銅版画制作の日々

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海炭市叙景(2010)

2011-01-13 | 映画:ミニシアター


わたしたちは、あの場所に戻るのだ。

1月8日、京都みなみ会館で鑑賞。「森崎書店の日々」の後、観た作品です。このタイトルに惹かれて行きました。それと加瀬亮君が出演しているのもあって、、、、。
もちろん海炭市という名前の地名はありません。舞台となったのは、北海道函館市。寒々とした最北の街にこの名前、合いますね。

ニューヨーク・アイラブ・ユウーのようなお洒落な物語ではありませんが、本作もオムニバス形式でいくつかのお話に分かれています。
事前にチェックしていなかったので、どんな話なのか?もまったく知らず(汗)

全部で5つのお話です。寒さを映像から感じとれます。それは風景だけではなく、それぞれの登場する人たちの辛さや苦しさ、そして悲しみです。何かがきっかけでお互いの心が通じ合うことが出来なくなった。それを修復しようともがく姿がとても痛々しく感じとれたり、、、、。
時代の流れに置いて行かれる人。行き場を失った人、、、、。多分何処かで見た姿、自分自身が体験したような出来ごと。日常生活にありそうな情景だったり。。。。つまり現実的な風景なのでしょうね。

一話

  

その冬、海炭市では造船所が一部閉鎖され、大規模なリストラが行われた。颯太(竹原ピストル)も職を失った1人。大晦日の夜、妹の帆波(谷村美月)と2人で寂しく年越しそばを食べて年を越す。小銭を集めて初日の出を見るために山に登ることを思い立つ2人。しかし、2人で帰りのロープウェイに乗るお金はなく、颯太は歩いて山を下りることに……。

二話

70歳になるトキ(中里あき)は、道路沿いの古い家に住んでいた。地域開発のため、周辺の家は次々と引っ越し、残るのはトキの家1軒だけ。市役所に勤めるまこと(山中崇)が立退きの説得に来るが、トキは断固拒否を貫く。そんなある日、飼い猫のグレが姿を消してしまう……。

三話

比嘉隆三(小林薫)は、プラネタリウムで働く49歳。帰宅すると妻の春代(南果歩)が派手な服装で店の仕事に出かけて行く。中学生の息子は全く口をきかず、ひとり寂しく夕飯をとる隆三。ある日、春代が朝まで帰らず、腹を立てた隆三は妻を問いただすが、それは互いの距離を一層遠ざける。ある晩、隆三は仕事を辞めさせようと、春代の店に車を走らせるが……。


小林薫さん、隆三役似合うよね。 南果歩さんの厚化粧も板についていた(笑) 

プラネタリウムに、晴夫の息子・アキラがしげしげと通っていた。うらぶれたプラネタリウムがまた郷愁誘う。

四話

父親からガス屋を継いだ晴夫(加瀬亮)は、事業がうまくいかず、苛立ちを募らせていた。再婚した妻の勝子(東野智美)は晴夫の不○に気づき、嫉妬心から晴夫の連れ子、アキラ(小山燿)を虐○する。ある日、晴夫が帰宅すると、アキラの顔には殴られたようなアザが……。

 
晴夫役の加瀬君もなかなか良い味だしていました。助手席には浄水器会社の営業マン・博が、、、、。5話に繋がります。

五話

長年、路面電車の運転手を務める達一郎(西堀滋樹)は、仕事中に息子の博(三浦誠己)を見かける。東京で働く博は仕事で地元に帰っていたが、父親とは会わずにいた。翌年、お墓参りで一緒になった達一郎と博は、バスに揺られて数年ぶりの短い会話を交わす……。

 

うらぶれたスナックで飲むことにした博、5000円で飲めると言われたのに、いざ支払いとなったら、8000円だとさ。あんな店でぼったくられ。。。。馬鹿にしているよね。

ラストはすべての話の終着ともいえるような、、、、。

 電車に乗り合わせる人々

晴夫親子

 

比嘉隆三、春代夫婦の姿も、、、、。そして路面電車を横切る颯太と妹の帆波の姿、初日の出を見に行くための2人の後ろ姿だったんだね。


 

あっけなく人の命が絶たれてしまう。それはショックだけれど、、、、、。すべてがマイナスではないような。明るい希望もありそうな気配も。

どんなことがあってもその場所で生きるという強い思いもある意味悲しい気がしたけど。それはそれで幸せなのかもしれないね。

そうそう上映前にキャストと監督のビデオメッセージもありました!

解説(allcinemaより拝借)

北海道函館市出身で90年に自ら命を絶った小説家、佐藤泰志の未完の連作短編集を、函館市民が中心となって映画化したヒューマン・ドラマ。原作から5編をセレクトし、函館市をモデルにした“海炭市”を舞台に、そこに生きる市井の人々の人生模様をオムニバスタッチで綴ってゆく。監督は自身も北海道出身、「ノン子36歳 (家事手伝い)」の熊切和嘉

メディア 映画
上映時間 152分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(スローラーナー)
初公開年月 2010/12/18
ジャンル ドラマ

※何とあのあがた森魚が喫茶店のマスター役で登場していた。

オフィシャル・サイト
http://www.kaitanshi.com/

 

Comments (3)
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