ひとつの願いが、
ほんとうに世界を変えた物語。
あのクリント・イーストウッド監督の最新作ということで、楽しみにしていた作品です。
東宝シネマズ二条にて鑑賞。ネルソン・マンデラと言えば、2007年公開の「マンデラの名もなき看守」を思い出しました。この作品を観ていたので、マンデラ大統領については少しだけ予備知識がありました。
彼はアパルトヘイトに反対したため、27年という長い間ロベン島の刑務所に投獄されていました。一口に27年なんて簡単に言うべきじゃないけど。いやあ大変ですよね。人生80年として、3分の1も拘束状態だった。そんなマンデラ大統領、苛酷な状況に置かれていたのに、罪に陥れた人たちを恨んだりせず。。。寛容な態度で接するとは本当に大きな人だと思いました。
ネルソン・マンデラ にはモーガン・フリーマン
ある時、どの俳優に映画で自分を演じてほしいかと訊かれたマディバ(マンデラの愛称)は、『モーガン・フリーマン』と答えたと言う。
STORY(ヴェルデオフィスより抜粋)
その大統領の誕生は、熱い喜びと、激しい怒りで迎えられた。1994年、南アフリカ共和国初の黒人大統領、ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)だ。
マンデラは就任早々、国の最大の問題を大統領官邸で目の当たりにする。白人の職員たちが新政権の下を去るべく、荷物をまとめていたのだ。マンデラは、すぐに全職員を集めて、「“過去は過去”だ。皆さんの力が必要だ。我々が努力すれば、我が国は世界を導く光となるだろう」と語りかける。
南アフリカは、問題を山のように抱えていた。不況、失業、犯罪増加 ― それらに立ち向かうためには、対立する黒人と白人をひとつにする ― それがマンデラの願いだ。
フリーマンはマンデラを演じる上で、もっとも重要な部分は練習してどうなるものではないと話す。彼に似せて演じることは避けたそうだ。自然に彼になることが必要であり、それこそ最大のチャレンジだったと。
手始めにマンデラは、大統領警護班に4人の白人を配属する。さまざまな人種で創る“虹の国”は「君たちから始まる」と言うマンデラに、「俺たちを殺そうとした連中ですよ」と反発する責任者のジェイソン。それでもマンデラは「赦しが魂を自由にする」と諭す。前政権に27年間も投獄された人の言葉に、ジェイソンは驚きながらも従うしかなかった。さらにマンデラは、意外な行動に出る。ラグビーの南ア代表スプリングボクスの試合を観戦したのだ。ラグビーは白人が愛好するスポーツで、黒人にとってはアパルトヘイトの象徴だった。長らく国際試合から追放されていたチームは、“南アの恥”と言われるほど、弱体化していた。
1年後、ラグビーのワールドカップが、南アで開催される。マンデラの中で、何かが閃く。その日からマンデラは、秘書のブレンダが心配するのも聞かず、どの政策よりもラグビー強化を優先するのだった。
まずは、チーム名を変えることを決定した国家スポーツ評議会を、「今は卑屈な復讐を果たす時ではない。我々の国家を築く時だ」と説得してやめさせる。次に、スプリングボクスの主将、フランソワ・ピナール(マット・デイモン)をお茶に招待し、指導者のあり方について気さくに語り合う。そして投獄されたロベン島で絶望した時、ある詩が立ち上がる力をくれたという体験を語る。車で待っていた婚約者のネリーンに「大統領の用件は何?」と聞かれ、「たぶんワールドカップ優勝だ」と答えるピナールは、大統領の真の目的に気付き始めていた。
ラグビーチームボクスの主将フランソワ・ピナール 役にはマット・デイモン
フランソワ・ピナールの役作りのため、南アフリカ人のアクセントをマスターしなければならなかった。しかし見てのとおり、この役には肉体的なチャレンジもあった。「出演が決まると、僕はすぐにインターネットでフランソワのことを調べ始めたんだけど、彼がかなり大柄なことを知ったんだ。それでクリントに、『この人、すごくデカいんだけど』と言ったら、『ふん、君はほかのことを心配しろ。それは俺が考えるから』と言われた」そうだ。実際にピナールと出会い、、『スクリーン上の僕はもっと大きく見えるから』と言ったのを覚えているよと言われたそうだ。
そしてマットは肉体を鍛え、見事に仕上げたそうだ。
過酷なトレーニングを続けるチームに、大統領から、PRの一環として各地の黒人地区でコーチをしろとのお達しが出る。「そんな時間はない」と怒る選手たちも、崩れかけた家に住む子供たちの、輝く瞳とはじける笑顔に触れた時、時を忘れて懸命にスポーツの楽しさを伝える。彼らの歓声が一つになった空き地には、「一つのチーム、一つの国」のスローガンが書かれた看板が立っていた。
1995年、遂にワールドカップが幕を開ける。サッカーファンだった黒人たちも、今やスプリングボクスを応援している。熱狂するスタンド、TVの前に集まる人々、南ア国民4300万人が見守る中、一国の、そして世界の歴史を変える“事件”が、始まろうとしていた ― 。
フリーマンもマットも役作りにかなり努力したんですね。スポーツを通して、国民を一つにまとめたマンデラ大統領の凄いパワーにも敬意を表したいですね。
ヒューマンドラマなので、地味ですね。エンタメ的な要素はありません。じわっと感激するお話でした。スポーツ好きの方にお薦めかも。
マンデラ大統領の政策はナイスでした
メディア | 映画 |
上映時間 | 134分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(ワーナー) |
初公開年月 | 2010/02/05 |
ジャンル | ドラマ/伝記/スポーツ |
映倫 | G |
「チェンジリング」「グラン・トリノ」の巨匠クリント・イーストウッド監督が、アパルトヘイト(人種隔離政策)後の南アフリカで開催されたラグビーワールドカップを巡る感動の実話を映画化したヒューマン・ドラマ。アパルトヘイト撤廃後も人種間対立が残る中、国民が一つにまとまる大きな転機となった自国開催のラグビーW杯での奇跡の初優勝までの道のりを、ネルソン・マンデラ大統領と代表チーム・キャプテンを務めたフランソワ・ピナール選手との間に芽生える絆を軸に描き出す。主演はモーガン・フリーマンとマット・デイモン。 製作総指揮にはモーガン・フリーマンが関わっています。 追記:ところで、オレ―♪オレ~オレ~レってサッカーの応援のときの歌じゃあないの? 原作はジョン・カーリン