美しい村 静かな暮らし 聴こえてくる魔物の足音
京都シネマにて鑑賞。公開2日目でしかも日曜日、その上第1回目の上映ということもあってか、多くのお客さんでロビーは賑わっていました。1時間前に行ったのですが、すでに64番目。
ハネケ監督作品がカンヌでパルムドール賞を取ったということも影響してか、かなり反響が大きいようです。
さて「ファニーゲームUSA」のような強い衝撃や恐怖が目に見えて感じる事はないですが、監督の独特な毒気はやはり要所でじわじわと伝わってきます。
鑑賞前は睡魔に襲われないかしら・・・。とちょっと心配していましたが。もうまったくそういう心配は吹っ飛び、最後まで食う入るように観ました。ハネケ監督作品、やはり期待通りでした!
まさに人間の心の底にある妬み、暴力、偽善、欲望、陰湿さ等、、、、、。
ストーリー(Movie Walkerより拝借)ラストはネタばれです。読みたい方は反転して読んで下さい。
1913年7月、北ドイツの小さな村。ドクター(ライナー・ボック)が自宅前に張られた針金のせいで落馬し、入院する。隣に住む助産婦(スザンヌ・ロタール)が、彼の子供たちの面倒をみる。牧師(ブルクハルト・クラウスナー)の娘と弟マルティンは帰りが遅くなり、牧師から“白いリボン”の儀式を言い渡される。翌日、男爵(ウルリッヒ・トゥクール)の家の納屋の床が抜け、小作人(ブランコ・サマロフスキー)の妻が亡くなる。教師(クリスティアン・フリーデル)は、男爵家の乳母エヴァ(レオニー・ベネシュ)と初めて言葉を交わす。秋、男爵家で収穫祭の宴が行われている頃、小作人の長男マックスは、男爵家のキャベツ畑を荒らしていた。その夜、男爵家の長男ジギが行方不明になり、杖でぶたれ逆さ吊りの状態で見つかる。後日、男爵夫人は子供たちを連れ、実家のあるイタリアに向かう。退院したドクターは、診察室で助産婦と情事に耽る。冬、次々起こった事件は一向に解決しない。さらに、部屋の窓が開いていたため家令(ヨーゼフ・ビアビヒラー)の赤ん坊が風邪をひくという出来事も起こる。エヴァが町で働くことになり、教師は求婚に行くが、父親から1年待つよう言われる。ある夜、男爵家の納屋が火事になり、小作人が首を吊って死んでいるのが見つかる。ドクターは助産婦に、一方的に別れを告げる。春、男爵夫人は子供と新しい乳母を連れ、戻ってくる。教師は家令の娘から、助産婦の息子カーリが酷い目に遭う夢を見たと聞かされる。その後、カーリが失明するほどの大怪我を負って発見される。自分の息子たちがジギを川に突き落としたことを知った家令は、杖で体罰を加える。カーリの事件の犯人が分かったと聞いた教師は、子供たちの関与を疑う。ドクターと助産婦と子供たちの姿が消え、一連の事件は彼らの仕業だと噂が広がる。その後、教師はエヴァと結婚し、徴兵される。終戦後は町で仕立屋を開き、村人たちとは2度と会うことはなかった。
純真無垢な白いリボンを!と最もな顔で子どもたちに諭す牧師先生。
ちょっと帰宅が遅くなっただけで、罰として鞭打ちに、白いリボン儀式!?それはないやろう!打たれるシーンは見えないが、打たれて泣き叫ぶマルティンの声が何とも言えず・・・・。
牧師役 ブルクハルト・クラウスナー
父親であり、牧師の彼は、威厳ばっかり?子どもを思いやる気持ちはないのか、、、、、。
大人たちの身勝手な行動に言動・・・・・。
ベッドでは両手を縛られ、身動きが取れない・・・・。しつけにしては何かね。
いじめているようにしか見えない。
小作人の妻の死
男爵家の納屋の床が抜ける事故で命を落とす。このことがきっかけでドクターの息子ルディは初めて「死」というものを知るのだ。
秋の収穫祭の日、男爵家に2つの事件が起きる。キャベツ畑が無茶苦茶に荒らされた上、長男ジギが連れ去られ杖でぶたれて逆さ吊りされた。
