やっと聴くことができました、上原ひろみのサード・アルバム。
すでに先月リリースされてたんですが、せっかくCDショップに行っても品切れ状態が続いていたりと、なにやかやで買いそびれていたんです。
一昨日、ようやく店頭で手に入れました~ そしてそして、昨夜じっくり堪能させて頂きました。
「上原色」の輝き、相変わらず素晴らしいですね。それだけでもう満足です。
「ピアノ・トリオでオーケストラ的サウンドに取り組む」というのがコンセプトのひとつだそうですが、たしかに3人のバンドとしてのまとまりの良さと広がりがはっきりと感じられます。グレイ&ヴァリホラのリズム・セクションは前作『ブレイン』から引き続いているだけあって、コンビネーションは抜群です。
ちなみにベーシストのトニー・グレイ、あのジョン・マクラフリン(guitar)の甥っ子なんだそうです。
仕掛けがたっぷりと用意されていて、場面展開が鮮やかなことが、ひろみ嬢の書く曲の特徴のひとつだと思うのですが、表現力は豊かだし、曲のひとつひとつがとてもよく練りあげられていて、とても濃密でスケールの大きな世界が広がっています。
ひろみ嬢のピアノは全力で疾走するかと思えば、時にはコミカルに踊り、時には幻想的に、そして時には優しい音色を奏で、さまざまな情景を目の前に浮かび上がらせてくれるのです。
上原ひろみは、「女性プレーヤー」だとか、「ジャズ・ミュージシャン」などといった既成概念を打ち破ってくれる、とっても爽快で素晴らしい音楽の提供者だと思います。
パッケージを開けて気づいたのですが、初回限定盤だけにDVDが付いていたのです。いや~ウレシイ!2004年12月の横浜ライブで演奏した「カンフー・ワールド・チャンピオン」という曲の映像です。これがまた凄かった!
演奏技術と曲の完成度の高さは言うまでもないのですが、ひろみ嬢の気合が半端じゃなく凄まじい。まさにぼくの目は「画面に釘付け」状態でした。5回も6回も繰り返して見てしまいました。
ああ、早く生で聴いてみたいぞ~!
◆スパイラル/Spairal
■演奏・プロデュース
上原ひろみ
■アルバム・リリース
2005年10月19日
■録音
ブラック・バード・スタジオ(テネシー州ナッシュビル) 2005年5月28日~31日
■レコーディング・エンジニア
マイケル・ビショップ/Michael Bishop
■収録曲
① スパイラル/Spiral
ミュージック・フォー・スリー・ピース・オーケストラ:/Music For Three-Piece-Orchestra:
② オープン・ドアーチューニングープロローグ/Open Door-Tuning-Prologue.
③ デジャ・ヴ/DéJà Vu
④ リヴァース/Reverse
⑤ エッジ/Edge
⑥ 古城、川のほとり、深い森の中。/Old Castle, By The River, In The Middle Of A Forest
⑦ ラヴ・アンド・ラフター/Love And Laughter
⑧ リターン・オブ・カンフー・ワールド・チャンピオン/Return Of Kung-Fu World Champion
⑨ ビッグ・チル/Big Chill (Bonus Track)
※All songs written by Hiromi Uehara
■録音メンバー
上原ひろみ (piano, keyboards)
トニー・グレイ/Tony Grey (bass)
マーティン・ヴァリホラ/Martin Valihora (drums)
■レーベル
TELARC