く作られている。
結局大切なのはシナリオなのだろうと痛切に思う。
話を順番に押さえていってもおもしろみはないので、(出来の悪い感想文になるので)話を整理しておこう。
過去、イギリスの情報部がシンジケートという組織を立ち上げた。
これは世界で起こるテロを「世界のテロをどのように起こせば国家が転覆させられるか」という仮想の敵から分析しようと考えた。
明らかに危険性が高いので、首相はその提案を却下したが、水面下でそのプロジェクトは進行し、提案したアトリー長官のコントロール下から離れてしまった。
シンジケートもさすがに資金が必要だった。
そのためシンジケート用に用意された世界の隠し口座を手に入れようと考えていた。
その隠し口座は首相の指紋、声紋、網膜認証が必要だった。
その隠し口座は全てモロッコのデジタル金庫に保管されている。
この保管されているデジタル金庫は容易なセキュリティではなかった。
破るためには超一流のスパイが必要だった。
そこで、IMFのイーサンを利用するために、潜入捜査をしていたイルサ(イギリス情報部の捜査官)を巧みに操ってイーサンにそのデータを盗ませたのだ。
そのデータは、シンジケートの全メンバーのIDが記されたものだ、と偽って。
いろいろツッコミどころは満載だ。
そもそもそんなに都合良くイルサとイーサンをだませるとは思えない。
だが、イーサンを使って「観客をだます」というやり方ではなく、イルサを使って観客を翻弄した。
その点でこのシナリオは非常に優秀だ。
イルサがどちら側の人間なのか、最後の最後まで見えない。
それもそのはずで、彼女自身がアイデンティティを見失いかけているからだ。
視点人物はあくまでもイーサンだが、イルサにその焦点を当てることで、物語が急にかすんでくる。
スパイ映画らしい、二転三転するシナリオになっている点が「MI」シリーズを見に来ているのだと実感させられる。
演出も上手く、ラストの首相を誘拐するシークエンスも見事だ。
シリーズを見てきた人なら、ああこれはきっと化けているのだろうと読める。
だが、そのわくわく感を損なわずに、見事に「だだ~ん、実はトムでした~」となる。
その鮮やかさがラストできっちりと見せてくれるので、カタルシスも大きくなるわけだ。
アクションは本当にすごい。
冒頭の飛行機飛び乗りから、水の中の無呼吸アクション、バイクレース、女子対マッチョのタイマンと、すべての要素を無理なく詰め込んでいる。
それが公開前から「ノースタント、ノーアクション」と公言しているため、余計に「マジかよ、トム様」と手に汗握る。
公開前のプロモーションも上手い演出となっているわけだ。
物語の展開が速いことも手伝って、ツッコミどころを巧みに隠している。
これだけの期待を背負って、なお、このクオリティ。
まだまだ映画はおもしろさを追求できる余地があるのだと感心させられる。
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