「犯人は我々の中にいる」 男爵の問いかけに村中の不信感が呼び覚まされる。
そのことがきっかけで男爵夫人は子どもたちを連れて実家へ、、、、。
教師が思いを寄せる男爵家の乳母エヴァも村を去った。
入れ替わりに村へ戻ったのはドクターでした。
ドクター役 ライナー・ボック
落馬事故から復帰したドクター。人々の命を救う大事な仕事を担っている人でありながら、彼の裏に潜むものは・・・・。
ファニーゲームオリジナル版でウルリッヒ・ミューエと夫婦役をした女優さん。これがきっかけで結婚。
助産婦は、ドクターの妻亡き後の公私のパートナーであったが、、、、。
大怪我から復帰したドクター、彼女に屈辱的な言葉を浴びせてこれをきっかけに別れ話を始める。そんな仕打ちに助産婦は「無分別な行動を取ったらどうする」と脅すも、ドクターは意に介さない。
この場面はかなり凄い?言葉のやり取りもある。ドクターの非情な一面を垣間見ることに。欲望の塊?
それは後に娘アンナに忍び寄る。そう近親相○ってやつです。身震いのする場面でもあります。
11月になっても今までに起こった事件は一向に解決せず、、、、、。
男爵夫人は戻らない。家令の赤ん坊が部屋の窓が開いていたことが原因で風邪をひくという不可解な出来事。
クリスマス後、男爵の荘園では火事が・・・・。小作人の子どもたちは黙って窓からその光景を眺める。
翌朝、小作人の首吊り死、、、、、。
年が明け、1914年。
牧師宅では、賢信礼に備えているクララと弟マルティンの白いリボンが外される。
男爵夫人はジギと新しい乳母を連れてイタリアから帰ってきた。
学校では賢信礼を準備する神学の授業で、クララが率先して騒いだとして牧師からの叱責で失神。このことが原因で、クララは熱を出して学校を休む。
帰宅した牧師のデスクには飼っていた小鳥が串刺しにされていた、、、、。
ピーピーは無惨な状態でデスクに、、、、。
息子はピーピーの代わりにこの鳥を父に。。。。
忌まわしい出来事はこの後も続きます。
助産婦の息子、カ―リ―事件に謎の失踪、、、、。
とこころで気になったのは、教師が誘ったピクニックで、エヴァが池に行くのを拒んだ理由は何故なのか?
教師が理由を問いただすこともしなかったので、、、、よくわからないが。。。。
そして子どもたちが留守である助産婦宅にいた理由も今一つ?
結局は分からない事だらけで、、、、。不可解なままだったけど。
年老いた教師のナレーションで始まり、終わるというこの物語、、、、。解明されることなく。
でも男爵夫人の言うことではないけど、この村には嫉妬や邪悪があるから、居たくないと男爵に告げていた。その気持ちは何か分かるような気がしましたけどね。
男爵:ウルリッヒ・トゥクール
「オ―ストリア大公がサラエボで暗殺された、、、」
「女め!君も深入りするな・・・・」
解説(allcinemaより拝借)
「ピアニスト」「隠された記憶」の鬼才ミヒャエル・ハネケ監督が、ナチス台頭の時代の大人たちが子どもだった頃の北ドイツの田舎町を舞台に、人間の心の闇を痛烈に描き出すミステリー・ドラマ。敬虔な村人が暮らす田舎町で次々と巻き起こる悪意に満ちた不可解な事件と、それによってあぶり出される村人たちの不穏な素顔を、全編美しいモノクロ映像で綴ってゆく。2009年のカンヌ国際映画祭ではみごと最高賞のパルム・ドールを受賞
撮影風景
メディア | 映画 |
上映時間 | 144分 |
製作国 | ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア |
公開情報 | 劇場公開(ツイン) |
初公開年月 | 2010/12/04 |
ジャンル | ミステリー/ドラマ |
映倫 | G |