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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

2005年 杭州・上海旅行記 その2

2009-07-09 00:19:33 | 旅行記
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【一日目】
そうこうしているうちに、当日を迎えた。
夕刻便に不安そうに颯爽と乗り込み、いざ中国へ。
激安航空券だったが、そこは日本の航空会社。
全く問題なく、入国してしまった。
友人Dへのお土産として、日本ならではのお菓子や食べ物を買っていったので、もしかしたら、「コラコラ、君、駄目だよ」と中国語で話しかけられるかもしれないと、ちょっと期待(?)していたのだが、それもなかった。
この辺りが、映画を観すぎた人間の陥る思考回路なのだろうか。

着いたのが現地時間で午後九時過ぎだったので、空港とは言えども、薄暗かった。
にぎわっているのは、到着ロビーに直結している一階の出入り口のみ。
「○○の歩き方」で空港内部の地理はインプットされていたので、全く問題なく元への換金を済ませて、タクシー乗り場までいけた。

しかし、問題はタクシーである。
不安になれるガイドブック「○○の歩き方」によれば、中国でのトラブルとして、ボッタクリ・タクシーの被害が後を絶たないという。
行き先は、上海浦東空港近くの安ホテル。
このホテルだけは、友人Dが中国から予約を入れておいてくれたのだ。
しかも、用意周到でビビリのmenfithとして、行き先のホテル名をメモ帳に書いておき、それを見せようと用意しておいた。

これで万全。のはずだが、それでもやはり不安だ。
それを見せるということは、中国語ができないことを逆に証明していることになる。
「ぐへへ、あいつ日本人だぜ、遠回りしてやる~」と、思われないか……。
到着ロビーから続く一階の出入り口を出ると、すぐ前が道路になっている。
出入り口の中央は、バス亭。
その左右がタクシー乗り場になっているのだ。
右側のタクシー乗り場に向かって、歩いていくと、タクシー乗り場には、既にタクシーと客が集まっていた。

そこには客をさばく案内人のような人が立っていて、客から行き先を聞いて、それを運ちゃんに伝える。
運ちゃんは、その客を順次乗せていくというシステムになっているらしかった。

僕はすばやくホテル名を書いたメモを見せる。
相手は、怪訝そうな顔で行き先を確かめる。
メモを確認した後、なにやらタクシー運転手と相談している。
どうやら理解してもらえたようだ。

タクシーのトランクに、トランクを詰めていざ出発。
ホテルは空港の近くだと聞いていたので、長い間乗ることになったら、それは間違いなく詐欺だ。
疑心暗鬼な心持でいると、景色を楽しむ暇もなくあっさり到着。
タクシーの運転手も、要求するまでもなく領収書を渡してくれた。
価格は14元。(その時、1元が12円強から13円弱)
初乗りが10元だから、これで悪徳タクシーなわけがない。
ドキドキ初タクシーは、なにごともなく杞憂に終わったのだった。

一緒に来ていた友人のマィクは、自称「英語ペラペラ男」。
「リスニングには自信はないが、しゃべるのは大丈夫」という、自信があるのかないのかよくわからない男だから、ホテルのチェックインは全て彼に任せた。
一泊一部屋400元を支払って、さっそく部屋に向かった。

お世辞にも高級ホテルとは言いがたいホテルだったが、泊まるのには全く問題がなかった。
ただ、重たいトランクを持って、三階まで登らないといけないのはどうかと思ったが。

部屋についた僕たちが最初にしたのは、部屋のチェックとともに、「お湯」のチェックである。
僕たちにとって、これがさしぬきならない問題だったのは、空腹だったからである。
激安チケットのエコノミー・クラス。
機内食といっても、それで僕のおなかを満足させるにはとうてい足りない。
そこで、カップ麺をあらかじめ用意してきたのだった。

友人Dによれば、到着時刻に空港の内外では何も食べられるところはない。
しかし、ホテルにはお湯があって、カップ麺程度なら食べられるだろうと、言うことだったのだ。
だから、僕たちは飢えたオオカミのまなざしで、ポット(保温専用の魔法瓶みたいなやつ)を確認した。
確認すべきポイントは二つ。
(1)それは飲めるのか。
(2)それは熱いのか。

「なんか変なにおいしない?」
「やっぱり、微妙にぬるくない?」
ある程度予想はしていたが、水は独特な風味を醸し出し、猫舌にも対応してそうなくらい、ぬるかった。
しかし、そこはど根性。
空腹を満たすには、僕らにはカップ麺しか残されていない。

僕は普段カップ麺を食さないので、約三年ぶりくらいで「カップヌードル」にお湯を注いだ。
注いでいる最中から、伝わってくる。
明らかにぬるい。
そして、水の匂いが変だ。

日本の水って、おいしかったんだね~としみじみ思いながら、
微妙に硬いカップ麺をすすったのだった。

だが、水の悲劇はここで終わらなかった。
シャワーを浴びようと(安ホテルなので、当然バスタブはなくシャワースペースのみ)お湯を出すと、そこから溢れ出すのは先ほどカップ麺に注いだお湯と同じ匂い。
匂いの説明をするとすれば、雨水の匂い。
雨水の泥臭さが残ったままの水なのだ。
「おいおいおい、ここまで同じ水かよ~。しかも水圧弱いし」
勿論、その後の歯磨きの時にも、同じ水が蛇口から出てくる。
この事実を知ったとき、友人と二人してかなりへこんだのだった。
「やっぱ中国って……」

不安を抱きながら、ベッドについて、一日目を終えた。

(2005/4/19執筆)

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