"パチャママ"は、先住民の言葉で、"母なる大地"という意味である。
京都シネマにて鑑賞。今週で上映終了ということで慌てて行って来ました。何と監督さんは日本人で、松下俊文さんという方です。長年NYに住み日本人向けの放送局でCMやドキュメンタリー番組を制作する仕事をされていたそうです。その松下さんがボリビアの白い大地に訪れたのは今から9年前、2001年の11月のことでした。
9.11事件がきっかけ、そしてウユニ塩湖の事が。。。。。
ストーリーもなく、ジオグラフィック的にこの地を撮りたい。そしてアンデスの風を撮りたい。人々の日常の暮らしを描いてみたいと思った。
そんな思いが映像となり、こんなピュアな作品に。。。。
どこまでも続く地平線、真っ白な塩の大地。そこで塩を取りだす仕事をする父サウシとコンドリ親子の姿が印象的。グローバルな社会とはまったく無縁のようだが。。。。
でももしそういう社会を見たら、コンドリ少年はどう感じるんだろう?やっぱり見せられるのかしら?なんて色々なことを考えながら、南米ボリビアの風景の美しさに魅せられ、食い入るように鑑賞した。
線路上には今は廃車となった列車が放置されている。
今はコンドリたちの楽しい遊び場だ。今やこんな情景は日本では見られないよね。
STORY(Movie Walkerより抜粋)
南米ボリビアにある広大なウユニ塩湖。そこはアンデスの先住民、ケチュアの人々が塩を採取して暮らす土地。そこに13歳の少年コンドリ(クリスチャン・ワイグア)がいた。学校に通い、友達と遊び、父親を手伝って堆積した塩を黙々と切り取る。貧しくも心豊かな日々を送るコンドリ。だが、季節の移ろいとともに彼の生活に変化が訪れる。大好きな祖母が亡くなり、友人は引っ越していく。そして今年、初めて父とキャラバンの旅に出ることになった。リャマの背に塩の塊を積み、アンデスの山々を越えて塩の道を行く3ヶ月の旅。彼と一緒に友人のコーリー(ルイス・ママーニ)も旅立つことになる。
キャラバンの途中、色々な出来事に出会うコンドリ。
リャマが怪我したことで悲しい思いを受けたり、リャマが盗まれるということにも遭遇
家で待つ妹たちに土産を買いたいが、そのためのお金がないという悲しさ。1ペソさえも大金というコンドリ親子。辛いところだ。
はるばる訪ねたコ―リーだが。。。。父は亡き人となっていた。
コンドリの父親(フランシスコ・グティエレス)が、コーリーを鉱山で働く父親の元へ連れて行ってくれと、コーリーのおばあさんから頼まれたのだ。道中、農家に立ち寄り、家畜のミネラル源となる塩を農作物と交換しながら続く旅。鉱山での悲しい出来事や父親への初めての反抗など、様々な経験を重ねながら、コンドリは旅の目的地マッチャの村へ到着する。村では、人々がお酒を作り、幸運を招くアルマジロ売りが出る賑わいぶり。父は1年ぶりに会ったおじさんとギターに似た楽器チャランゴを弾き出す。やがて、インカ帝国の時代から続く伝統のケンカ祭りティンクが始まる。そしてコンドリは、山里からやってきた美しい少女ウララ(ファニー・モスケス)に出会う。
コンドリはウララにほのかな思いを持つ彼女の着ている民族衣装もインパクトありますよね。
ところで彼らの言葉だが、スペイン語かなと思っていたらそうではありませんでした。何でもケチュア語 という言葉だそうで、現在ではボリビア、ペルー、エクアドル、チリ北部、コロンビア南部など主に南米大陸内で1300万人が使用している。ボリビアとペルーでは公用語の一つになっている。過去にはインカ帝国において公用語であった。
ボリビア産穀物の収穫。この穀物の名前を忘れてしまった(汗)
製作から完成まで。。。。
松下さん、2001年から2002年にかけての一年間で、シナリオハンティング、ロケーションハンティング、キャスティングを行い、NYに帰ってシナリオに取り組んだ。結果的に、制作に6年を費やし、監督、撮影、脚本のすべてを一人で手がけたという。
松下俊文監督
メディア | 映画 |
上映時間 | 102分 |
製作国 | 日本/アメリカ/ボリビア |
公開情報 | 劇場公開(ゼアリズエンタープライズ) |
初公開年月 | 2009/12/19 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 | G |