評価点:52点/2002年/アメリカ
監督:ギレルモ・デル・トロ
SFXを駆使したアクション映画の第二弾。
前作から二年後、フロストの陰謀を打ち砕いたブレイド(ウィズリー・スナイプス)は、吸血鬼化した元相棒、ウィスラー(クリス・クリストファーソン)を求め方々を旅していた。
ついにチェコのプラハでウィスラーを見つけた彼は、アジトに戻り相棒に血清を打つとまもなく、
宿敵であるヴァンパイアの二人組みに襲われる。
話を聞くと、なんと手を組みたいという申し出だった。
彼らの話ではウィルスがヴァンパイアの間で流行し、感染したものは次々にヴァンパイアを襲い、感染を広めているという。
彼らの提案に乗ったブレイドは、ヴァンパイアと一時的に手を組み、「リーパー」というそのウィルスを撲滅するために尽力することにした。
前作は映画館でみたが、今作はヴィデオになってしまった。
しかし、前作の監督スティーブン・ノリントンから、今作のギレルモ・デル・トロに変わってしまった影響からか、
前作のような雰囲気はまるでなくなってしまい全く違う作品になってしまった。
前作は手放しで喜べるほどの完成度ではなかったが今作はもっとひどい。
むしろ前作のいい部分が完全にスポイルされてしまい、「2」という名前をつけるに値しない駄作になってしまった。
あまりヴァンパイアに詳しくない僕としては、前作の異端的なヴァンパイアの描き方についてそれほど違和感なく受け取れたが、今回の世界観は、ちょっとわかりづらい。
せっかくヴァンパイアという格好の「敵」がいるにもかかわらず、あえてエイリアンのような敵・リーパーを用意する必要があったのか。
前作までの設定がほとんど死んでしまうような「敵」ではないか。
前作のブレイドは自身の血について、非常に悩んでいた。
しかし今回はその「血」について悩むのはヴァンパイアのほうであり、主人公はその悩みに対して全くの傍観者である。
それでは主人公が戦う「重み」が全くない。
そしてこれも前作との兼ね合いだが、前作のヒロイン(カレン)がどうなったのか、
全く触れられていないのもつらい。
ウィスラーという相棒についてのその後は描かれているのに、前作のヒロインがいないのはどう考えてもおかしい。
前作のラストで「私が血清を作り続けるわ」とか言っていたのに、この作品では影も形もない。存在さえいないような扱いである。
それでは前作を知る者は納得できないだろう。
代わりのヒロインもちょっと弱い。
綺麗どころが彼女しかいないのに、「ヒロイン」となるのは、終盤で胸元の開いた大胆な衣装を着るようになってからだ。
それまではずっと「いつ敵になるかわからない」状態だ。
戦闘服から妙にボディを見せる衣装になった瞬間、「こいつは最後にいいやつになるな」ということがわかってしまうが、それまで綺麗どころが全くいない。
これではいくらヴァンパイアものが好きでない僕でも、エロスが足りないとおもってしまう。
でも一番いただけないのは、アクションだ。
この映画を見に行くものは殆んどがアクション目当てだといってだろう。
ところが、全然「ブレイド(=刀)」が出てこない。
プロレス技の応酬であり、剣の技が一向に見られない。
これではもはや「ブレイド」であることさえできなくなってしまう。
いくらなんでも戦い方のスタイルまで変えてしまっては、シリーズ物として非常に弱い。
しかも結末では剣が折れてしまう。
日本刀をモティーフにしているのなら、「刀」は折れてはいけない。
次のロンドンではなんとその剣が問題なく復活しているから、もう手がつけられない。
前作は日本という国がとても歪曲されて描かれていたが、この作品は日本という国が全く出てこない。
使いのヴァンパイアが取り出す筒のようなもの(鍵かな?)が、唯一「巻物」っぽくて日本を意識しているかと思われたが、それ以外、世界観はまったく「近未来」の「エイリアン」だ。
前作のむちゃくちゃ加減がかなり気に入っていた僕としてはとてもショックだ。
結末をみると「3」も撮りそうな勢いだがやめてほしい。
どうせなら監督を元に戻してくれ。
(2003/04/05執筆)
この「2」を観て以来、次回作である「3」を観ていない。
なんと、この映画シリーズは、テレビシリーズにもなっているようだ。
ウィズリー・スナイプス主演でもないらしい。
う~ん、アメリカ人はなんと大味な映画が好きなのだろう。
監督:ギレルモ・デル・トロ
