世界的に有名な彫刻家、イサム・ノグチの母・レオニ―・ギルモアの物語を映画化。イサム・ノグチの展覧会が今から4年前に滋賀県にて開催されました。その模様は、2006年7月の記事をぜひ読んで下さい。→こちら
幼少のイサムも登場しますよ!さてイサム・ノグチが、日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフだということは皆さんご存じだと思います。しかし彼の生い立ちや母レオニ―・ギルモアについてはあまり知る事もなく、、、、。
ということで、京都シネマにて鑑賞して来ました。平日ですが、結構お客さんが多かったです。その大半が年配の女性です。男性はいたかな?
皆さん、イサム・ノグチをご存じなのか?レオニ―・ギルモアについて、関心が深いのか?とにかくこの手の作品ってやはり女性好みなのかもしれませんね。
あらすじ(気になる歌と歌詞より拝借)
100年前のアメリカ、
ニューヨークでアメリカ人女性レオニ・ギルモアは、
フィラデルフィア 名門女子大ブリンマー大学を卒業し、
将来は、詩人か編集者になりたい夢を
捨てきれぬまま教鞭をとっていた・・そして 日本から
やってきた神秘的な 青年詩人ヨネ・ノグチ(野口米次郎)と
運命的に出会う。二人は、共同作業で 英語詩を作ることになります。
文壇で成功をおさめた 二人は恋に落ち・・戦争がはじまり
二人の幸せな時間は、続きません。「もうアメリカにはいられない。日本に帰らなければならない」と告げるヨネに
レオニーは、「私妊娠したの」とヨネ・ノグチ(野口米次郎)に告げる。「嘘だ!」「僕をひきとめるための嘘だ!
2人の幸せはそんなに続くことはなかった。
ヨネ・ノグチ(野口米次郎)はレオニーの元を去り 日本に帰国する。
レオニーは、未婚のまま 男の子の赤ちゃんを
人目を避けたカリフォルニアで産む
日本人差別の強い時代 アメリカにいるレオニーを
ヨネは「子供には 父親が必要」と引き寄せます。
残された子供と二人 で 日本の地を踏む決意を固めるレオニー。
ヨネに名付けてもらうまで、イサムの事を「ヨー」って呼んでいましたね。
主人公レオニ―にはあのエミリー・モ―ティマー、ウディ・アレン作品「マッチ・ポイント」や「ラースとその彼女」等でお馴染のイギリスの女優さん。主役を演じるのは初めてかしら?レオニ―は保守的な時代を覆すような、自立した女性だったんですね。
しかも息子イサムと2人で異国の地、日本へやって来た。頼るべき相手は夫ヨネだけだったけど。。。。その後夫とは上手くいかなくなり。結局一人で日本で生活することに。言葉も通じないのに、10年以上の歳月を暮したのですから、強い女性だったのでしょうね。
ヨネ役には歌舞伎界の若手、中村獅童が好演。
異国の地 日本にやってきたレオニーは、ヨネと再会し
父親 ヨネ が混血児の子供を「イサム」と命名する。
あたたかな手が さしのべられることは無く
保守的で封建的な国のままだった。日本では
「 男性の横では無く 後ろを歩かなければならない」そして
ヨネに日本人の妻がいることを知ってしまう・・
ヨネは「日本では 男が2件 家を持つことは
珍しいことではない」と話すヨネの元を去り
小泉八雲の妻セツ(竹下景子)と知り合い、身を寄せる。
夫ヨネが度々家をあけることに不信感を抱く。ついに夫に詰め寄るわけだ。そして夫の口から聞いたのは、レオニ―以外に妻がいるという事実だった。
レオニ―には理解できなかったのだ。ついにこの家から出ることを決意。息子イサムと生きて行くことに、、、、。
そして 父親の名前を明かさぬ 第2子の女の子(アイリス)を出産する。
(この娘が のちにダンサーとなるエイルズ・ギルモア Ailes Gilmour)
第一次世界大戦が勃発する中 運命を潔く受け入れ 芸術家としての
才能に気付く 母親 レオニー
驚いたのはイサムがまだ13歳という年齢にも関わらず、レオニ―が単身でアメリカへ行かせたということ。これが後々のイサム・ノグチを作り上げたのかもしれません。幼いイサムは母がアメリカに戻るまでの5年間、知人宅で寄宿しながら勉学に勤しんだようです。
母が再びアメリカに戻った時、イサムはコンロビア大学の医学部在籍していましたが、その傍ら夜間の美術学校で彫刻クラスに通っていたそうです。校長にこの道を進むことを薦められたとのこと。
レオニ―は1933年、59歳で亡くなります。まだ若かったんですね。
実際のレオニ―・ギルモア
映画撮影裏話(気になる歌と歌詞から)
撮影は、愛知県犬山の明治村や 横浜市 香川県 善通寺市
つくばみらい市 ワープミライステーション 札幌モエレ沼公園
エキストラは、100年前の衣装を身につけ 100年前のメイクや
髪型をして 幼児 小学生 20代から70代の大人までが集結。
出演する 俳優たちも 英語の台詞を3ページも覚えるのが
大変だったと語っていた友情出演の中村雅俊さん。
どおりで皆さん、硬い口調でのセリフまわしでしたね。エミリーさんはさすがでしたが。日本側の俳優さん、演技も半減してしまいそうです。
イサム・ノグチの作品のルーツが何となくわかったような気がします。この母だからこそ、イサム・ノグチという素晴らしいアーティストが誕生したのだと思いました。
「ユキエ」「折り梅」の松井久子監督が、世界的彫刻家イサム・ノグチの母レオニー・ギルモアの波乱の生涯を映画化した伝記ドラマ。主演は「ラースと、その彼女」「シャッター アイランド」のエミリー・モーティマー、共演に「いま、会いにゆきます」の中村獅童
原案:ドウス昌代 | |
『イサム・ノグチ 宿命の越境者』(講談社刊) |
松井久子監督
メディア | 映画 |
上映時間 | 132分 |
製作国 | 日本/アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(角川映画) |
初公開年月 | 2010/11/20 |
ジャンル | ドラマ/伝記 |
映倫 | G |
http://www.leoniethemovie.com/