ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

渡辺文男クィンテット・ライヴ・アット・アヴェニュウ

2005年11月16日 | ライブ
           ♪「アヴェニュウ」の入口。


 今夜はジャズの生演奏を聴きに行ってまいりました。
 場所は、倉敷市内の老舗ジャズ・クラブ、「アベニュウ」。
 観光地・倉敷の名物ジャズ・クラブとして、全国的にも有名です。
 ここはぼくも月に3度、出演させて頂いています。
 今夜の出演は、「渡辺文男クインテット」です。


 【渡辺文男クインテット】
  ■渡辺 文男(drs)
  ■松島 啓之(tp)
  ■高橋 知己(ts)
  ■吉田 桂一(pf)
  ■佐々木悌二(b)


 渡辺文男さんは、日本はもとより世界的にも有名なサックス奏者・渡辺貞夫さんの実弟で、日本ジャズ界の重鎮のひとりでもあり、またジャズ・ドラム界でも有数のプレイヤーでもあります。
 あとの四人も、それぞれが日本のジャズ界の中心となって活躍している人ばかりです。
 お店には開演の1時間ほど前に着きました。メンバーの顔ぶれだけで期待が膨らみます。ワクワクしながら開演を待ちました。


     
      御大・渡辺文男(drs)


 ステージは2セット。スタンダード・ナンバーとピアノの吉田桂一さんのオリジナルを交えながら、バップ・チューンをたっぷり聴かせてくれました。
 自分のパートがベースということもあって、ぼくはとくにベースの佐々木悌二さんのプレイに注目していたんですが、素晴らしかったです。派手さはないものの、実にオーソドックスなプレイでバンドのリズムをしっかりと支えています。コード感を浮き彫りにさせるベース・ライン、安定したグルーヴ感など、まさに頼りになる存在、って感じですね。アンプラグドで演奏していたので、ウッド・ベース特有のふくよかな音色も心ゆくまで楽しむことができました。


     
      高橋知己(ts、左)、松島啓之(tp)


 トランペットの松島啓之さん、テナー・サックスの高橋知己さんの両名とも、日本ジャズ界有数のプレイヤーと言われているだけあって、歌心満載のソロは飽きのこない、素晴らしいものでした。
 ピアノの吉田桂一さんはここ数年で評価が急上昇していますが、なるほど、と思わせてくれる演奏でした。バッキングではサウンドをうまくまとめあげ、ソロになるとお店の中の空気を「吉田ワールド」に一変させます。


     
      佐々木悌二(b、左)、吉田桂一(pf)


 そして御大・渡辺文男。今年の12月で67歳になるというのに、スティックを持つと「老い」という言葉が全く似合わない、熱いエネルギーを発散します。とはいえ、長年ジャズ界の最前線で活躍を続けてきただけあって、「余裕しゃくしゃく」といった雰囲気も感じます。2本のスティックで「叩く」というより、「歌う」と言った方がピッタリするような、楽しいドラミングをたっぷり披露して下さいました。終始にこやかなその容貌からも、懐の深さを感じました。


【セット リスト】

■ファースト セット
 1.ディス アイ ディグ オブ ユー (ハンク・モブレー) 8:33
 2.ストローリン (ホレス・シルヴァー) 12:14
 3.コンファーメイション (チャーリー・パーカー) 11:47
 4.ダーン ザット ドリーム (ジャズ スタンダード) 9:22
 5.ディパーチャー (吉田 桂一) 10:24

■セカンド セット
 1.パラゴン (吉田 桂一) 12:33
 2.イーズ イッツ (ポール・チェンバース) 14:32
 3.アイ リメンバー クリフォード (ベニー・ゴルソン) 10:29
 4.チュニジアの夜 (ディジー・ガレスピー) 17:21
 5.ザ テーマ (マイルス・デイヴィス) 11:56

■アンコール
 1.アイル クローズ マイ アイズ (ジャズ スタンダード) 8:21
 2.レディ ラック (サド・ジョーンズ) 6:58
 

 合計約2時間20分にも及ぶ、中身のぎっしり詰まったライヴでした。超満席の場内も拍手大喝采。「もっと聴きたい」、と思うくらい楽しかったです。
 このクインテット、チャンスがあれば、必ずまた聴きに行ってみたいと思います。


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コメント
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