ECCENTRICITIES OF A BLONDE-HAIRED GIRL
邦題よりも原題である、「ブロンド少女の特異さ」の方がマッチしているようですね。
オチにびっくり!まさかこんな顛末だとは、、、、。
京都シネマにて鑑賞。今週末で終了となるので、急いで観に行って来ました。撮影中に何と100歳の誕生日を迎えられたという監督さん。今もご健在で、102歳だそうです。こんなにご高齢なのに、パワーのある方です。上映時間は64分と少し短めではありますが、、、、。
年齢でびっくりしたのに、内容にもびっくり!まさかこんなお話だとは夢にも思わなかった。タイトルを見る限りでは何か凄く官能的なものでは?と変に想像していたのです。
ところがそうではありませんでした。これをどう受け取るべきなのか?漫才のオチみたいに笑ってお終い。それとも主人公のマカリオにお気の毒だと思うような、、、、。
人を外見だけで、捉えてはいけないという教訓なのか?観るものにとってどう受け取るかはそれぞれ考えさせられる問題定義的な要素を含んだ作品だと思います。
2009年の作品ですが、映像は一昔前のカラー映像的なもの。これも意図的なのかな?
さてお話です。以下ネタばれも含みます。ネタばれ部分を見たい方は反転してご覧下さい。
あらすじ(Movie walkerより拝借)
長距離列車のなか、マカリオ(リカルド・トレパ)は隣り合わせた婦人(レオノール・シルヴェイラ)に自身に起きた事件を語る。会計士のマカリオは、叔父フランシスコ(ディオゴ・ドリア)が経営する高級洋品店の2階で仕事を始めた。マカリオは、向かいの家の窓辺に姿を現した美しいブロンドの少女(カタリナ・ヴァレンシュタイン)に恋をする。2週間後、その少女と母親(ジュリア・ブイセル)が店を訪れる。その日の食事時、叔父は高級ハンカチーフがなくなったと言う。数日後、マカリオは、友人が向かいの家の母親に挨拶しているのを見る。母親はヴィラサ夫人で、良家の母娘だと聞いて安心したマカリオは、友人に紹介を頼みこむ。土曜日の夜、マカリオは公証人の家で開かれた上流層の集いに出席する。少女ルイザもそこにいた。2人は別室のカードゲームに加わるが、ルイザに配られたチップがなぜかなくなる。ヴィラサ夫人宅の友人の集いに招かれたマカリオは、夫人にルイザへの想いを打ち明ける。翌朝、叔父に結婚の許しを乞うが、叔父は反対し、マカリオをクビにする。家を出て部屋を借りたマカリオは、カンカン帽の友人から、貿易商がカーボヴェルデで働く男を探していると聞き、即座に受ける。一財産を築いてリスボンに帰ってきたマカリオはヴィラサ夫人を訪ね、結婚の許しを得る。しかしカンカン帽の友人はマカリオを保証人として、不倫の恋で行方をくらませていた。破産したマカリオは、借り部屋で暮らし始める。再びカーボヴェルデの仕事を持ちかけられたマカリオは、悩みながら決意する。マカリオはルイザの家の前で無言の別れを告げると、叔父を訪ねる。全てのいきさつを知っていた叔父はマカリオに2階で仕事をするように告げ、ルイザとの結婚を許す。マカリオとルイザは一流宝石店に行く。2人は結婚指輪を選び、店を出ようとするが店員に止められる。ルイザの手の中に、ダイヤの指輪があった。ルイザを怒鳴りつけたマカリオは、2度と会えない別れをする。
浮かない表情のマカリオ、これはあまり良くない話?みたいな
物語は列車の中でマカリオが隣に座ったご婦人に告白するシーンから始まる。っていうか列車の中が映り始め、クレジットが出るんですね。車掌さんが切符をチェックする場面も結構長めです。まもなくこのシーンになります。
彼のナレーションがあります。“妻にも友にも言えないような話は、見知らぬ人に話すべし・・・”ということで隣のご婦人に話を聞いてもらいます。
一目惚れ
伯父の家の前に住むこの少女にマカリオは惚れてしまいます。
そんなに美しいかな?若いようですね。マカリオより、10歳くらい年が離れているかしら。完全に心を奪われてしまう。
マカリオ役はリカルド・トレバ エドワード・ノートン似ているような?
本作の監督、マノエル・ド・オリヴィエラのお孫さんだそうです。
彼女の美しさに翻弄されたマカリオは何とか彼女と知り合うきっかけを作ろうとする。彼女親子の知り合いが偶然、マカリオの友人だった!!
ラッキー!マカリオは友人を通じて彼女と知りあえることに、、、、。
とんとん拍子に話は進んでいくのだったが・・・・。
彼女の名前はルイザ (カタリナ・ヴァレンシュタイン)
本作でデビューした。ロンドン生まれの26歳。
ところが叔父フランシスコの猛反対を受けてしまう。結婚するなら、ここ出ていけ!と言われ。ついにマカリオは職を失う。ルイザとの結婚も望めないことに。傷心のマカリオ、職を求めて知り合いにあたるが、叔父の息がかかっているため、雇うこともしない。
所が捨てたものではない。失意のマカリオにある仕事話が舞い込む。
彼の窮状を知ったある男が、カーボヴェルデ(大西洋にある旧ポルトガル領の島国)での仕事を紹介してくれることに。
マカリオはルイザに別れを告げてカーボヴェルデへ。そこでさんざん苦労をして、青年はポルトガルに戻ってくる。だがこの財産を、青年はまんまと騙し取られてしまうのだ。再び無一文になったマカリオ。再びカーボヴェルデで働く誘いはあるが、彼にはもはやそこで働き抜く気力が萎えている。
ルイザとの結婚のため、苦労を強いられるマカリオ。一難去ってまた一難また振り出しに戻ったわけだ。
ところが今度は叔父からの声かけあり、、、、。ラッキーな兆しが。
でもね車中でのあの浮かない表情を見ると、これは何かあるわって思いますよね。
冒頭のパーティシーンで、
この方、ポルトガルの名優さんでルイス=ミゲル・シントラさん。
この方が登場され、朗読をされます。実はこの中に作品の言おうとしてるメッセージにヒントがあります。
解説(キネマ旬報より拝借)
ポルトガルの文豪エサ・デ・ケイロスの『ブロンド少女の特異さ』を、「夜顔」のマノエル・デ・オリヴェイラが映画化。会計士が出会ったブロンドの少女との悲恋を描く。出演は、「コロンブス 永遠の海」のリカルド・トレパ、「アブラハム渓谷」のレオノール・シルヴェイラ。2009年ベルリン国際映画祭出品作品。
メディア | 映画 |
上映時間 | 64分 |
製作国 | ポルトガル/スペイン/フランス |
公開情報 | 劇場公開(フランス映画社) |
初公開年月 | 2010/10/09 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 | G |
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