SFXを駆使したアクション映画の第二弾。
前作から二年後、フロストの陰謀を打ち砕いたブレイド(ウィズリー・スナイプス)は、吸血鬼化した元相棒、ウィスラー(クリス・クリストファーソン)を求め方々を旅していた。
ついにチェコのプラハでウィスラーを見つけた彼は、アジトに戻り相棒に血清を打つとまもなく、
宿敵であるヴァンパイアの二人組みに襲われる。
話を聞くと、なんと手を組みたいという申し出だった。
彼らの話ではウィルスがヴァンパイアの間で流行し、感染したものは次々にヴァンパイアを襲い、感染を広めているという。
彼らの提案に乗ったブレイドは、ヴァンパイアと一時的に手を組み、「リーパー」というそのウィルスを撲滅するために尽力することにした。
前作は映画館でみたが、今作はヴィデオになってしまった。
しかし、前作の監督スティーブン・ノリントンから、今作のギレルモ・デル・トロに変わってしまった影響からか、
前作のような雰囲気はまるでなくなってしまい全く違う作品になってしまった。
前作は手放しで喜べるほどの完成度ではなかったが今作はもっとひどい。
むしろ前作のいい部分が完全にスポイルされてしまい、「2」という名前をつけるに値しない駄作になってしまった。
あまりヴァンパイアに詳しくない僕としては、前作の異端的なヴァンパイアの描き方についてそれほど違和感なく受け取れたが、今回の世界観は、ちょっとわかりづらい。
せっかくヴァンパイアという格好の「敵」がいるにもかかわらず、あえてエイリアンのような敵・リーパーを用意する必要があったのか。
前作までの設定がほとんど死んでしまうような「敵」ではないか。
前作のブレイドは自身の血について、非常に悩んでいた。
しかし今回はその「血」について悩むのはヴァンパイアのほうであり、主人公はその悩みに対して全くの傍観者である。
それでは主人公が戦う「重み」が全くない。
そしてこれも前作との兼ね合いだが、前作のヒロイン(カレン)がどうなったのか、
全く触れられていないのもつらい。
ウィスラーという相棒についてのその後は描かれているのに、前作のヒロインがいないのはどう考えてもおかしい。
前作のラストで「私が血清を作り続けるわ」とか言っていたのに、この作品では影も形もない。存在さえいないような扱いである。
それでは前作を知る者は納得できないだろう。
代わりのヒロインもちょっと弱い。
綺麗どころが彼女しかいないのに、「ヒロイン」となるのは、終盤で胸元の開いた大胆な衣装を着るようになってからだ。
それまではずっと「いつ敵になるかわからない」状態だ。
戦闘服から妙にボディを見せる衣装になった瞬間、「こいつは最後にいいやつになるな」ということがわかってしまうが、それまで綺麗どころが全くいない。
これではいくらヴァンパイアものが好きでない僕でも、エロスが足りないとおもってしまう。
でも一番いただけないのは、アクションだ。
この映画を見に行くものは殆んどがアクション目当てだといってだろう。
ところが、全然「ブレイド(=刀)」が出てこない。
プロレス技の応酬であり、剣の技が一向に見られない。
これではもはや「ブレイド」であることさえできなくなってしまう。
いくらなんでも戦い方のスタイルまで変えてしまっては、シリーズ物として非常に弱い。
しかも結末では剣が折れてしまう。
日本刀をモティーフにしているのなら、「刀」は折れてはいけない。
次のロンドンではなんとその剣が問題なく復活しているから、もう手がつけられない。
前作は日本という国がとても歪曲されて描かれていたが、この作品は日本という国が全く出てこない。
使いのヴァンパイアが取り出す筒のようなもの(鍵かな?)が、唯一「巻物」っぽくて日本を意識しているかと思われたが、それ以外、世界観はまったく「近未来」の「エイリアン」だ。
前作のむちゃくちゃ加減がかなり気に入っていた僕としてはとてもショックだ。
結末をみると「3」も撮りそうな勢いだがやめてほしい。
どうせなら監督を元に戻してくれ。
(2003/04/05執筆)
この「2」を観て以来、次回作である「3」を観ていない。
なんと、この映画シリーズは、テレビシリーズにもなっているようだ。
ウィズリー・スナイプス主演でもないらしい。
う~ん、アメリカ人はなんと大味な映画が好きなのだろう。
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